(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せず依然として経済活動が停滞しており、また、度重なる緊急事態宣言の発出などにより、先行き不透明な状況が続きました。
このような環境下、当社グループは、タイル事業につきましては、重要な指標の一つであります新設住宅着工戸数は前年に比べて増加傾向にありますが、主要ターゲットでありますマンションの着工戸数については減少しており、依然として厳しい状況が続きました。また、新型コロナウイルス感染症の影響が前連結会計年度と比較して当連結会計年度の方が大きく出ると見込んでおりましたが、予想以上の感染拡大により日々の営業活動等の業務が制限されたため、第2四半期連結累計期間は非常に厳しい業績となりました。第3四半期以降は回復傾向が見え始め、当第4四半期連結会計期間には前年同四半期会計期間を上回る業績となりました。これは前連結会計年度より取り組んできた、販売体制の強化及び指定力の向上を図るための施策と高付加価値商品の拡販による利益率の改善が、ようやく実を結び結果として表れてきたものと考えております。しかしながら、原材料、燃料及び運賃等の製造コストの高騰もあり、これまで取り組んでいる販売費及び一般管理費の削減の効果以上に営業利益への圧迫が今後も続くものと思われ、引き続き販売価格や運賃制度の改定、販管費削減等に努めて参ります。
不動産事業につきましては、不動産投資市場において、当連結会計年度も大型の不動産投資ファンドが組成されるなど、不動産への投資資金は大きく増加しており、また、コロナ禍による業績悪化を背景に、大手企業が大型の自社ビルを売却する事例も相次ぎ、不動産の取引金額を引き上げる一因となりました。このような環境下、アセットマネジメント受託資産の拡大に努めて参りましたが、主要顧客であります海外投資家の日本への渡航制限が依然として継続されていることから、引き続き投資の実行が困難な状況が継続しており、今後、かかる制限が緩和され、海外投資家による投資が再開されることを見込んでおります。一方で、国内の新規投資家の物件取得にかかる運営管理業務を受託、投資アドバイザリー業務においては、東京都所在のオフィスビル等の媒介業務等を受託いたしました。
住宅金融事業につきましては、2021年5月18日公表の「連結子会社の第三者割当増資並びに当該子会社の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、第2四半期連結会計期間において米国連結子会社SRE Mortgage Alliance Inc.は、持分法適用関連会社に異動しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は50億1千8百万円(前年同期54億1千5百万円)、営業損失8億9千8百万円(前年同期11億8千1百万円)、経常損失10億3千1百万円(前年同期12億3千万円)、親会社株主に帰属する当期純損失9億6千7百万円(前年同期1億9千5百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
イ.建設用陶磁器等事業
当連結会計年度において建設用陶磁器等事業の売上高は43億7千8百万円(前年同期45億9千7百万円)、営業損失は6億5千8百万円(前年同期8億4千7百万円)となりました。
ロ.不動産事業
当連結会計年度において不動産事業の売上高は5億4千5百万円(前年同期4億9千1百万円)、営業損失は5千7百万円(前年同期7千万円)となりました。
ハ.住宅金融事業
当連結会計年度において住宅金融事業の売上高は1億8千2百万円(前年同期4億5千万円)、営業損失は1億7千9百万円(前年同期2億6千万円)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は税金等調整前当期純損失10億5百万円に営業貸付金の増減額50億4百万円、持分法による投資損益4億4千5百万円等が加算されるものの、短期借入金の増減額47億5千万円、有形固定資産の取得による支出2億9千9百万円、為替差損益2億4千7百万円、建物解体費用引当金の増減額2億4千6百万円等が減算されたことにより、前連結会計年度末に比べて8億6千万円減少し、また、第2四半期連結会計期間において米国連結子会社SRE Mortgage Alliance Inc.が持分法適用関連会社に異動したため、連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額17億9千2百万円があったことにより、21億5千3百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は39億5千2百万円となりました。これは、主に、税金等調整前当期純損失10億5百万円に営業貸付金の増減額50億4百万円、持分法による投資損益4億4千5百万円、前受金の増減額2億5千5百万円、減価償却費1億9千3百万円等が加算されるものの、為替差損益2億4千7百万円、建物解体費用引当金の増減額2億4千6百万円、たな卸資産の増減額1億8千6百万円等が減算されたこと等によるものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、4億1千2百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出2億9千9百万円、投資有価証券の取得による支出1億7百万円があったこと等によるものであります。
当連結会計年度における財政活動による資金の減少は、47億6千2百万円となりました。これは、短期借入金の増減額47億5千万円があったこと等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記の金額には、外注製品受入高(2,235百万円)を含めております。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注生産品は、僅少であるため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
イ.経営成績の分析
当連結会計年度の建設用陶磁器等事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が前連結会計年度と比較して当連結会計年度の方が大きく出ると見込んでおりましたが、予想以上の感染拡大により日々の営業活動等の業務が制限されたため、第2四半期連結累計期間は非常に厳しい業績となりました。第3四半期以降は回復傾向が見え始め、当第4四半期連結会計期間には前年同連結会計期間を上回る業績となりました。
不動産事業においては、アセットマネジメント受託資産の拡大に努めて参りましたが、主要顧客であります海外投資家の日本への渡航制限が依然として継続されていることから、引き続き投資の実行が困難な状況が継続しており、今後、かかる制限が緩和され、海外投資家による投資が再開されることを見込んでおります。一方で、国内の新規投資家の物件取得にかかる運営管理業務を受託、投資アドバイザリー業務においては、東京都所在のオフィスビル等の媒介業務等を受託するなどほぼ業績予想通り推移いたしました。
住宅金融事業においては、第2四半期連結会計期間において、SRE Mortgage Alliance Inc.が連結子会社から持分法適用関連会社に異動したことに伴い、第1四半期連結累計期間で損益が確定しております。
これらの結果、売上高は50億1千8百万円となり、前連結会計年度を3億9千7百万円下回る結果となりました。
営業損失につきましては、商品構成の再構築を行い、製品の除却及び評価損を計上により在庫の圧縮を実施し、また、生産数量の減少に伴う稼働率の悪化等による製造原価の上昇もあり8億9千8百万円となりました。
経常損失につきましては、為替差益2億4千7百万円、雇用調整助成金6千万円などを営業外収益に計上いたしましたが、SRE Mortgage Alliance Inc.が連結子会社から持分法適用関連会社となったことに伴う持分法による投資損失4億4千5百万円を営業外費用に計上したことなどにより10億3千1百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、第2四半期連結累計期間において、連結子会社であったSRE Mortgage Alliance Inc.が持分法適用関連会社となったことに伴う持分変動利益2千5百万円を特別利益に計上したことにより、9億6千7百万円となりました。
ロ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、経済情勢の変動や各種法規制等による影響、自然災害の発生が外的要因として挙げられます。また、内的要因としては、組織体制が機能しない場合の影響、生産効率の悪化、たな卸資産の過剰在庫などが挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資金需要の主なものは、建設陶磁器等事業における製造費用及び設備投資資金、また、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金であります。当社グループの資金の源泉は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針や、連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益費用の報告金額に影響を及ぼす見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。
・たな卸資産の収益性の低下
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
・固定資産の減損
当社グループでは、減損損失の認識及び測定を行う単位としての資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識及び測定にあたっては、その時点における合理的な情報等を基に将来キャッシュ・フローの見積りを行っておりますが、事業計画や市場環境等の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループには、将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、これは8億9千8百万円の営業損失を計上しているためであります。
このような状況の中、当社グループの取り組みといたしましては、タイル事業につきましては、販売体制の強化を図り、指定力向上に努めるとともに、高付加価値商品の拡販による利益率の改善に努め、生産工場におきましては、稼働率の改善による原価低減を図って参ります。
不動産事業につきましては、引き続き新規顧客の開拓による更なる事業拡大に努め、タイル事業への相乗効果を高めるとともに、遊休不動産の活用も引き続き進めることにより赤字体質からの脱却を目指し、当連結会計年度計上の営業損失8億9千8百万円を早期に解消し、営業黒字体質の構築に取り組む所存であります。
なお、資金面に関しては、急激な市場環境等の変化に対応するための現金及び預金を中心とした金融資産を有しております。
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