課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「古河機械金属グループは、鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を経営理念としています。

この経営理念を実現するために、「運・鈍・根」の創業者精神を心に刻み、「変革・創造・共存」を行動指針として実践します。

「 変 革 」… 未来に向けた意識改革により絶えざる自己革新を行う。

「 創 造 」… 市場のニーズに対応し、信頼され、魅力あるモノづくりを目指す。

「 共 存 」… 経営の透明性を高め、環境と調和した社会の発展に貢献する。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた古河機械金属グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において掲げた、連結営業利益150億円超の常態化を目指します。

 

(3) 経営環境および中長期的な経営戦略

創業以来147年に及ぶ長い歴史の中で、創業当時の鉱山業から様々な事業転換・多角化等の変革を図り、トンネル掘削現場や土木・建築現場、鉱山、工場、下水処理場等、国内外のインフラ整備を支える機械製品、また、銅をはじめ、高度情報化社会の発展に欠かせない電子材料や高品質な化成品などの製品・技術・サービスを提供できることが、当社グループの強みです。

当社グループは、マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」の解決に役立つインフラ整備、製品・技術・サービスなどを提供します。これにより、「企業価値」を創造すると同時に、「社会インフラ整備」、「安全で環境に優しい豊かな社会の実現」という「社会価値」の創造に寄与し続け、「持続可能な社会の実現」に貢献してまいります。

当社グループは、これまでに培った経験・技術を活かし、「Power」(力強さ・スピード)と「Passion」(熱意・情熱)をもって、2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」の達成にまい進し、全てのステークホルダーの皆様の期待に応え一層の信頼を獲得してまいります。

 

 

 

 

 

 

 

1.2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」

「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」

―創業150周年を迎える2025年度に向けて、連結営業利益150億円超の常態化を目指します―

 

2.2025年ビジョン達成のための方針

(1) CSV*の視点を織り込んだ「マーケティング経営」**による古河ブランドの価値向上

マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」を解決し「持続可能な社会の実現」に貢献していく。

①顧客ニーズを捉えた技術営業力(提案型・ソリューション型)の強化

②市場ニーズに合致した製品・技術・サービスの開発

③強みを活かせるニッチ製品への集中と差別化戦略によるカテゴリートップ化の推進

④新たな市場・カテゴリーの開拓・創造と新たなビジネスモデルの構築

⑤社会基盤を支えてきた製品・技術・サービスを進化させ、「社会課題」の解決に貢献

 

* CSV(Creating Shared Value:共通価値/共有価値の創造):企業が社会問題や環境問題などに関わる社会課題に取り組み、社会価値と企業価値を両立させようとする経営フレームワークです。

**「マーケティング経営」という言葉に、マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供するとともに、顧客が抱えている課題や問題を見つけ出し解決することにより、顧客とのきずなを深めながら、持続的に成長し企業価値を高めていきたいとの意を込めました。

 

(2) 機械事業の持続的拡大

①インフラ関連・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化

②ストックビジネスの拡充・強化

③グループ総合力の発揮、エンジニアリング力の強化によるビジネスチャンスの拡大

 

(3) 人材基盤の拡充・強化

①新しい古河の活力あふれる人づくり・風土づくり

②国内外の多様な人材の確保・活用・育成

③営業・サービス人材の重点強化

 

(4) 企業価値向上に資する投資等の積極的推進

①成長に必要な設備投資の積極的実施

②戦略的なM&A、アライアンスによる事業拡大

 

(5) 経営基盤の整備

①二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上

②堅固な財務基盤の確立

③成長投資と株主還元へのバランスのとれた配分

④当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上

 

 

 

 

 

 

(4) 中期的な経営戦略

①ROE向上に向けた取り組み

当社グループは、創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定しております。

「2025年ビジョン」に掲げる「連結営業利益150億円超の常態化」を達成するためには、「二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上」が不可欠です。当社グループは、投資に伴うリスクおよび資本コストを勘案した採算性に留意して個別の投資判断を行うとともに、財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組むこととしております。

更に、資本コストを的確に把握するとともに、新規事業の立ち上げ・育成、既存事業の拡充強化や縮小・撤退・売却・アライアンス等を含む多岐にわたる選択肢をゼロベースの発想で検討し、これまでの事業の歴史や思い入れに過度に引きずられない合理的な経営判断を実施することにより、経営資源配分の全体最適の追求を目的とした事業ポートフォリオマネジメントの運用に取り組んでいきます。

 

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②「2025年ビジョン」達成に向けた取り組み

当社グループは、長期経営計画である「2025年ビジョン」を3つのフェーズに区分し、各フェーズの位置づけの明確化を図り、戦略的な落とし込み、長期・中期それぞれの時間軸に対応した個別・具体的なアクションプランを策定し、運用しています。

「2025年ビジョン」達成のための重要なツールとして、毎年、期間3年で中期経営計画をローリングする方式を採用しており、各フェーズが始まる際に対外公表する中期経営計画のシームレスな策定を実現するとともに、あらかじめ第1・第2フェーズにPDCA用のマイルストーン(非開示※)を設定することで、ローリングの都度、マイルストーンとの開きを埋めるためアクションプランの見直しを行っています。

2020年度を初年度とする「中期経営計画2022」につきましては、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、収束時期の見通しが不透明であったこと、政府から緊急事態宣言が発出されたことなどにより、「中期経営計画2022」策定の前提としていた経営環境、事業環境から状況が大きく変化したため、公表を延期しました。その代わりに、第2フェーズに取り組むべき経営戦略、重点課題等を明確にすべく、2020年5月に「中期経営方針2022」を策定、公表しました。

 

なお、2021年5月には、2021年度を初年度とする期間2年の「中期経営計画2022」を策定し、公表する準備を進めておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が継続し、新型コロナウイルス禍が収束する時期のめどが立たず、中長期の事業環境は不確実性が高く想定することが難しかったため、2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を見送り、第2フェーズに該当する2021年度および2022年度は単年度の連結業績予想を、それぞれ2020年度および2021年度の本決算時に公表することといたしました。2021年度、2022年度は、2023年度からの第3フェーズ(対外公表を検討している「中期経営計画2025」)につなげるため、新型コロナウイルス感染症による価値観やライフスタイル、ビジネスモデル等の変化を慎重に見極め、体質強化(特に、ロックドリル部門における海外マーケティング力の強化・再構築、金属部門における委託製錬事業の抜本的な見直し、不動産事業における古河大阪ビルの将来構想の具現化等の重点課題)を強力に推進し、当社グループ業績の早期回復に注力する期間と位置づけました。

 

※ PDCA用のマイルストーン(非開示):あらかじめ設定したPDCA用の数値(非開示)は、中期経営計画を公表する都度、公表値に置き換えます。

 

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(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

「中期経営方針2022」では、「2025年ビジョン」達成に向け、CSVの視点を織り込み再定義した「マーケティング経営」の推進により古河ブランドの価値向上を図っていくことに加え、現場力とイノベーション力*1を強化し、持続的な成長に向け「人材基盤の拡充強化」、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」、「経営基盤の整備」に取り組んでいくとともに、「中期経営計画2019」にて構築した「新たな成長の礎」の盤石化に全力で取り組むことで,「成長の加速と更なる収益性向上」を実現していきます。

特に、「中期経営計画2019」にてコア事業と位置づけた機械事業については重点投資・成長事業の位置づけを確たるものとすべく、引き続き「機械事業の持続的拡大」を推進していくとともに、非連続な成長を実現するために、アライアンスやM&Aへの取り組みを強化していきます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みについては、生産部門における検討・推進のほか、顧客や市場のDXニーズに応え、生産性・効率性・省力性を高めるICTやAI技術を活用した製品開発に注力していきます。また、2021年7月には、一体感あるグループ運営を一層強化する経営体制を構築するため、東京地区において分散しているグループ本社機能を集約移転のうえ、フリーアドレス制を導入しました。本社オフィス移転を契機に、業務運営の効率化を図るとともにペーパーレス化や事務効率の向上を進めています。

なお、2025年ビジョンに明記している「CSVの視点を織り込んだ『マーケティング経営』による古河ブランドの価値向上」および「当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上」を従前にも増して強力に推進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、2021年12月に「古河機械金属グループ サステナビリティへの取り組みに関する基本方針」を制定し、関連する組織を改編することにより、サステナビリティ推進体制および全社的リスクマネジメント体制の強化・拡充を図っています。

とりわけ、「カーボンニュートラル」については、当社グループとしての達成はもとより、CSVの視点を織り込んだ「マーケティング経営」実践の好機と捉え、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量削減効果の高い製品・技術・サービスなどを提供することで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

 

 

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 「中期経営方針2022」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という世界経済が極めて不透明な状況の中でスタートしましたが、依然として収束時期が見通せないことに加え、ロシアのウクライナ侵攻により、供給制約下における資源価格の高騰や物流網の混乱、金融資本市場の急激な変動に拍車がかかり、その世界経済への影響等を踏まえた中長期の事業環境の不確実性が更に高まっています。新型コロナウイルス感染症拡大に端を発する人々の行動変容、価値観やライフスタイルの変化に加え、脱炭素社会を目指して、世界が大きく変わろうとしている中、新たな市場の創出を捉え、社会課題の解決に役立つ製品・技術・サービス等を提供することで、持続可能な社会の実現に貢献し続けていきます。

 

①機械事業

機械事業については、我が国における防災・減災などの災害対策、国土強靭化のためのインフラ整備など、当社グループが果たすべき責任は、一段と大きくなっていると認識しています。更に、将来の生産年齢人口の減少による建設現場の人手不足を補う省力化・無人化への貢献や、省エネルギー、CO削減への寄与も、当社グループにとっての社会課題と考えており、また、インフラ整備・資源関連開発を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化を図っていきます。

 

産業機械部門では、「セクションプラント工事案件の取り込みおよび官民の大型工事プロジェクト案件などのコントラクタ事業の拡大を図る等、単なる機器メーカーからの脱却を目指してエンジニアリング力*2を強化し、国内市場における事業基盤の拡充」の継承と、成長軌道の確立を基本戦略としています。エンジニアリング力を強化した成果として、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案が複数の大型プロジェクトに採用され、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案により破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等を受注するなど、確実に利益を出せるようになってきました。引き続き、コントラクタ事業については、不測の事態の想定やリスク管理、プロジェクト管理を徹底し、受注精度・確率の向上を図るとともに、土砂搬送時の搬送効率やCO削減に貢献する長距離平ベルトコンベヤ、環境配慮型新製品である密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の提案を強化し、ポンプ、マテリアル機械の更新需要の取り込み等により、更なる収益基盤の強化を図っていきます。

 

ロックドリル部門では、ライフサイクルサポート*3機能の強化によるフロービジネス・ストックビジネス*4両輪での収益拡大、ドリル製品群(ブラストホールドリル、ドリルジャンボ)の収益基盤の強化を進め、新規市場の開拓と新製品の投入による収益の拡大を基本戦略としています。前期に営業損失を計上したロックドリル部門では、マネジメント体制の見直しに加え、2021年10月に組織改編を実施するとともに、取り組むべき施策として、製品別・地域別戦略の明確化と、それに対応した海外子会社の再編統廃合を図るなど、構造的な改革を進めています。フロービジネスにおいては、海外マーケティング力の強化・再構築を図ることを喫緊の課題と位置づけ、選択と集中の徹底に取り組んでいきます。その具体的な施策として、第1に、重点地域を設定し、油圧ブレーカは欧米(オリジナル構造の機能や性能の評価が高い地域)、海外ドリルジャンボは東南アジア(トンネル等のインフラ需要が旺盛な地域)に注力します。第2に、油圧クローラドリルについて優位性に基づく機種選別により集中販売していきます。

なお、本年1月には「東南アジア砕石市場開拓」の具体的施策の一つとして、油圧ショベルに装着するアタッチメントドリル「AHD709」を開発し、インドネシア市場に投入しました。穿孔能力が大きく劣るものの安価な空圧式さく岩機が主流となっている新興国の多くの掘削現場、特に砕石場で、油圧ショベルにアタッチメントドリル「AHD709」を組み合わせることにより、作業性が高くかつ購入しやすい価格設定のさく岩機の市場投入を実現し、今後、インドネシアのほか、東南アジア諸国にも同製品を展開し、さく岩機の油圧化促進に取り組んでいきます。第3に、重点地域の設定に合わせ、海外体制を見直し、海外子会社の再編統廃合を進めていきます。ストックビジネスにおいては、ライフサイクルサポート推進による油圧クローラドリルのビジネス強化に取り組みます。更新需要予測の精度向上を図るとともに、顧客のビジネスに寄与する各種サポートプログラム(延長保証、フルメンテナンス等のメンテナンスプログラム、稼働情報分析による作業効率改善や消耗品低減等を提案する顧客サポートプログラム等)の提供によるストックビジネスの強化を推進して新車・部品販売につなげていきます。また、トンネルドリルジャンボについては、技術統括本部との共同開発により全自動ドリルジャンボ、自動ロックボルタなど、トンネル掘削現場での安全性と効率性向上に資する製品ラインナップの展開強化を図るとともに、今後も、山岳トンネル施工現場でのICT化や無人化等の課題解決に取り組んでいきます。

 

ユニック部門では、国内販売での安定的な収益確保と海外販売での収益拡大を目指し、製品の高機能化・高付加価値化などによる競争力強化、ストックビジネスの推進、海外における製品力・営業力・サービス技術力の強化を基本戦略としています。佐倉工場を三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場として、機能強化することを目的に、2016年4月から開始した設備投資は、2022年3月に完了しました。新設した油圧機器工場に加工機械を集約することで生産効率の向上を図った油圧機器製造工程改革、カチオン電着塗装などの塗装設備を新設し、塗装品質の向上を図った塗装工程改革、クレーン架装能力を倍増し、外注架装費の削減、納期短縮等による収益性の向上を図った架装工程改革など設備投資効果の追求と最大化に取り組んでいます。製品の高機能化・高付加価値化については、2021年6月にクレーンの稼働領域を広げるとともに、クラス最高のつり上げ性能を実現した中型トラック搭載型クレーン「ユニッククレーン|新型G-FORCE」の販売を、同年11月には小型トラック搭載型クレーンにおいても新型機の販売を開始しました。

なお、同年9月には「ゼロ・エミッションクレーン」をコンセプトに、排出ガス規制がある地下や屋内のほか、外部電源の取得が困難な現場などに自走してクレーン作業を可能にする、メンテナンスフリーの完全電動仕様ミニ・クローラクレーン「URW295CB3RA」を開発し、販売を開始するなど、今後も製品競争力の強化を図っていきます。海外展開については、製品力の向上、海外販売店の販売指導やサービス技術指導などの活動を強化し、現状、2割程度となっている海外売上高比率を引き上げるとともに収益性を改善することで、海外販売での収益拡大に取り組んでいきます。また、直近の市況について、国内では、トラックの出荷遅れなど厳しい市場環境が続いていますが、ユーザーやディーラーの動向を注視して対応するとともに、海外では、ロシアへの経済制裁の影響に慎重に対応していきます。

 

②素材事業

金属部門では、国際市況動向の影響や鉱石買鉱条件の影響を受け、収益の変動が大きく、委託製錬事業の採算性と将来性の見極めが重点課題であり、2022年5月12日付で公表した「小名浜製錬株式会社との委託製錬契約終了に関するお知らせ」のとおり、委託製錬事業の抜本的な見直しとして、小名浜製錬株式会社との委託製錬契約を終了することで、戦略的に事業規模を縮小するとともに不採算の輸出を大幅に削減し、委託損益の安定的な採算確保を図っていきます。

 

電子部門では、戦略製品と位置づける窒化アルミニウム、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルの成長促進と市場投入を基本戦略としています。窒化アルミニウムについては、電子機器の高集積化、微細化、薄型化等により、放熱部材の需要が拡大しております。引き続き、高付加価値焼成技術を活かした事業拡大、高熱伝導・高靭性窒化アルミニウムの開発を図っていきます。DOEについては、微細加工技術を活かした販路拡大、ハイブリッドコイルについては、高い設計自由度を活かしたサンプル展開を図っていきます。

 

化成品部門では、既存製品である硫酸や酸化銅の収益拡大と新規開発製品である金属銅粉の事業化の開始・育成を基本戦略としています。硫酸については、電池用途向けを中心に需要が拡大している高品質硫酸による差別化展開強化、酸化銅については、ハイエンドPCやサーバー向けに販売が伸長しているめっき用酸化銅の増産、金属銅粉については、品質、量産・販売体制を整え、サンプル展開から販路の拡大を図っていきます。

 

③不動産事業

室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益を確保し、古河大阪ビルをはじめ、当社グループが保有する不動産の有効活用を図っていくことを基本戦略としています。2019年12月末をもって閉館した古河大阪ビルの将来構想の決定が重点課題です。

なお、古河大阪ビルについては、2020年度から解体工事に着手しています。

 

 

*1 当社では、イノベーションを広く捉え、全ての企業活動において企業価値や社会価値を生み出す改革・改善を実現する力やビジネスモデルを構築・改革する力をイノベーション力と定義しています。

 

*2 営業活動として、経験、技術、知識をツールに、お客さまに対し、機能、コスト、使用環境、安全性などトータルバランスを考慮した最適提案を実行できる力のことです。

 

*3 機械のライフサイクル全体の期間(機械の選択と納入、オペレーションとメンテナンス、大規模な修理や再生、廃棄や交換)を通じて機械の所有コストおよびオペレーティングコストを可能な限り低減するために最適な管理サービスを提供し支援することでLCS(Life Cycle Support)とも表記されます。

 

*4 景気の影響を受けやすい製品販売(フロービジネス)に対し、製品販売後のアフターマーケットを対象とした事業(補用部品販売、保守サービス、中古下取り・販売等)やレンタルのことをストックビジネスと呼び、比較的収益が安定していることから、「新たな成長の礎」の1つと位置づけ、継続的な拡充・強化に取り組んでいきます。

 

(注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

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