業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況
・経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な半導体不足が継続していることにより、半導体関連業種では活発な受注環境となっておりますが、2年以上に渡るCOVID-19の影響やロシア・ウクライナ紛争をはじめとする新たに発生した様々なグローバル要因により、世界的に多様な産業における生産設備投資等が2~3年先延ばしとなっている状況であり、総じて、生産設備投資は低調に推移いたしました。

このような状況において、当社主力製品である「アルファフレームシステム」の販売は堅調に推移いたしましたが、装置部門のFA装置関係は、生産設備投資が低調な状況下においても様々な引合案件があるものの、原材料価格の高騰、半導体不足による制御機器等の納期遅延や調達部品の不足等による代替品での対応等は、生産コストに大きな影響を及ぼし、厳しい受注活動が続きました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は7,432百万円(前期比111.8%)、営業利益は255百万円(前期比117.3%)、経常利益は267百万円(前期比121.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は248百万円(前期比182.5%)と、厳しい生産環境下においても前期比で増収増益を確保いたしました。

なお、連結子会社であるNIC Autotec (Thailand) Co., Ltd.の解散及び清算決定に伴う特別損失39百万円を計上しておりますが、同社の解散及び清算に伴い回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産並びに法人税等調整額をそれぞれ104百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が増加しております。

また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用による売上高及び各利益への影響は軽微であります。

ところで、生産の効率化・最適化を図ることを目的に、2021年7月より立山第3工場(富山県中新川郡立山町利田)の建設工事を進めてまいりましたが、当初予定どおり2022年3月末に竣工し、2022年4月より稼働を開始いたしました。

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

[アルファフレーム部門]

アルファフレーム部門の一般顧客向けの販売では、COVID-19の影響による営業活動の支障は徐々に解消され、下半期では緩やかながら回復傾向となりました。大口顧客向け継続案件においても安定的な受注がありました。特に第4四半期では一般顧客向けにおいて当社独自の「カクチャTM」及び「マーキングシステムTM」を活用した作図案件が伸長し、COVID-19発生以前を上回る受注を獲得しました。

この結果、当部門の売上高は4,836百万円(前期比106.2%)となりました。

[装置部門]

装置部門におきましては、主要顧客である自動車部品製造企業において大規模な設備導入が停滞している中で洗浄装置を中心とした単品案件を多く獲得するとともに、薬品・食品などの分野からも受注を獲得いたしました。

この結果、当部門の売上高は1,025百万円(前期比111.4%)となりました。

[商事部門]

商事部門におきましては、主要顧客各社とも消耗品や治工具類の需要は安定的となってきてはいるものの、自動車の減産の影響からCOVID-19発生以前の状況には戻っておりません。一方で、機械設備関係については大型の受注があり、比較的好調に推移いたしました。

この結果、当部門の売上高は1,571百万円(前期比133.7%)となりました。

 

・財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前期末と比べ574百万円増加し、8,713百万円となり、負債合計は、前期末と比べ569百万円増加し、4,073百万円となりました。正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は2,250百万円であり、流動比率は207.9%であります。

なお、当連結会計年度末の純資産合計は、前期末と比べ4百万円増加し、4,639百万円となりました。自己資本比率は53.2%となっております。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前年度末と比べ571百万円減少し、4,336百万円となりました。これは主に、受取手形が91百万円、電子記録債権が275百万円、それぞれ増加した一方で、現金及び預金が824百万円、仕掛品が191百万円、それぞれ減少したことなどによります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前年度末と比べ1,146百万円増加し、4,377百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が新工場建設に係る投資等により1,106百万円、繰延税金資産が122百万円、それぞれ増加した一方で、建物(純額)が93百万円減少したことなどによります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前年度末と比べ291百万円減少し、2,085百万円となりました。これは主に、電子記録債務が143百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が241百万円、1年内返済予定の長期借入金が134百万円、それぞれ減少したことなどによります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前年度末と比べ860百万円増加し、1,988百万円となりました。これは主に、新工場建設に係る借入れにて長期借入金が803百万円、リース債務が51百万円、それぞれ増加したことなどによります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前期末と比べ4百万円増加し、4,639百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上248百万円及び配当金の支払い223百万円があったことなどにより、利益剰余金が25百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が22百万円減少したことなどによります。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前期末と比べ824百万円減少し、636百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期間の1,140百万円のキャッシュ・インに対し、51百万円のキャッシュ・アウトとなりました。これは税金等調整前当期純利益の計上による資金の増加228百万円や棚卸資産の減少による資金の増加184百万円があった一方で、売上債権の増加による資金の減少388百万円や仕入債務の減少による資金の減少97百万円、法人税等の支払額110百万円などがあったことなどが主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期間の163百万円のキャッシュ・アウトに対し、1,179百万円のキャッシュ・アウトとなりました。これは立山第3工場の新規取得を主とした有形固定資産の取得による支出が1,165百万円あったことなどが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期間の188百万円のキャッシュ・アウトに対し、398百万円のキャッシュ・インとなりました。これは立山第3工場の新規取得に係る長期借入れによる収入1,000百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出331百万円や配当金の支払いによる支出223百万円があったことなどが主な要因であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び商品仕入実績

当連結会計年度の生産実績及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

・ 生産実績

セグメント名称

生産高(千円)

前期比(%)

アルファフレーム部門

4,851,295

106.2

装置部門

1,025,791

111.4

合計

5,877,086

107.1

 

 
・ 商品仕入実績

セグメント名称

品目

仕入高(千円)

前期比(%)

商事部門

工業用砥石

109,976

114.8

機械設備

921,693

153.5

工具・ツール・油脂類

323,333

104.4

 合計

1,355,002

134.7

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

アルファフレーム部門

4,822,792

101.2

1,359,637

97.9

装置部門

1,175,903

144.8

348,193

175.8

商事部門

1,274,825

88.6

335,339

53.1

合計

7,273,521

103.7

2,043,170

92.1

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント名称

販売高(千円)

前期比(%)

アルファフレーム部門

4,836,005

106.2

装置部門

1,025,791

111.4

商事部門

1,571,086

133.7

合計

7,432,884

111.8

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

キヤノン株式会社

2,446,006

36.8

2,518,073

33.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

<売上高>

アルファフレーム部門におきましては、一般顧客向けの販売では、COVID-19の影響による営業活動の支障は徐々に解消され、下半期では緩やかながら回復傾向となりました。特に第4四半期では一般顧客向けにおいて当社独自の「カクチャTM」及び「マーキングシステムTM」を活用した作図案件が伸長し、COVID-19発生以前を上回る受注を獲得しました。また、大口顧客向け継続案件においても安定的な受注がありました。

装置部門におきましては、主要顧客である自動車部品製造企業において大規模な設備導入が停滞している中、洗浄装置を中心とした単品案件を多く獲得するとともに、薬品・食品分野などからも受注を獲得いたしました。

商事部門におきましては、主要顧客各社とも消耗品や治工具類の需要は安定的となってきてはいるものの、自動車の減産の影響からCOVID-19発生以前の状況には戻っておりません。一方で、機械設備関係については大型の受注があり、比較的好調に推移いたしました。

これらの結果、売上高は7,432百万円(前期比111.8%)となりました。

<売上総利益、販売費及び一般管理費>

当連結会計年度は、アルミ地金等の材料価格高騰の影響は徐々に出てきているものの、製造人員の適正配置、内製化の推進、経費の削減を推進したことにより、売上総利益は1,478百万円(前期比106.7%)となりました。

また、販売費及び一般管理費につきましても、COVID-19の影響下においても、効率的な営業活動などを推進し経費節減に努めた結果、1,222百万円(前期比104.7%)と前年比で微増となりました。

<営業損益、経常損益及び親会社株主に帰属する当期純損益>

当連結会計年度は、売上高の伸びに対し、販売費及び一般管理費の増加を抑えたことにより、営業利益が255百万円(前期比117.3%)、経常利益が267百万円(前期比121.4%)となりました。また、連結子会社であるNIC Autotec (Thailand) Co., Ltd.の解散及び清算決定に伴う特別損失39百万円を計上したものの、同社の解散及び清算に伴い回収可能性があると判断した将来減算一時差異について法人税等調整額を104百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が248百万円(前期比182.5%)と大幅に増加いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況及び分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

また、資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造に係る材料費、労務費、外注費、諸経費や商事部門の商品仕入、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって見積りが必要な事項につきましては、過去の実績及び現在において入手可能な情報に基づき総合的に検討し、合理的な基準にて会計上の見積りを行っておりますが、実際の数値はこれらの見積りとは異なる結果となる可能性があります。なお新型コロナウイルス感染症の拡大による影響については、ワクチン接種の進捗等により、まん延による経済停滞リスクは低減していくと仮定しており、会計上の見積りについては当該仮定を反映しております。

当社グループの連結財務諸表に係る重要な会計方針については「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

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