課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「モノづくりを通じて社会の発展と創造に貢献する」ことを経営理念とし、お客様、社員、株主及び地域社会の満足度を高めることを会社経営の基本方針としております。
 具体的には次のとおりであります。

・ お客様のためには、知恵と技術を結集した高品質な製品とサービスを提供してまいります。

・ 社員のためには、仕事を通じて自己実現の機会を与え、快適で働き甲斐のある職場環境を醸成してまいります。

・ 株主のためには、期待と信頼に応えられるよう最大限の企業努力をしてまいります。

・ 地域社会のためには、安全と環境を重視し、相互に良好な信頼関係を築いてまいります。また、当社独自の環境方針を定め、全社一丸となって地球環境の保全に取り組んでおります。

 

(2) 経営環境

当社を取り巻く経営環境は、世界的な半導体不足が継続していることにより、半導体関連業種では活発な受注環境となっておりますが、2年以上に渡る新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響やロシア・ウクライナ紛争をはじめとする新たに発生した様々なグローバル要因により、世界的に多様な産業における生産設備投資等が2~3年先延ばしとなっていると考えております。このような状況を捉えて生産設備等を刷新及び革新する動きが加速化しているため、今後、持続的に2年から3年以上かけて緩やか、かつ継続的に伸長していくと見込んでおります。

ところで、製造業における生産の自動化においては、今までの大量生産に適した生産設備とは異なり、多品種、変種変量生産に適した新たな生産設備へのニーズが、かつてなく高まりを見せている状況であることから、新たなステージの生産方式へ移行していくと考えております。

以上により当社は、2023年3月期をフレキシブルに対応できる新しいFAシステムの『開発元年』の期間と位置づけ、従来の中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)における基本的な方針及び経営戦略を継承しつつ、今後のニーズに適合すべく新たな中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。

なお、2023年3月期においては、原材料価格、エネルギー価格及び物流コストの高騰等、様々な克服すべき一時的な制約が重なる状況になることが予想されます。

しかし、当社は、その次のステージを見据えて社内の業務効率化・最適化を推進し、業績への影響を最小限に留め、2024年3月期以降、加速度的に回復成長すると見込んでいる新しい形の経済環境に対応すべく臨機応変に、速やかなる社内体制の継続的刷新及び構築に注力してまいる所存であります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は、ROE(当期純利益/株主資本)及びEPS(当期純利益/発行済株式総数)であります。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。

ところで、昨今の経営環境は、前項の「1[経営経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](2)[経営環境]」に記載のとおり、世界的に多様な産業における生産設備投資等が2~3年先延ばしになっていると考えており、このような状況を踏まえ、中期経営計画における業績計画値は、継続的な再考を行う状況に至ったと判断し、従来の中期経営計画における基本的な方針及び経営戦略を継承しつつ、新たな中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。

 

① 将来的な目標数値・・・・ROE 15%以上、EPS 140円以上

② 中期経営計画における業績計画数値

・業績計画数値(2022年4月1日に公表)

KPI

(連結ベース)

2022年3月期

実績値

2023年3月期

計画値

2024年3月期

計画値

2025年3月期

計画値

売上高(百万円)

7,432

7,672

8,370

9,241

営業利益(百万円)

255

228

574

755

営業利益率(%)

3.44

2.97

6.86

8.17

1株あたり当期純利益(円)〔EPS〕

45.67

25.33

54.33

79.29

株主資本利益率(%)   〔ROE〕

5.4

3.0

6.5

9.2

 

(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

なお、新たな中期経営計画における業績計画数値については、今後のCOVID-19の感染再拡大、原材料価格、エネルギー価格及び物流コストの高騰等、様々な要因による影響の懸念が残ることにより、今後の業績計画数値を変更しなければならない可能性もあります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループの主力製品である「アルファフレームシステム」は、「カクチャTM」・「マーキングシステムTM」の開発成功により、設計・組立の革命的なコスト削減が可能となり、次の戦略を継続的に推進し、更なる発展・飛躍・成長を目指しております。
 ① WIN-WIN関係 = 協業関係の探索
   あらゆる業界との連携が可能となり、既存はもとより新たなマーケット展開を図る。
 ② グローバル戦略
   言語国境を越えた設計・組立システムを活用して、グローバル化を図る。
 ③ 新たなマーケットの創造
   その結果、新しいビジネスモデルの構築を通して、業容の拡大を図る。

また、当社グループとしては「モノづくりを通じて社会の発展と創造に貢献する」との経営理念のもと、「製造業の品質向上と合理化に貢献」をミッションと位置づけております。このため、フレキシブルな「アルファフレームシステム」を基本に、高度で高効率な装置製作に貢献することや、個々の部品の要求品質が高まる中、洗浄装置、検査装置、クリーン装置等、顧客ニーズを的確に捉えることはもとより、それ以上の顧客満足度を高め、製造業の高品質化・高効率化に貢献することとしております。

これら使命の推進にあたり、「FAは永遠のテーマ ~何処もやっていない事をやろう!“PASSION & CHALLENGE”~」を掲げ、柱となる事業分野におけるビジネス基盤を強固なものにすると共に、新規取り組みにも果敢に挑戦することによって高品質・高付加価値製品を提供し、更なる業績向上、企業価値創造を目指した事業展開を基本方針としております。

1)中期経営計画における当社の将来像

”Only One企業“

・アルミフレームの専門メーカー

・アルミフレームを活用したFA装置メーカー

 

2)中期経営戦略

・マーケットイン思考…………………

 顧客視点のもと、ニーズ(マーケットイン)とシーズ(プロダクトイン)の調和により、顧客満足度を高める。

・企業ブランディングの確立…………

ⅰ 安心(実績とデータに基づく技術力)

ⅱ 便利(モジュール品、キット品などの企画力)

ⅲ 柔軟(「カクチャTM」「マーキングシステムTM」など個別案件への対応力)

・生産性向上……………………………

 業務のデジタライゼーションを推進し、デジタルトランスフォーメーション(DX)に備える。

・技術革新への取り組み………………

ⅰ 今後、ますます高度化する情報通信技術により大きく変貌していく社会環境に対応するため、拡大かつ高度化する半導体及びFPD市場並びにその関連生産設備に活用される“アルファフレームシステム”の技術力を強化するとともに供給能力を拡充する。

ⅱ 次世代の高度化する生産形態に対し、FA装置メーカーとしての対応能力を強化する。

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、コスト競争力・収益力をより強固なものとし、多様化するお客様のニーズに対して柔軟かつタイムリーに対応する、環境変化に強い企業体質づくりを当面の課題として捉えております。

そのために、当社グループの技術力を活かして「製造業の品質向上と合理化に貢献」を当社のミッションと位置づけ、「(1) 会社の経営の基本方針」及び「(4) 中長期的な会社の経営戦略」に記載の、経営方針及び中期経営計画を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

① 販売戦略の強化

当社の主力製品である「アルファフレームシステム」の収益の増加を図るために、お客様の人的負担の削減と効率化をサポートする「カクチャTM」「マーキングシステムTM」を活用し、設計から組立までの支援を含めた当社グループの総合的な優位を前面に出した販売戦略を推進しております。これらのサービスは、新しい付加価値の創造としてお客様より高い評価を得ており、リピート注文も増加していることにより、これらサービスのさらなる充実に努めてまいります。

また、今後の科学技術の進歩・高度化、省エネ推進による環境技術導入の高まりにより、多岐にわたる産業で、クリーン環境技術の需要が拡大しております。この分野においては、当社特有の高機能なクリーン技術の一層の普及活動に努めてまいります。そして、美観と仕様変更に対するフレキシビリティを兼ね備えた「アルファフレームシステム」に洗浄・検査・搬送・梱包の各分野において蓄積された多くのコアとなる機械要素技術を融合させた製品づくりを目指し、高品質・高付加価値製品の提供に努めてまいります。

② 開発力の強化

当社は、お客様のニーズにお応えすべく、製造業の「モノづくり」に貢献する製品を継続的に提供し、さらなる高精度化・高品質化・高付加価値化を達成するために研究開発活動は必須事項と捉えております。

付加価値を加えた新製品の継続的な開発は、他社との差別化を図るうえで重要であり、次世代を展望した開発体制の整備は、当社の長期的な成長の礎になるものと考えております。

さらに、今後の競争を勝ち抜くためには、当社設立時より培ってきた洗浄・検査・搬送・梱包の各分野での技術力とお客様のニーズを結びつける製品の開発スピードを速める努力が求められております。このように、研究開発レベルの向上は当社にとっての重要課題と位置づけ、より組織的な研究開発体制の強化を図ってまいります。

また、生産工場における個々の部品の要求品質が高まる中での自動化のニーズは、高効率化及び高品質化が求められております。当社グループは、洗浄装置、検査装置、クリーン装置等、お客様のニーズを的確に捉えることはもとより、それ以上の満足度を高め、製造業の高効率化・高品質化に貢献できるよう、新技術を取り入れたFA装置や「アルファフレームシステム」を活用したユニット化等の開発に注力してまいります。

ところで生産工場の自動化においては、今までの大量生産に適した生産設備とは異なり、多品種、変種変量生産に適した新たな生産設備へのニーズが、かつてなく高まりを見せている状況であることから、新たなステージの生産方式へ移行していくと考えております。

以上より当社は、2023年3月期をフレキシブルに対応できる新しいFAシステムの開発元年と位置づけ、お客様のニーズに適合すべく、次世代のFA装置開発に注力してまいります。

③ 生産体制の強化

当社では、お客様からの「高品質・低コスト・短納期」の強い要求にお応えすべく、製造工程の見直しや外注先との連携等によって、その最適化・効率化を全社的に図り、作業時間短縮や品質向上に向けた生産機械設備の改良・導入を検討し、製造原価及び諸経費の低減活動に取り組み、生産効率を高める作業環境の整備に注力しております。

具体的には、2017年度は立山事業所(現:立山第2工場/富山県中新川郡立山町)を新設するとともに、同年度に「アルファフレームシステム」の出荷工場としてアルファフレーム北関東(埼玉県児玉郡)を開設いたしました。2019年度では、愛知事業所(愛知県清須市)を新設いたしました。さらに、立山第3工場を2022年3月に新設し、2022年4月より稼働を開始いたしました。なお、立山第3工場の新設に伴い、富山県内の各工場の役割を再構築のうえ、2022年4月1日より既設工場の名称を変更し、新たな生産体制のもと、業容拡大に向けた積極的な投資をはじめとする様々な施策を展開し、生産設備の拡充と技術者の増員・増強に注力しております。

また、新規機械設備導入や更新等を実施するとともに、業務のデジタライゼーションを推進し、既存設備の効率化及び対応能力を強化するための改良等に取り組んでおります。

以上のような施策によって、生産体制の充実を図り、よりコストパフォーマンスに優れた製品群の提供に努め、お客様の満足度向上を図ってまいります。

富山県内における各工場の役割(業務・生産内容)

工場名

業務・生産内容

流杉工場

機械加工部品及び量産部品等の生産工場

立山第1工場(旧:立山工場)

AF生産工場

アルファフレームシステムの生産及び物流工場

立山第2工場(旧:立山事業所)

大型構造物等生産工場

大型構造物及び小型ロボット専用アルミ架台等、筐体の組立工場

立山第3工場(新工場)

FA機器設計製作工場

FA装置(洗浄装置・検査装置)、クリーン装置及びロボット関連装置・機器等の設計・製作

 

 

④ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について

当社グループは、COVID-19の感染拡大に伴い、お客様及び取引先並びに従業員の安全を最優先とし、従業員各自で行うことができる感染予防対策の徹底を図り、在宅ワークや時差出勤等の実施にて、感染拡大防止に取り組むとともに、当該感染症の終息が確認出来次第、速やかに通常稼働に移行できるよう準備を整えております。また、今回のような新型コロナウイルス感染症への感染予防・対策等の対応を踏まえ、非常事態時における更なる対策強化を図ってまいります。

(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

① 人材確保と育成の強化

当社グループは、お客様の多種多様なニーズを先取りし、製品の高精度化・高品質化・高付加価値化を実現することによってお客様からの高い信頼を獲得するためには、高度な技術とサービスを提供することが重要であり、そのためには、「新製品の開発や当社技術力の向上」及び「商品知識や要素技術の習得」ができるノウハウを持った優秀な人材の確保及び育成が重要と考えております。特に業容の拡大を図るには、これら人材が必須となっており、将来を見据えての積極的な採用を図る大幅な増員を計画し、実行しております。また、実践教育を通じて適材適所に要員を配し、専門能力の底上げを図りながら、各部門の継続的な成長を支える人材育成を進めてまいります。

② 管理体制の強化

当社グループは、企業の社会的責任を果たすべく、リスク管理やコンプライアンスを徹底し、お客様のニーズを捉えた積極的な営業展開を図り、製造原価及び諸経費の低減活動を推進するとともに、開発力及び生産体制の強化を図ってまいりたいと考えております。また、内部統制の管理体制の充実を図り、安全品質管理体制の向上及びお客様の満足度向上を目指してまいります。

(6) 株式会社の支配に関する基本方針

当社では、会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針については、特に定めておりません。

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