課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、社会に対し果たすべき使命および基本的目標を「使命」、「経営理念」として定め、これらを具現化するための戦略を「長期ビジョン」、「中期経営計画」、「単年度計画」として策定しております。

 

使命

「安全、安心、快適を提供することにより社会に貢献する」

 

経営理念

「お客さますべてが満足する商品、サービスを提供します」

「世界の各地域で評価されるグローバルな企業グループとなります」

「個人の創造力を結集してチームワークにより、企業価値を高めます」

 

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 また、これらを実施するにあたって指標となる「行動指針」、「コンプライアンス行動規範」を定めるとともに、行動規範の一つとしてPDCAを位置付け、「使命」「経営理念」を具現化した商品とサービスをお客様に提供することにより、全てのステークホルダーから評価される企業グループを目指してまいります。

 

行動指針

「お客さまの信頼の向上のために感謝と誠意をもって業務活動を行ないます」

「国内外、社会のニーズに応える品質・コストを追求し、トップブランドを確立します」

「未来を先取りし、絶えずあらゆる部門の技術レベル・生産性を向上させます」

「ルールを遵守し、自由闊達で風通しのよい、やりがいのある職場づくりを行ないます」

「常に自己啓発し、自ら高い目標に挑戦し、自らの役割と責任を認識し価値創造に貢献します」

 

コンプライアンス行動規範

「三和グループは、提供する商品・サービスの安全性を最優先に考え事業活動を行います」

「三和グループは、コンプライアンス行動規範に反した行為による利益追求は行いません」

「三和グループの全ての経営者および管理者は、自ら先頭に立ってコンプライアンス行動規範を遵守し、管下従業員に対して模範となるべく行動します」

 

当社グループのPDCA

 PDCAにおいては、計画から実行、その後の課題評価、次につなげる改善、対策を行うことが重要です。三和グループ全従業員は、すべての業務において、現状に満足せず問題意識を持って取り組み、努力を積み重ねるというモットーを持っています。従って当社グループでは、PDCAを行動規範の一つとして位置づけています。

 

(2) 経営環境

 当社グループの製品は、世界25の国と地域で戸建、集合住宅、商業施設・オフィス、医療・福祉施設、工場・倉庫などビジネスや生活に必要な施設で幅広く使用されています。そのため、日本・北米・欧州・アジアを含む当社グループが属する地域の経済状況や市場動向の変化に適切に対応する必要があります。一方で、事業を通じた世界共通の社会課題の解決への貢献を事業成長の好機と捉え、事業活動を展開しています。

 

(3) 目標とする経営指標

 当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率、ROIC、ROE、自己資本比率、D/Eレシオの財務指標のほか、企業価値増大を目指し、株主・債権者の期待収益(資本コスト)を意識した事業運営を行うことを目標に、当社グループ独自の経済的付加価値指標として「SVA」(Sanwa Value Added)を重要な指標として取り組んでおります。

注)SVA(Sanwa Value Added)は、当社独自の付加価値指標で、株主資本に加えて負債など事業全般の投下資本に対する収益力を示す指標です。

 SVA=NOPAT(税引後営業利益)-投下資本×WACC(6%)

 

<SVAツリー>

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※投下資本=運転資本+固定資産=純資産+有利子負債-(現金同等物+投資有価証券)

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

◎ 長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2030」

 当社グループは、2013年度より長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」を推進してまいりました。新型コロナウイルス感染症拡大で影響を受けた戦略を完遂すべく計画の一年延長を余儀なくされましたが、「三和グローバルビジョン2020」の仕上げの年度である2021年度を過去最高の業績で締めくくることができました。

 気候変動やデジタル化などで変化する社会のニーズに応える高機能な開口部ソリューションをグローバルに提供し、サステナビリティ経営と人材力強化により全てのステークホルダーから評価される企業グループとなることを目指し、2022年度より長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2030」をスタートいたしました。

 

「三和グローバルビジョン2030」

To be a Global Leader of Smart Entrance Solutions

~高機能開口部のグローバルリーダーへ~

 

<基本戦略>

1.日・米・欧・ア 世界4極体制でのコア事業の拡大、強化

2.防災・環境対応、製品・サービスのスマート化による顧客価値創造

3.デジタル化とものづくり革新による生産性向上

4.M&Aを活用したコア事業強化と新規事業領域への拡大

5.サステナビリティ経営によるグローバルに評価される企業グループへ

 

(5) 会社の対処すべき課題

○ 中期経営計画2024

 2022年度より、長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2030」の第一次として「中期経営計画2024」をスタートさせ、気候変動やデジタル化で変化する社会のニーズに応える高機能開口部ソリューションのグローバルリーダーへ向けた基盤の確立に注力してまいります。

 

<基本戦略>

1.日・米・欧のコア事業(シャッター・ドア、サービス)の強化、領域拡大

2.アジア事業の成長力強化

3.防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化推進

4.デジタル化とものづくり革新による生産性向上

5.サステナビリティ経営の推進

 

(日本)

 コア事業の拡大・強化に向けて、生産能力の拡大、付加価値向上による販売価格アップとシェアアップ、法定検査の定着と経年劣化への修理・取替提案の強化によるサービス事業拡大、社内プロセスのデジタル化と生産自動化投資、事業拡大に向けた体制の強化に取り組んでまいります。また、防災・減災・環境に配慮した製品の拡充とIoTを活用した製品・サービスのスマート化を推進してまいります。

 

(米州)

 コア事業の拡大に向けて、川上営業による直接提案型ビジネス、ディーラー網拡充とeコマースなどのチャネル強化によるシェアアップ、ERPによる業務プロセスのデジタル化と工場への省力化投資による製造体制の最適化に取り組んでまいります。また、開閉機等を中心としたIoTや電動化対応によるスマートホームソリューションやアクセスコントロールへの事業領域拡大に取り組んでまいります。

 

(欧州)

 コア事業の拡大に向けて、品揃え強化と販売施策強化によるシェア拡大、フィールドサービスシステムを活用したサービス事業の強化、社内プロセスの更なるデジタル化、生産能力拡大と自動化投資による欧州レベルでの製造、物流の強化に取り組んでまいります。また、IoTに対応したスマート製品の推進や、M&Aの活用とシナジー創出による低シェア地域における事業拡大に取り組んでまいります。

 

(アジア)

 アジア事業の成長力強化に向け、中国常熟工場の稼働によるヒンジドア事業のさらなる拡大とベトナム、台湾、インドネシアの主要工場の生産設備刷新による生産能力の大幅アップ、中国華東地区での販売体制再編による販売力強化と防火・遮熱市場での売上拡大、各地域での多品種化の推進、ERP導入や三和上海による集中管理、人材育成プログラム構築などによる事業基盤の強化に取り組んでまいります。

 

(サステナビリティ経営)

 サステナビリティ経営の推進に向けて、気候変動や防災に対応した製品・サービスの提供、CO2排出量や水使用量、廃棄物排出原単位の削減を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。人材力の強化では人材育成とダイバーシティの推進、グループ経営基盤の強化ではコーポレート・ガバナンスとコンプライアンスの一層の強化に取り組んでまいります。

 

<経営目標>

 

2021年度実績

2022年度予想

中期経営計画

2024目標

売上高

4,689億円

5,180億円

5,800億円

営業利益

354億円

390億円

450億円

営業利益率

7.6%

7.5%

7.8%

SVA

148億円

164億円

190億円

ROIC

15.9%

16.1%

17.5%

ROE

12.0%

12.4%

13.5%

自己資本比率

52.2%

51.8%

51.1%

D/Eレシオ

0.23

0.23

0.21

※目標の数値及び比率は、2022年度予想時および中期計画策定時に入手可能な情報に基づき算出しておりますので、環境や業況の変化により変更する可能性があります。

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