業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制約が徐々に緩和されてきており、国内景気は緩やかに持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株による感染が再拡大するなど収束は見通せない状況でした。また、ロシアのウクライナ侵攻に起因するエネルギーや原材料価格の高騰と円安進行による物価上昇は、企業活動に様々な影響を与えており、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続きました。

このような経済状況の下で当社グループは、長野工場を閉鎖後、他工場へ取引を移管し、主な移管先である東松山工場及び厚木工場は一体化運営を目指し、山口工場は生産集約により生産の効率化を推進しました。更に、全工場において熱処理単価の見直しを行い、強固な収益体質の確立に取り組んでまいりました。

主力取引業界である自動車関連の受注は低調に推移したものの、産業工作機械、建設機械関連の受注が増加したため、売上高は前期と比較して増加しました。経費面では、エネルギー、原材料費などの高騰がありましたが、長野工場閉鎖に伴う移設費などが当期は減少し、前期と比較して増益となりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,302百万円(前期比4.7%増)、営業利益113百万円(前期は営業損失111百万円)、経常利益125百万円(前期は経常損失73百万円)となりました。また、2021年8月に発生しました厚木工場の火災事故に関わる保険金を特別利益として計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、161百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失201百万円)となりました。

     セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(金属熱処理加工事業)

金属熱処理業界につきましては、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限やロシア・ウクライナ情勢の影響による原材料費の高騰によるコストアップに加え主力取引業界である自動車部品関連からの受注が低調に推移したものの、産業工作機械、建設機械関連の受注が増加したため、セグメント利益は増加しました。 

    売上高4,747百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益68百万円(前期はセグメント損失152百万円)となりました。

 

(運送事業)

運送事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制限による影響があったものの、一般貨物運送が持ち直したため、売上高は増加しました。

外注費、労務費の削減など経費削減に努め、セグメント利益は増加しました。

      売上高555百万円(前期比0.9%増)、セグメント利益25百万円(前期比27.4%増)となりました。

 

(2)  財政状態の状況

 (資産)

当連結会計年度末における流動資産は4,320百万円となり前連結会計年度末に比べ△242百万円減少いたしました。これは主に電子記録債権が36百万円増加したものの、現金及び預金が△201百万円、受取手形及び売掛金が△62百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は5,465百万円となり前連結会計年度末に比べ△154百万円減少いたしました。これは有形固定資産が△62百万円、無形固定資産が△13百万円、投資その他の資産が△78百万円減少したことによるものであります。

この結果総資産は、9,785百万円となり、前連結会計年度末に比べ△397百万円減少いたしました。

 

 (負債)

当連結会計年度末における流動負債は1,728百万円となり前連結会計年度末と比べ△323百万円減少いたしました。これは支払手形及び買掛金が12百万円増加したものの、未払金が△153百万円減少したことなどによるものです。

固定負債は、2,621百万円となり前連結会計年度末と比べ△172百万円減少いたしました。 これは長期借入金が△13百万円、リース債務が△19百万円、退職給付に係る負債が△139百万円減少したことによるものであります。

この結果負債合計は、4,350百万円となり前連結会計年度末に比べ△495百万円減少いたしました。

 

 (純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は5,435百万円となり、前連結会計年度末と比較して98百万円増加いたしました。これは、その他有価証券評価差額金が△29百万円減少したものの、利益剰余金が128百万円増加したことによるものであります。

この結果自己資本比率は55.5%(前連結会計年度末は52.4%)となりました。

 

(3) 当期のキャッシュ・フローの概況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入れによる収入が900百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が482百万円、長期借入金の返済による支出が969百万円等により前連結会計年度末に比べ201百万円減少し、当連結会計年度末には2,439百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は416百万円(前期は595百万円)となりました。これは主に退職給付に係る負債の減少額139百万円、その他の流動負債の減少額125百万円、法人税等の支払額52百万円による支出があったものの、税金等調整前当期純利益が242百万円、減価償却費が558百万円あったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は462百万円(前期は410百万円)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が26百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が482百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は155百万円(前期は28百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入が900百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が969百万円、リース債務の返済による支出51百万円、配当金の支払額が33百万円あったこと等によるものであります。

 

(4)  資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、必要に応じ主に金融機関からの長期借入としております。

 

 

 (5) 生産、受注及び販売の実績

 

イ. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比(%)

金属熱処理加工事業(千円)

3,885,049

106.1

 

(注) 1.金額は製造原価によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

ロ. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

金属熱処理加工事業

4,863,494

104.1

164,943

85.2

 

(注) 金額は販売価額によっております。

 

ハ. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比(%)

金属熱処理加工事業(千円)

4,747,159

105.1

運送事業(千円)

555,794

100.9

合計(千円)

5,302,953

104.7

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表  注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照願います。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の影響については、重症化リスクなどは低下するものの再拡大も懸念され、収束時期を見通すことは困難です。

当社グループは、当該影響が一定期間に渡り継続するとの仮定のもと、会計上の見積りを行っております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は極めて不確実であり、想定を超える変化等が生じた場合は、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)
   当社グループは、将来減算一時差異の解消見込み額について、収益力やタックス・プランニングに基づく一時差

  異等加減算前課税所得が十分に確保できることを前提に、繰延税金資産を慎重に計上しております。
   繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに左右されるため、その見積りの前提とした条件や仮定に

  変更が生じた場合、繰延税金資産の修正を行うため、将来の税金費用に影響を与える可能性があります。

 

(固定資産の減損)

   当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループ

  から得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価

  額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
   減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等

  の諸前提の変化により、固定資産の減損損失を計上し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

  (7) 経営方針、経営戦略、経営上の目標を判断するための客観的な指標等

新型コロナウイルス感染症の拡大は、ワクチン接種の効果が期待できるものの、繰り返される変異株の出現により収束時期を見通すことは困難な状況であること、また米中摩擦の継続、中国のロックダウン及びロシア・ウクライナ情勢などにより、さまざまな所でその影響が表れており、一部の企業を除き、企業収益は減少傾向で推移しています。

このような状況の下、当社グループにつきまして株式会社オーネックス既存工場については、エネルギーコストなど原材料費の上昇、人手不足による労務費の上昇に対応するため、製造原価及び経費の低減、不採算事業、不採算取引の見直し、熱処理単価の見直しなどの改善により収益力の向上に努めてまいります。また、株式会社オーネックステックセンターについては、当社グループの成長戦略の柱としまして、設備を拡充し、事業拠点ネットワークをさらに拡大し取引先のニーズに、より一層迅速に対応できる体制を強化してまいります。

当社は、主要取引先である産業工作機械、自動車部品、建設機械関連等の動向に左右され、極めて需要が読みにくいことなどから、中期経営計画を策定しておりません。中期経営計画を策定し、開示した場合、頻繁に修正のリリースを出すことに繋がり、投資家の皆様を混乱させることにもなりかねないことから、単年度の計画を公表し、変化のスピードの速い金属熱処理業界の中で柔軟かつ迅速に対応していくことが重要と判断しております。

連結業績予想につきましては、2023年6月期の連結売上高5,957百万円、利益面では、同営業利益180百万円、同経常利益172百万円、親会社株主に帰属する当期純利益121百万円を見込んでおります。

 

2023年6月期連結業績予想

 

売上高

 

百万円

営業利益

 

百万円

経常利益

 

百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

百万円

2023年6月期予想

5,957

180

172

121

増減率(%)

12.3

59.2

36.8

△25.1

 

 

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