当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主なリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場、事業環境に関するリスク
① 金属熱処理加工事業市場の変動
当社グループの売上は産業工作機械、自動車、建設機械部品関連が大きな割合を占めており、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束せず景気の下振れが継続すれば、マーケット環境に大きな変化が生じ事業に大きな影響を受ける可能性があります。需要の裾野の広い一般産業機械分野向けの比率を高め、依存度の高い分野の需要の下方変動による影響の緩和を図っておりますが、高依存度の特定産業分野における急激な需要の縮小は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
② 製品の品質
当社グループは、技術を磨き「品質の追求」をモットーにしており、適切な品質管理のもと製品作りに励んでおりますが、熱処理加工の欠陥に起因した大規模な損害賠償請求等が発生し、保険金で補填できない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ 運送事業市場の変動
新型コロナウイルス感染症とその抑制のための制限措置の影響は継続しており、物流業界においても日本を含む世界各国における生産活動の停止等により、生産関連貨物及び消費関連貨物ともに貨物輸送需要が低調に推移しており、このまま継続した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
④ 労使関係及び労働環境
当社グループでは安定した労使関係の構築に努めております。労使協議会を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、労使関係の悪化による事業リスクは少ないと考えております。また、安全で働きやすい職場環境作りを目指して取り組んでおりますが、設備の不具合、作業手順の不遵守等により、労働災害が発生する可能性があります。特に重大な労働災害が発生した場合には、事業に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報システム
当社は生産管理システムや社内ネットワークシステム等を導入し、業務運営のオンライン化、システム化を推進し、バックアップ体制も整えております。ただし、これらのシステムやネットワークに大規模な障害が発生し、復旧に長時間を要するような場合、生産活動等に支障をきたし、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 情報セキュリティー
当社グループでは、事業遂行に関連し重要情報を入手することがあり、これらの情報の外部への流出防止・目的外の流用等が起こらないよう徹底を図っております。ただし、予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではなく、このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜やその対応のための多額の費用負担が発生し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 金融、経済に関するリスク
① 原材料価格
原材料価格の上昇に対応するため、生産性向上による原価低減、経費削減及び熱処理単価の見直し等の対策を講じてまいりますが、想定以上に原材料価格が継続上昇し、価格転嫁等の対応が遅れた場合には、当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。
② 債権の貸倒
当社グループは、特に事業の継続性が不安定な取引先に依存していることはありません。また取引を行う際は、情報収集に努め、細心の注意を払っておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大にみられるような景況の変動によっては、取引先の倒産や経営不安等により債権回収に支障が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ 金利の変動
当社グループは、有利子負債の削減を軸に財務体質の強化に努めておりますが、金利上昇は支払利息の増加を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
④ 資産価値の変動
経済情勢などから、土地や有価証券など、当社グループが保有する資産価値が下落することにより、評価損が発生する恐れがあるなど、資産価値の変動が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付債務
当社及び連結子会社は、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度等の年金制度及び退職一時金制度を設けております。当社の退職給付費用及び債務は、割引率等の前提条件に基づいて算出されております。
したがって、その前提条件の変更や年金資産の運用成績の悪化、会計基準の変更等があった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法令、災害等に関するリスク
① コンプライアンス
当社グループでは、グループ企業行動憲章を制定し法令遵守の徹底を図っておりますが、法令違反が発生し、それに伴い社会的信用が失墜し、また経済的制裁を受ける等コンプライアンス上のリスクを完全に回避できない可能性があり、各種法令に抵触する事態が生起した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
② 環境規制
当社グループの熱処理加工拠点及び運送事業においては、環境に関する規制を遵守しております。地球規模の環境問題は深刻化しており、温室効果ガスの排出規制やCO 2 排出量削減等の規制は改正・強化される傾向にあり、規制を遵守するための費用は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報開示及び株主利益
当社グループは適時開示に関する運用体制を整備し、会社情報の公正かつ適時適切な開示及び財務報告の信頼性の確保に努めておりますが、法令・通達等の制定・変更あるいは証券取引所ルールの改定等、状況変化への適切な対応や財務報告に関連する業務プロセスの検証が十分でない場合、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の有効性の評価において、重要な欠陥又は不備を指摘される可能性も無いとは言えません。その場合、情報開示の適切性を欠き、市場での株主価値の下落並びに株主にとっての不利益を招く可能性があります。
④ 自然災害等
当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が地震、洪水、火災、雪害等の災害などにより、物的・人的被害を受けた場合、当社グループは、危機対策本部を設置し対処・対応いたしますが、災害の規模が甚大な場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新型コロナウイルス感染症拡大に関するリスク
新型コロナウイルス感染症につきましては、今後ワクチン接種の効果や薬剤の開発などが期待できるものの、変異株の発生が繰り返されるなど、収束時期を見通すことが困難な状況が継続しております。
このような状況のもと、収益性や人材などを確保するため当社熱処理事業におきましては、手動式処理炉の自動化による生産性効率化、サイクルタイムの短縮、段取り削減のための工夫、また事業継続策のひとつとして人材の確保及び育成として多能工化による適切な人員配置等により、リスク回避を推進してまいります。ただし、この新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化し、顧客からの受注が減少すると人件費等の固定費の負担が大きくなり、あるいは設備投資資金の回収が遅れたりした場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
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