業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の売上高は、主機関で販売台数が増加するとともに、窒素酸化物3次規制(NOxTierⅢ)に対応する環境対応設備(EGR/SCR)搭載機も増加して、64億3千万円となり、前年同期比18億8百万円(39.1%)の増収となりました。修理・部品等では、大口特需改造工事の計画減の影響を見込んでおりましたが、船舶の稼働率が高水準で推移したことなどを背景に、売上は想定よりも好調に推移し、67億3千3百万円となって、前年同期比3億3千2百万円(4.7%)の減収となりました。この結果、全体としては、131億6千4百万円となり、前年同期比14億7千6百万円(12.6%)の増収となりました。

 

流動資産は、前連結会計年度末に比べ6.0%増加し、133億8千3百万円となりました。これは主として現金及び預金が11億9千5百万円増加、棚卸資産が2億8千万円、売上債権が1億8千1百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ5.4%減少し、40億2千6百万円となりました。これは主として有形固定資産が3億8百万円減少したことなどによるものであります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ3.2%増加し、174億1千万円となりました。

 

流動負債は、前連結会計年度末に比べ25.1%増加し、85億4千6百万円となりました。これは主として長期借入金(1年内返済予定)が14億2千4百万円増加したことなどによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ42.7%減少し、21億9千7百万円となりました。これは主として長期借入金が14億8千2百万円減少したことなどによるものであります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ0.7%増加し、107億4千4百万円となりました。

 

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7.3%増加し、66億6千5百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11億9千5百万円増加し、40億8千7百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益による収入6億9百万円、仕入債務の増加による収入5億8千7百万円、棚卸資産の減少による収入2億8千万円などがあり、営業活動によるキャッシュ・フローは17億9百万円の収入(前年同期は7千6百万円の支出)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出2億1百万円などがあり、投資活動によるキャッシュ・フローは2億6千9百万円の支出(前年同期は10億6千4百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

長期借入金の返済による支出3億5千8百万円などがあり、財務活動によるキャッシュ・フローは2億4千7百万円の支出(前年同期は1億4千4百万円の収入)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、舶用内燃機関及びこれらの付随業務の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の実績」については、事業区分別に記載しております。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。

 

事業区分

生産高(千円)

前期比(%)

舶用内燃機関

7,059,314

141.4

修理・部品等

6,733,720

95.3

合計

13,793,034

114.4

(注)金額は、販売価格によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。

 

事業区分

受注高

受注残高

金額(千円)

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

舶用内燃機関

5,190,737

69.7

7,512,799

86.4

修理・部品等

8,083,284

123.0

2,509,095

216.4

合計

13,274,021

94.7

10,021,894

101.7

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。

 

事業区分

販売高(千円)

前期比(%)

舶用内燃機関

6,430,413

39.1

修理・部品等

6,733,721

△4.7

合計

13,164,135

12.6

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月 1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月 1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱大島造船所

1,170,700

10.0

2,655,978

20.2

今治造船㈱

1,452,830

11.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、事業統合後の構造改革を推進し、厳しい市況にも耐えうる企業体質へと変容を遂げるとともに、業績を拡大させており、売上高の総額は、131億6千4百万円となりました。

 

損益面では、主機関の生産台数増加で工場の操業も高まり、生産性が改善する中、資機材の手配や生産工程の調整などで生産計画を最適化することに加え、同型エンジンの連続生産により、生産効率は一段と向上し、損益は好転しました。修理・部品等についても、売上、損益ともに想定以上の押し上げ効果で好転し、また、経費についても、コロナ禍における各種費用の抑制・節減効果を弛まず刈り取り続けました。これらにより、営業利益は5億7千6百万円となり、前年同期比1億4千7百万円(34.3%)の増益、経常利益は6億1千3百万円となり、前年同期比2億1千2百万円(53.1%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は5億4千8百万円となり、前年同期比2億2千4百万円(69.5%)の増益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要のうち主なものは、主機製造用部品、アフターサービス用部品等の購入、製造、販売、一般管理の諸経費、人件費であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備、ITインフラ設備等によるものであります。当社は短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資等の長期運転資金については、金融機関からの長期借入にて調達することを基本方針としており、十分な流動性を有していると考えております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は38億4千8百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高40億8千7百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による財政状態及び経営成績に対する影響につきましては、引き続き注視していく必要があるものと考えております。

 

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