当社は「たくましい創造性と優れた技術を磨きあげ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」ことを企業理念として掲げております。
この企業理念のもと、『①お客様に満足いただける新しい商品とサービスの提供、②地球環境保護の流れと調和のとれた事業展開、③企業環境の変化に迅速に対応して適正な利益を確保できる、強靱で柔軟性のある企業体質と、活力に満ちた明るい企業風土の確立』を経営方針としております。この経営方針を実践することで、グループ各社が一体となった事業活動を展開し、顧客、株主、取引先そして従業員等当社に関わる皆様にとって大きな存在価値を認めていただける企業グループとして、更なる発展・繁栄を目指していく所存であります。
当社グループでは、収益性と資本効率を重視する観点から、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を経営数値目標として掲げて企業経営に取り組んでおります。
2020年4月1日~2023年3月31日の3か年を実行期間とする中期経営計画(以下、「現行中計」といいます。)を掲げ、4つの重点取組事項を推進してまいりました。
1.新製品の市場投入による販売領域拡大・シェアアップ
2.次世代エネルギーを視野に入れた技術開発
3.生産拠点の生産効率の向上
4.強固な収益基盤の確立とESG経営の実践
現行中計3か年の2年目となる2021年度において各項目について、以下の取り組みに注力いたしました。
1.新製品の市場投入による販売領域拡大・シェアアップ
デュアルフューエル機関のラインアップ完了に加え、SCR(選択触媒還元脱硝装置)、艦艇事業等といった、前中期経営計画(2015年4月1日~2020年3月31日)期間中に開始した事業の収益性が向上し、新型コロナウイルス感染症の影響により、商用機関やメンテナンスの売上および受注が苦戦する中、成長事業として収益をカバーすることができました。地域別には、いち早く回復した中国造船市場においてライセンシー2社の売上も好調に推移いたしました。
2.次世代エネルギーを視野に入れた技術開発
船舶航行時における、2050年GHG(温室効果ガス)排出実質ゼロが世界目標として求められる中、次世代燃料の独自開発に取り組んでおります。また、株式会社三井E&Sマシナリーとの共同推進等、産学官とも連携を図っております。
3.生産拠点の生産効率の向上
大型エンジン専用工場である姫路工場を2018年に新設稼働し、大型コンテナ船の建造ラッシュに対応しております。中小型機関は守山工場、大型機関は姫路工場といった2拠点体制を展開し、生産オペレーションを効率化しております。
4.強固な収益基盤の確立とESG経営の実践
コーポレートガバナンス・コード改訂に伴い、非財務指標や無形資産(人的投資や知財投資)の考え方やリスク管理の見直し、ステークホルダーとの建設的な対話等、ESG経営の方針を取締役会で議論し、コード全項目をゼロベースで見直しいたしました。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループを取り巻く環境が一変する事態となりました。2020年、2021年度を通じロックダウンや移動制限により、メンテナンス関連事業が苦戦いたしました。
このような状況を踏まえ、前中計期間に再構築した収益基盤をもとに成長戦略を実行する現行中計の事業シナリオを変更すべきと判断し、最終年度2022年度における経営目標数値の取り下げを、2022年4月28日の取締役会で決議いたしました。
また、コロナ禍による社会変化とカーボンニュートラルの動きが加速しており、投資等、事業シナリオ自体の見直しが必要となったことに加え、調達リスクやカントリーリスクへの対応等、変動性や不確実性が高い経営環境において長期的視点に立った経営を推進することが重要と判断しております。
今年度に長期ビジョンならびに5か年計画の検討を進め、公表いたします。
(4)新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による事業活動への影響は、翌期以降の当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。影響額については、現時点において合理的に算定することが困難であります。当感染症の収束の時期が不透明であることから、不安定な市況は当面継続するものと想定し、グループ全体の生産性向上、経営体質強化施策を着実に実行することで、利益確保と財政状況の健全化に努めてまいります。
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