文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
当グループは、以下の企業理念を掲げております。
オークマは、総合一貫した“ものづくりサービス”を通して、世界中のお客様の価値創造に貢献することで、オークマと共に歩むすべての人々の幸せを実現します。
当グループは、「お客様第一主義」を基本として、品質、信頼性に基軸を置き、世界中のお客様のニーズに応える製品・技術・サービスを提供していくことにより、収益力及び財務体質の強化を図ります。売上高営業利益率を主な経営指標とし、今後も需要変動に左右されない強固な企業体質の構築に努めてまいります。
(3) 中期的な会社の経営戦略
当グループは、企業価値を高めるため以下3点を経営の基本戦略として、世界中のお客様の生産性向上に繋がる付加価値の高い製品・技術・サービスを提供することにより、強固な企業体質を構築し、「世界最高のものづくりサービス企業」として、永続的に成長してまいります。
・差別化技術・製品を基軸に、世界のものづくりの高度化に貢献する“ものづくりサービス”を提供し、利益ある成長を進める。
・お客様の多様なニーズにきめ細かく対応するため、多品種少量でも量産並みの高効率で生産するスマートファクトリーを構築する。またスマートファクトリー構築のノウハウをものづくりサービスとしてお客様に提供する。
・人材育成、熟練技術・技能の伝承、原価管理体制の強化、資産効率の向上等により、事業基盤を強化する。
今後の世界経済につきましては、ウクライナ危機を契機とした資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱によって、グローバル経済の減速が見込まれます。
他方、工作機械の需要動向につきましては、労働力不足や本格化する脱炭素社会への移行等の社会課題に対応するため、自動化・無人化システムの導入、再生可能エネルギーの社会インフラ構築、そしてEV化や脱炭素化等の設備投資は不可避であり、また半導体等の調達リスクや地政学的リスクの回避に向けたサプライチェーンの再編・多極化の動きは続き、需要の分散・増加が見込まれます。こうした中、工作機械の需要は国、地域、業種等によってまだらながらも、底堅く推移するものと思われます。
このような社会変化、経営環境の変化が見込まれる中、当グループは、これまで培ったスマートマシン、スマートマニュファクチャリング技術を土台に、自動化・無人化、工程集約、デジタル革新、ものづくりDX、脱炭素化への取り組みを進め、機械、制御、加工技術、システム構築等、エンジニアリングチェーンの全てに亘り、お客様と新たな価値を創造する「総合ものづくりサービス」を展開してまいります。
営業面では、国内及び海外の展示会に積極的に出展すると共にデジタル技術の活用を一段と進め、リアルとバーチャルの両面で顧客接点を強化し、あわせて国内外の拠点・体制の強化を図り、お客様に新たな付加価値をもたらすソリューションの提供等、提案型営業を展開し、販売拡大を図ってまいります。
技術面では、脱炭素化、労働人口減少への対応といった社会的な要請に応える技術・ソリューションの開発、環境配慮型製品の拡充を進め、お客様の工場での省エネ、脱炭素化に寄与してまいります。そして自動化・無人化システムの稼働と加工精度の安定化を図る上で核となる独自のAI・知能化技術を搭載したスマートマシンの開発を加速してまいります。また、長年に亘り世界の製造業の個別の顧客ニーズに応え、提供してきたソリューションの蓄積を当社の強みとして最大活用することによって、お客様の多種多様な要求に「優れたQCD」でお応えし、ものづくりの社会課題解決に貢献してまいります。
製造面では、自社製工作機械、自動化ソリュ―ション・脱炭素ソリューションを軸に、生産効率の向上、生産革新、そして脱炭素対応を図ってまいります。更に本社工場ではDream Site 2の更なる効率化を進め、可児工場ではマシニングセンタの生産能力増強を加速し、自己完結一貫生産体制の一層の強化を図ってまいります。
また地政学的リスクが高まる中、経済安全保障のリスク対応を一段と強化すると共に、サプライチェーンにおける人権尊重の側面からのリスク管理も図ってまいります。
気候変動への対応につきましては、これを重要な経営課題と位置付け、2021年9月にTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)の提言への賛同を表明し、ESGを推進する専門部署を発足させ、担当役員を定めました。これにより気候変動への対応はもとより、中長期的なESG課題に対するリスク・機会の分析や取り組みを推進し、オークマの持続的な成長へ繋いでまいります。
このように当グループは、脱炭素社会への移行や労働人口の減少等、社会課題を解決する企業として、またデジタル革新等の社会変化を敏感に捉えて、成長戦略を今後とも強力に推し進めてまいります。
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