文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は1935年の創立以来、社是「技術は正しく」をメーカーとしてのバックボーンとし、「常に最先端技術を追求し、お客様にご満足いただける精巧比なき、価値ある製品をつくり、社会に貢献する」ことを経営の基本理念としております。併せて、人と自然環境の融合を視野に入れた製品づくりに積極的に取り組んでいるところであります。
これらの実行と実現には裏付けとなる確かな企業力が必要不可欠です。工作機械、半導体関連装置の両分野における「総合砥粒加工機メーカー」として当社グループは技術開発力・生産力・営業力など持てる経営資源を駆使することはもちろん、発想力・企画力など創造的なパワーを結集し、岡本工作機械でなければ成し得ないグローバルな事業展開を積極的に推進してまいります。
(2) 目標とする経営指標、中長期的な経営戦略
当社の経営戦略につきましては、有価証券報告書提出日現在において以下のように定めております。
当社グループは、中長期的な戦略として、売上及び収益率の安定化、資金効率の改善により『景気に左右されることなく利益を上げ得る強固な経営体質』の確立・定着を目指しております。実現に向けた取り組みとして、2023年3月期を初年度とする3ヶ年を対象とした中期経営計画を策定し、最終年度の2025年3月期には、売上高500億円、営業利益60億円、営業利益率12%を達成することを目標としております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な事業収益力を示すものとして売上高営業利益率を重視しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、中長期的な経営戦略として掲げた『景気に左右されることなく利益を上げ得る強固な経営体質』の確立・定着を目指し、以下の課題に取り組んでおります。
① 売上の安定化と利益重視の施策
ⅰ. 安定的な売上と粗利の確保
・ 超高精度研削盤:販売事例の世界展開
・ 汎用研削盤:業種、機種、地区別販売戦略の展開
・ 半導体関連装置:成長市場に向けた新製品の開発
・ 既存機種の後継機・新機種の開発
ⅱ.コスト削減策
・ 外部支出費の削減
・ 新製品、大型特殊仕様機種のコスト管理強化
・ 全社的な品質管理システムの確立
・ 最適生産拠点への生産シフトの継続、徹底
ⅲ.社内環境整備
・ 超高精度研削盤の製造・開発に見合った環境整備
・ 販売強化のための拠点の整備
・ 内製化、増産要求に応えるための生産拠点の充実
・ 顧客に対し高い付加価値を提供する仕組みの構築
ⅳ.各子会社の収益向上と体質強化
② 資金効率の改善及び有利子負債の削減
ⅰ. 棚卸資産の削減
ⅱ.売上債権の回収促進
ⅲ.機動的な資金調達
(5) 経営環境
当社グループの経営を取り巻く今後の環境につきましては、新型コロナウイルス感染症はワクチン接種などの取組みによって次第に収束に向かうと考えられておりますが、依然として不安定な状況であります。またウクライナ情勢の動向に伴う原油・原材料価格の高騰など、先行きは不透明感が増す状況となっております。
工作機械市場につきましては、自動化対応やIoTコネクテッドなど顧客の省人化に寄与するサービスの要求、中国マーケットの拡大、半導体やEVシフトに関連する業界での堅調な機械需要を見込んでおります。精密歯車につきましては、グローバルでの省人化ニーズに伴うロボット需要の増加により、市場の拡大を予想しております。
半導体市場につきましては、5G社会の到来、IoTの普及等により、半導体需要は中長期的に拡大していく見通しです。一方で、半導体市場の継続成長による競争環境激化を予測しており、技術開発にリソースを割き競争優位性の構築及びカスタマーサポートの強化が必要であると認識しております。
このような経営環境のもと、当社グループは2023年3月期を初年度とする3ヶ年を対象とした中期経営計画を策定し、実現に向けて取り組んでおります。
中期経営計画の概要は以下のとおりです。
①中期経営計画ビジョン
「研削で価値を創造するソリューションカンパニーへ」
・事業ポートフォリオを磨き研削・研磨の可能性を創造する
・研削ソリューション・サービス等 、顧客の価値を創造する
・サステナブル経営をもって、事業の持続的体制作りと持続的社会の実現に寄与する
②数値目標
中期経営計画の最終年度である2025年3月期には、売上高500億円、営業利益60億円、営業利益率12%を達成することを目標としております。
③基本戦略
ⅰ)コア事業の競争力強化
・中国市場でのマーケットシェア拡大
・グローバルでの高付加価値機種拡販、ブランド価値向上
ⅱ) 収益力強化
・機械本体の収益性向上
・モノづくりを上流から整流化
ⅲ) 研削技術の応用によるポートフォリオ経営
・歯車事業での工場投資による増産
・半導体関連装置の次世代機開発によるトップシェアの維持、拡大
ⅳ) 将来にわたる市場優位性の構築
・グローバルでの部品、サービスの拡販、自動化提案の推進(B to B から B with B へ)
・サステナブル経営の推進
お知らせ