本書に記載いたしました当社の経営成績の概況及び財政状態の概況等に影響を及ぼす可能性があるリスクは、以下のとおりです。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、未然の発生回避に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境について
当社は、コールセンターサービス及びBPOサービスを2本柱に事業を展開しておりますが、当該業界における景気動向や顧客の組織再編等の状況によっては、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、当該業界を事業領域とする同業他社は多数存在しており、これら事業者による価格競争が激化した場合、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 官公庁等の取引先について
当社は、官公庁等との大型契約を多数締結しております。引き続き入札案件の受託を通じ、事業拡大を図っていく方針であります。また、大型案件で求められる業務提案書の作成については、案件ごとにチーム組成し、提案書の内容等を検討する見積り検討会を複数行い、質の高い業務提案書により受注率の向上を図っておりますが、官公庁等の入札方針に変化が生じた場合、又は大型案件の入札ができなかった場合には、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 不採算案件の発生について
当社は、不採算案件の発生リスクを回避するため、案件規模により見積り検討会を実施し、不採算案件の発生を未然に防ぐよう努めております。また、各案件の業務開始後には、月次単位で損益状況を把握し、原価率の変化をチェックして不採算の兆候をいち早く捉え、対応策をとるようにしております。しかしながら、想定外の事象の発生等により実際の発生が見積りと異なる場合、不採算案件となり、当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
当社は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という)に基づき、一般労働者派遣事業許可を取得しております。また、「職業安定法」に基づき有料職業紹介事業を行っております。当社では、関係法令の遵守に努めておりますが、各法令に定める事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反した場合、当該事業の停止を命じられ、当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社では、多くの有期契約社員が業務に従事しております。2013年の改正労働契約法施行により、施行日以降において有期雇用契約が反復更新され通算契約期間が5年を超えた場合に労働者が申込みをしたときは、期間の定めのない雇用契約に転換されることが法定された他、2016年10月からは、短時間労働者に対する厚生年金及び健康保険の適用が拡大されました。また、2020年4月から施行された「パートタイム・有期雇用労働法」の施行並びに「労働者派遣法」の改正(同一労働同一賃金)の導入では、同一企業内におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇格差を設けることが禁止されました。今後新たに労働関連の法規制施行や改正が行われた場合、当該事業に不利な影響を及ぼすものであれば、優秀な人材を雇用できなくなる可能性や当社の人件費が高騰する等、当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保及び育成について
当社の事業展開において、高度な専門知識及び経験を有する優秀な人材を確保すること、並びにコンタクトセンターやBPOセンターにおいて顧客ニーズに応じた人材の確保をスピーディに行うことは重要な経営課題であります。今後の外部環境の変化により、要望する人材の確保ができなかった場合、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) システム障害等の影響について
当社は、会計システムや登録スタッフ及び就業スタッフの個人情報、お客様の基本情報を管理するシステム及びそのネットワークを活用しております。そのため、不測の事態に備え、システムのバックアップ体制の構築、セキュリティ強化等の対策を講じております。しかしながら、これらのシステム及びそのネットワークにおいてトラブルが起こった場合、業務に支障をきたし、損害が生じる可能性があります。また、復旧が長引くと業務に重大な支障をきたし、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等の発生について
当社は、コンタクトセンターやBPOセンターを複数拠点に展開することで、大規模な地震・暴風雨・洪水・大雪等の自然災害、新型コロナウイルスを始めとした感染症の大流行、火災・暴動等の人災が発生した場合においても、地域の異なる複数拠点にてセンターを運用(マルチサイト化)することで、業務の代替が可能な環境を構築しております。しかしながら、予想を超える社会インフラの規制、損壊及び機能低下等の事態となった場合、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 個人情報及び機密情報等の情報漏えいリスクについて
当社は、業務上顧客のお客様に関する個人情報や機密情報を取り扱うとともに、登録スタッフや社員の個人情報を保有しております。それらの機密情報を管理する体制を構築するため、2005年3月にプライバシーマーク、2007年1月にISMSの認証を取得しております。認証を維持するため、不正アクセス等の物理的・システム的なセキュリティ対策を講じるとともに、情報セキュリティ委員会を設置し、規程の整備や社内教育を徹底する等、情報管理体制の見直し・強化に努めております。しかしながら、万が一当該情報が漏えいした場合には、顧客からの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 固定資産の減損損失に関するリスク
業務に係る固定資産において、業務終了等のため使用見込みが定まらないなどにより、固定資産の減損会計を適用し減損損失を認識した場合、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 親会社グループとの関係
当社の親会社は富士ソフト株式会社(以下、親会社といいます。)であり、当社は連結子会社として親会社グループに属しております。親会社グループにおいては、「各企業が相互に独立会社としての尊厳と自主性・主体性を尊重する」旨のグループ会社憲章を定めており、各企業が独自の方針等により事業を展開するとともに、各々の特徴を生かしたアライアンスを推進していくことにより、親会社グループ全体としての成長を実現していくことをグループ戦略としております。
当社と同グループとの関係は以下のとおりであります。
① 資本関係について
親会社は、当事業年度末現在において当社の議決権の55.63%を保有していることから、当社株式の議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は他の株主の利益と一致しない可能性があります。
② 出向者について
親会社グループとの一層の連携強化を図るため、必要に応じて親会社から出向者の受け入れや、当社から親会社への出向を行っております。当事業年度末現在における当社従業員は437名であり、親会社からの出向者はおりませんが、当社から親会社へ4名が出向しております。
③ 取引関係について
親会社グループとの取引については、以下の取引が発生しておりますが、いずれの取引も案件ごとに協議、相見積り等を実施しており、当社との関連を有しない会社との取引と同様に決定しております。
a.親会社である富士ソフト株式会社との主な取引
当社と富士ソフト株式会社との間に、業務委託契約及び派遣契約があり、これらの契約に係る当社の売上高は2億61百万円となっております。また、富士ソフト錦糸町ビル等の不動産賃貸契約があり、当該契約に係る取引(当社の賃借)金額は1億74百万円となっております。
b.富士ソフトグループ企業との取引
当社は富士ソフトグループ企業(兄弟会社)との間に、業務委託契約及び派遣契約があり、これらの契約に係る当社の売上高は76百万円となっております。
④ 親会社からの独立性の確保について
当社では、社外取締役2名及び社外監査役2名を、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立役員として選任し、経営の透明性を確保するとともに、取締役会においては、当社独自の経営判断に基づき、意思決定しております。
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