(業績等の概要)
(1) 業績等
(単位:百万円)
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益について、一部に弱さがみられるものの総じて改善している他
、個人消費が緩やかに持ち直している等、景気は緩やかに回復しています。
旅行業界を取り巻く環境は、国内では行動制限が緩和され、訪日旅行でも各国の入国制限の緩和が進んだこと等により、旅行需要が急速に回復しています。
当社グループは、当連結会計年度は成長戦略「エアトリ“リ・スタート”」の実行により、堅調に利益の積み上げを継続しております。
今後コロナウイルス感染症収束に伴う需要回復並びに全国旅行支援効果を見込んでおり、高まる旅行需要に対する戦略的マーケティング投資によるエアトリ旅行事業収益拡大、旅行事業以外の既存4事業+新規事業の成長継続並びに事業ポートフォリオ分散及び再構築推進により、エアトリグループの終わりなき成長を目指しております。
当連結会計年度における売上収益では、旅行需要回復による増収がありましたが、事業ポートフォリオの分散及び再構築の一環として取り組んだ子会社の連結除外による減収の影響を受けております。オンライン旅行事業では前年同期比18.8%減の12,586百万円となり、ITオフショア開発事業では前年同期比56.8%減の545百万円となりました。投資事業においては、当社IPO案件の出資先の新規上場に伴う当該株式の譲渡があったものの、前年同期比38.4%減の454百万円となりました。以上より、当連結会計年度における売上収益は、前年同期比22.4%減の13,589百万円となりました。
当連結会計年度における営業利益では、旅行需要回復による粗利益の増加や、事業ポートフォリオの分散及び再構築の一環として取り組んだコスト削減策等の施策による増益効果がありましたが、前連結会計年度において子会社の支配喪失に伴う利益など一時的な利益が計上されていたことの反動による影響等を受けております。オンライン旅行事業では前年同期比140百万円減の営業利益2,539百万円、ITオフショア開発事業では前年同期比183百万円減の営業利益388百万円、投資事業では前年同期比269百万円減の営業利益462百万円となりました。以上より、当連結会計年度における営業利益は、前年同期比28.5%減の2,243百万円となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
オンライン旅行事業
(単位:百万円)
1.エアトリ旅行事業
当社は創業当時からオンラインに特化した旅行会社として、お客様へ便利なサービスを提供してまいりました。3つの強みである「仕入れ力」「多様な販路」「システム開発力」を主軸として、以下のサービスを展開しております。
①BtoCサービス(自社直営)分野
当社は業界最大規模の国内航空券取扱と各航空会社、東日本旅客鉄道との提携等で、強い競争力を実現しています。国内・海外旅行コンテンツを簡単に比較・予約出来るサイト「エアトリ」を運営しております。サイトの使いやすさに一層こだわりお客様に最適な旅の選択肢を届けます。
②BtoBtoCサービス(旅行コンテンツ OEM提供)分野
国内航空券・旅行、海外航空券・ホテル商材を、他社媒体様へ旅行コンテンツとして提供をさせていただいております。コンテンツのラインナップを増やすことにより、媒体ユーザー様の顧客満足度向上の一助となります。
2.訪日旅行事業・Wi-Fiレンタル事業
エアトリ旅行事業で蓄積したノウハウを、いち早く訪日外国人向けサービスとして展開しております。
①訪日旅行客向けWi-Fiレンタル
エアトリの子会社である株式会社インバウンドプラットフォームにおいて、訪日旅行客向けのWi-Fiルーターレンタルサービスを展開しております。レンタル実績は800,000件を超え、長年の信頼と口コミでブランドを確立しております。キャンピングカーのレンタルと併せ、インバウンド需要に対するサービス拡大を図ります。
3.メディア事業
「伝えたいことを、知りたい人に」を理念とする当社子会社である株式会社まぐまぐと連携し、世界中からクリエイター等のコンテンツを集め、その情報に価値を感じる人の手元に届ける仕組みを開発・提供しています。無料・有料メールマガジン配信サービスの「まぐまぐ!」をはじめ、ライブ配信サービス「まぐまぐ!LIVE」、 また、コンテンツを発掘し、数多くの知りたい人に届けることができるWEBメディア「MAG2 NEWS」「MONEY VOICE」「TRiP EDiTOR」「by them」の運営を行なっています。
当連結会計年度におけるオンライン旅行事業のセグメント売上収益は12,586 百万 円、セグメント利益は2,539百万円となりました。
ITオフショア開発事業
(単位:百万円)
ITオフショア開発事業では、ベトナムのホーチミン、ハノイ及びダナンにて、主にEコマース・Webソリューション・ゲーム・システム開発会社等を顧客として、開発サービスを提供しております。なお、持分法適用会社である株式会社ハイブリッドテクノロジーズが2021年12月23日に東証グロースに新規上場いたしました。
当連結会計年度におけるITオフショア開発事業セグメントの売上収益は545 百万 円、セグメント利益は388百万円となりました。
投資事業
(単位:百万円)
投資事業では、成長企業への投資を通じて投資先企業との協業等によるシナジーを追求し、収益性と成長性を軸としたグループ内の事業ポートフォリオを構築して、M&A戦略を推進しております。当連結会計年度においては、投資先を83社まで拡大しております。
当連結会計年度における投資事業のセグメント売上収益は454 百万 円、セグメント利益は462百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末より183百万円増加し、8,954百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度末より822百万円減少し、2,807百万円となりました。この主な要因は、税引前利益を2,030百万円計上し、仕入債務が2,284百万円増加した一方、前渡金の増減額を△649百万円、減価償却費を592百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、前連結会計年度末より763百万円減少し、△952百万円となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出643百万円、定期預金の預け入れによる支出189百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、前連結会計年度末より1,526百万円増加し、△1,780百万円となりました。この主な要因は、長期借入の借入による収入1,400百万円、社債の発行による収入1,250百万円、長期借入の返済による支出2,349百万円、短期借入金の純増減額を△1,599百万円計上したことによるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
当社はオンライン旅行事業、ITオフショア開発事業及び投資事業を主たる事業としているため、生産実績及び受注実績はありません。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) ITオフショア開発事業及び投資事業について、仕入れは該当がないため記載しておりません。
当連結会計年度の販売実績及び取扱高実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
① 販売実績
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合について、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
② 取扱高実績
(注) ITオフショア開発事業及び投資事業については、販売実績と取扱高実績は同数になります。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当社の当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や現在の取引状況ならびに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積もりや仮定を継続的に使用しておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5経理の状況 連結財務注記 2.作成の基礎 (5) 重要な判断及び不確実性の見積りの主要な源泉」をご参照ください。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は13,589百万円となり、前連結会計年度に比べ3,935百万円(前連結会計年度比22.4%減)減少いたしました。旅行商材の比較サイトによる直販(BtoC)、他社媒体へ当社の検索予約エンジンを提供するOEM提供(BtoBtoC)、法人の出張手配を販路に、国内航空券や海外ホテルを中心に旅行商材の販売を行う「オンライン旅行事業」と、ベトナムにおけるラボ型システム開発を行う「ITオフショア開発事業」が、コロナ禍による影響により当初想定に比べてかなり減少したことによるものであります。
当連結会計年度の売上原価は6,009百万円となり、前連結会計年度に比べ3,900百万円(同39.3%減)減少いたしました。これは主に、旅行事業におけるツアー売上及びITオフショア開発事業の売上減少によるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は7,579百万円となり、前連結会計年度に比べ34百万円(同0.4%減)減少いたしました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,579百万円となり、前連結会計年度に比べ1,270百万円(同23.9%増)増加となりました。
また、当連結会計年度における持分法による投資利益は120百万円となり、前連結会計年度に比べ103百万円(同599.2%増)増加、投資利益は225百万円となり、前連結会計年度に比べ16百万円(同7.8%増)増加となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は2,243百万円となり、前連結会計年度に比べ898百万円(前期は3,142百万円の利益)減少いたしました。
当連結会計年度の金融収益は10百万円となり、前連結会計年度に比べ32百万円(同75.2%減)減少となりました。当連結会計年度の金融費用は224百万円となり、前連結会計年度に比べ82百万円(同57.8%増)増加いたしました。
この結果、当連結会計年度の税引前純利益は2,030百万円となり、前連結会計年度に比べ1,013百万円(前期は3,043百万円の利益)減少いたしました。また、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期純利益は1,712百万円となり、前連結会計年度に比べ659百万円(前期は2,372百万円の利益)減少いたしました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
資産は前連結会計年度末に比べ2,762百万円増加しました。これは主に、その他の金融資産1,204百万円の増加、営業債権及びその他債権780百万円の増加、有形固定資産、無形資産、のれん216百万円の増加及び使用権資産668百万円の減少によるものです。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ990百万円増加しました。これは主に、営業債務及びその他の債務2,296百万円の増加、その他の流動負債782百万円の増加、有利子負債1,425百万円の減少、及びリース負債717百万円の減少によるものです。
(資本)
資本は前連結会計年度末に比べ1,771百万円増加しました。これは主に、当期純利益を1,626百万円計上したことによるものです。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社オンライン旅行事業におきましては、業界全体の動向や取引先の施策に影響を受ける部分が大きく御座います。また、ITオフショア開発事業に関しましては、基本的に人月単価×人員数によって顧客に請求を行うビジネスモデルであるため、新規ラボの開発設数、既存ラボの増減員数が売り上げに大きく影響を与えます。当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の内容となっております。当社は、これらのリスク要因について、リスク軽減策を講じるように取り組んで参ります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社が今後も成長するためには、引き続き「エアトリ」のサービス改善を行うことによる利便性の向上およびマス広告を含めたブランディング及び事業規模の拡大に合わせて適宜人員拡充を進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に応じた当社組織体制の再整備、及びwith/afterコロナに向かった新たなサービス展開を進めていくことが重要であると認識しております。
営業部門、システム開発部門等について事業規模や必要性に応じた採用を適宜行うとともに、内部管理体制の強化等の組織体制の再構築を図って参ります。
(7) その他、経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項はのれんであり、日本基準ではその効果の及ぶ期間で定額償却していますが、IFRSでは償却せずに毎期減損テストを行います。
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