業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社は、2022年3月24日開催の臨時株主総会にて、「定款一部変更の件」が承認可決され、事業年度末日を従来の6月30日から3月31日に変更いたしました。このため、決算期変更の経過期間となる第29期は、当社グループは2021年7月1日から2022年3月31日の9か月を連結対象期間とした変則決算となっております。

 これにより、前連結会計年度と連結対象期間が異なるため、対前期比増減率は記載しておりません。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年7月1日~2022年3月31日)におけるわが国の経済は、長引く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下にあり、2021年9月末に全国の緊急事態宣言が全て解除されたことなどから、行動制限が徐々に緩和されたものの、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 このような状況下において、グループ企業理念を体現し、さらなる企業価値の向上を実現するためには、当社グループの強みである、創業以来、自治体を軸とした事業活動を通じて築き上げてきた「自治体リレーション」を中核に、法制度の制定・改正等を的確に捉えた「様々な分野における事業化再現性」と、自治体という事業ドメインに基づく「ビジネスの拡大展開における再現性」を発揮した既存事業の成長及び新規事業の創出が重要であると考えております。これらを推進することは、各自治体が「特徴を活かした自律的で持続的な社会」を築く支援につながり、ひいてはグループ企業理念の実現及び企業価値の向上につながるものと考えております。

 当社グループは2020年8月11日、2021年6月期を初年度とする3か年の中期経営計画である「HOPE NEXT 3」を策定し、その実現に向けて中期的な成長を視野に捉え事業活動を推進してまいりましたが、2020年12月中旬から2021年1月下旬にわたり、JEPXでの電力取引価格の高騰が続き、当社グループ業績の大きな割合を占めるエネルギー事業に多大なる影響を与え、前連結会計年度末(2021年6月期末)には約25億円の債務超過という結果となりました。その後、債務超過の主たる原因となった2021年1月発生分の不足インバランス料金約65億円(税込)につきましては、2021年8月27日に公表した第三者割当による株式の発行、行使価額修正条項付第11回新株予約権の発行及びその後の行使などエクイティ・ファイナンスによる資金調達を実施し、2021年12月に一般送配電事業者への支払いを完了するなど、債務の期日どおりの履行及び債務超過の解消に向けて進んでいたものの、2021年10月中旬頃から、JEPXでの電力取引価格が当社グループの想定以上に高騰したことで、エネルギー事業の売上原価及び仕入債務が大きく増加し、第2四半期連結会計期間末における債務超過額は、80億円超となり、その後2022年1月以降の電力取引価格についても同様の状況が続きました。

 このような環境の中、エネルギー事業における、当社グループの業績に及ぼす影響の大きさを考慮し、事業継続のための対応策を講じてまいりました。すなわち、2021年8月からはエネルギー事業における応札を停止し、リスクボリュームを抑制するとともに、機動的かつ柔軟なグループ経営管理体制を実現するため、2021年12月1日を効力発生日とした、エネルギー事業のホープエナジーへの吸収分割を実施いたしました。併せて、実現には至らなかったものの、ホープエナジーにおけるスポンサー企業との資本提携など、事業存続を前提とした検討を進めてまいりました。

 このように、事業継続のために各方面での様々な施策を行いましたが、2021年10月中旬頃から続く類を見ない電力価格の高騰が継続している影響を受け、電力確保が難しくなり、不足インバランス料金が発生いたしました。また、2022年3月22日公表の「電力小売事業を行う当社子会社、株式会社ホープエナジーにおける託送供給契約解除について」に記載のとおり、2022年3月中旬には、ホープエナジーが支払うべき不足インバランス料金等の託送供給契約に係る料金が未払いとなり、当該債務不履行に基づき、取引のあるすべての一般送配電事業者との託送供給契約が、2022年3月22日0時までをもって解除となりました。なお、当該契約解除による解約違約金及び損害賠償金を特別損失として計上しております。

 これにより、エネルギー事業を営むホープエナジーは実質的に事業継続が困難となったため、裁判所による破産手続が最も適切と判断し、2022年3月28日公表の「連結子会社の破産手続開始決定に関するお知らせ」に記載のとおり、2022年3月25日付で破産手続開始の申し立てを行い、同日付で破産手続開始決定がなされました。

 広告事業、ジチタイワークス事業の2事業に関しましては、より機動性と柔軟性を確保し、グループ経営資源の適切な配分や財務戦略及び資本政策実行を行える経営管理体制を構築することを目的として、2021年12月1日付で当社を分割会社とし、新設会社2社(株式会社ジチタイアド、株式会社ジチタイワークス)を承継会社とする新設分割を実施いたしました。これに伴い、当社は2021年12月1日付で持株会社体制へと移行いたしました。

 広告事業におきましては、引き続き「利益創出事業」と位置付け、規模適正化による収益性改善を継続しつつ、業績が季節によって偏重する傾向を中期的に緩和することで、事業全体におけるコスト効率化と受注単価の向上を図っております。ジチタイワークス事業におきましては、対自治体プロモーション市場について、官民連携や競争促進の余地が大きく、潜在的であると捉えていることから、自治体情報を最上流でキャッチできるポジションの確立を目指し、コンテンツ拡充・情報発信力の強化と情報キャッチアップ力の向上により『ジチタイワークス』ブランドの価値を確固たるものにすることで、市場の顕在化の促進を図っております。その先に、当社グループを中心とした自治体情報の循環によるさらなる官民連携の促進、また、自治体情報データベースを活用した、事業の強化・支援・創造が可能になると考えております。これを実現するための施策として、さらなるコンテンツ制作体制の充実と、BtoGソリューション(旧BtoGマーケティング)の推進、官民協働を支援するweb上のプラットフォームである「ジチタイワークスHA×SH(ハッシュ)」の運営推進等多面的な展開を進めております。

 また、2022年3月24日に開催されました臨時株主総会にて、「定款一部変更の件」が承認されました。これに伴い、債務超過の状態に基づく上場廃止の猶予期間は2023年3月31日までとなり、引き続き債務超過解消を最優先課題として取り組むとともに、資金調達施策においては、これまでに公表し、実施している資金調達施策に加え、メインバンクを中心に金融機関と密接な関係を維持し、様々な調達方法を検討・協議しながらグループ全体としての資金確保に努め、債務超過解消の実現に合わせ、「HOPE NEXT 3」の再策定をしていく予定であります。

 

 以上の結果、当社の当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末における資産合計は、1,432,909千円となりました。

 当連結会計年度末における負債合計は、7,035,328千円となりました。

 当連結会計年度末における純資産合計は、△5,602,419千円となりました。

 詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ロ.財政状態の分析」をご参照ください。

 

(経営成績)

 売上高は35,630,649千円、営業損失は16,651,400千円、経常損失は16,731,978千円、親会社株主に帰属する当期純損失は19,730,966千円となりました。

 詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.経営成績の分析・評価」をご参照ください。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 a.広告事業

 広告事業におきましては、自治体から様々な媒体の広告枠を入札により仕入れ民間企業に販売するSR(SMART

RESOURCE)サービス、また、主に自治体が住民向けに発行する冊子について、当社グループが広告枠を募集し、自治体には冊子を無償で寄贈するマチレットを提供しており、上述のとおり収益性改善を目的とした事業規模の適正化を推進してまいりました。当社グループの主要媒体であるマチレットは現在、子育て・介護・空き家対策・エンディングノート・おくやみ、などのテーマを主として全国展開しております。

 また、気象庁ホームページ広告の運用サポートについて2022年4月からの1年間も引き続き株式会社ジチタイアドがサポートしていくことが決定しております。さらに新たな取り組みとして、北九州市と「提案型ネーミングライツパートナーシップ協定」を締結し、市と共同で制度の周知やスポンサー企業のサポート、提案活動などを行う「提案型ネーミングライツ」制度への参加が決定しており、自治体が保有する施設に民間企業から愛称を募るネーミングライツ(命名権)制度を通して幅広い広告提案を目指しております。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は935,638千円、セグメント利益は101,059千円となりました。

 

 b.エネルギー事業

 エネルギー事業におきましては、「電気もジェネリック」という新たな価値の提案により、自治体の経費削減を支援していきたいという思いのもと、2018年3月に電力小売事業へ参入し、その後順調に業績を伸ばしました。2020年10月22日には、事業規模の拡大や取引等に係る事業上の機動性確保、クリーンエネルギーへの対応等を目的として当社の100%子会社であるホープエナジーを設立いたしました。しかしながら、上述のとおり2020年12月中旬から2021年1月下旬にわたるJEPXでの価格の異常高騰により多額の損失が一時に発生し、その収束後においては、エネルギー事業における収益安定化の方針を策定し、ガバナンスを強化するなどの運営体制の整備を進めてまいりました。その後、2021年8月11日公表の「会社分割(吸収分割)に関するお知らせ」のとおり、持続的成長を目指し、中長期的に企業価値を向上させていくためには、機動的かつ柔軟なグループ経営管理体制に移行することが望ましいとの考えのもと、エネルギー事業は当社グループが営む事業において質的にも量的にも重要かつ専門的であることから、ホープエナジーで専心して運営していくことが適切であると判断し、吸収分割の方法によってホープエナジーへの電力小売事業の承継を2021年12月1日付で実施いたしました。しかしながら、2021年10月以降にJEPXでの価格が当社グループの想定以上に高く推移したことにより、電力の仕入価格が大きな影響を受け、2021年8月以降はリスクボリューム抑制の観点から自治体の電力需給に係る入札案件に対する応札を停止してはいたものの、上述のとおり実質的に事業継続が困難となるまでの間、継続して厳しい事業環境が継続し、その後2022年3月25日にホープエナジーの破産手続開始の申し立て及び開始決定に至っております。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は34,459,655千円、セグメント損失は16,416,083千円となりまし

た。

 なお、上述のとおり、ホープエナジーは2022年3月25日付で破産手続開始の申し立てを行い、同日付で破産手続開始決定がなされていることから、上記のエネルギー事業の売上高及びセグメント損失は、連結会計年度の期首である2021年7月1日から破産手続開始決定日である2022年3月25日までのものであります。

 

 c.ジチタイワークス事業

 『ジチタイワークス』は、当社グループの官民連携を推進する様々なサービスを総称するブランドの名称とし、「自治体で働く“コトとヒト”を元気に。」をコンセプトにサービスを展開しております。

 約4年にわたり発行してきた、当社グループオリジナルのメディアとして、自治体職員の仕事につながるヒントやアイデア、事例などを紹介する冊子『ジチタイワークス』は、本誌の他に、企業の予算やニーズに応じたオーダーメイド形式の(ⅰ)特別号(ⅱ)PICKS及び(ⅲ)INFO.の3種類の媒体があり、自治体向けに事業を展開したい民間企業に対して、幅広い広告媒体の提案を行っております。さらに、当社グループが今まで培った自治体とのリレーションを活用した、自治体と民間企業のニーズを繋ぐBtoGソリューション(旧BtoGマーケティング)の積極的な展開も推進しております。

 また2022年3月1日に発行した『ジチタイワークス』通常号(Vol.18)からは、7万部から11万5,000部に発行部数を増やし、従来からの自治体職員のみならず、地方議会議員に向けても配布を開始いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は223,125千円、セグメント利益は37,439千円となりました。

 

 d.その他

 その他には、マチイロ、ジチタイワークスHA×SH(ハッシュ)など他の報告セグメントに含まれないサービスが含まれております。なお、ジチタイワークスHA×SH(ハッシュ)については、ジチタイワークス事業部が事業運営を行っておりますが、当該サービスは現段階において投資的フェーズであることから、その他に区分しております。

 当連結会計年度における売上高は12,230千円、セグメント損失は69,014千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ1,015,859千円減少し、906,115千円となりました。なお、ホープエナジーを連結の範囲から除外したことに伴う資金の減少は2,433,447千円となりました。

 当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、266,149千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失19,713,083千円の計上、売上債権の増加838,431千円があった一方で、営業保証金の減少383,163千円、仕入債務の増加17,502,199千円、未払金の増加2,892,332千円があったことによるものであります。
 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、24,842千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出22,539千円があったことによるものであります。
 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、1,176,281千円となりました。これは主に、株式の発行による収入150,079千

円、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,340,286千円があった一方で、長期借入金の返済による支出295,214千円、株式の発行による支出22,837千円があったことによるものであります。

 

 

 (その他)

 ホープエナジーの連結除外時点における資金の残高は2,433,447千円であり、連結キャッシュ・フロー計算書上にて「連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額」として計上しております。
 

 また、資本の財源及び資金の流動性については次のとおりです。

a.資金需要

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、仕入費用及び外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 

b.財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、主に内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、短期借入金又は長期借入金、当座貸越契約、社債で調達しております。当連結会計年度末における有利子負債の残高は、短期借入金、長期借入金及び社債の1,604,396千円となっております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

広告

(千円)

202,103

エネルギー

(千円)

50,760,600

ジチタイワークス

(千円)

小計

(千円)

50,962,704

その他

(千円)

合計

(千円)

50,962,704

 (注)1.広告事業及びジチタイワークス事業に係る外注費については、記載を省略しております。

2.当連結会計年度は、決算期変更により、2021年7月1日から2022年3月31日までの9か月間となっております。このため、前期比については記載しておりません。

 

c.受注実績

 当社は受注生産が僅少であるため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

広告

(千円)

935,638

エネルギー

(千円)

34,459,655

ジチタイワークス

(千円)

223,125

小計

(千円)

35,618,419

その他

(千円)

12,230

合計

(千円)

35,630,649

 (注)1.主要な販売先については、相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

2.当連結会計年度は、決算期変更により、2021年7月1日から2022年3月31日までの9か月間となっております。このため、前期比については記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。

(棚卸資産)

 当社の棚卸資産の評価については、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合、簿価切下げの方法により棚卸資産の評価損を計上しております。

 将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  当社は、2022年3月24日に開催されました臨時株主総会にて、「定款一部変更の件」が承認可決されたため、第29期(2022年3月期)より決算期(事業年度の末日)を6月30日から3月31日に変更いたしました。このため、決算期変更の経過期間となる第29期は、当社グループは2021年7月1日から2022年3月31日の9か月を連結対象期間とした変則決算となっております。

  以下、連結会計年度の業績に関しましては、対前期と連結対象期間が異なるため増減額及び増減率は記載しておりません。

イ.経営成績の分析・評価

 広告事業におけるSRサービスの収益性改善、エネルギー事業における供給件数の増加、ジチタイワークス事業における幅広い広告媒体の提案及びBtoGソリューションのサービス拡大等による売上高増加により、売上高は35,630,649千円となりましたが、前述のとおりJEPXの市場価格の高騰の影響を大きく受けた結果、売上総損失は15,790,288千円となりました。販売費及び一般管理費は861,112千円となりました。結果として、営業損失は16,651,400千円となりました。

 営業外損益(純額)は80,577千円の損失となりました。これは、主に支払利息及び株式交付費が多額に発生したためであります。

 以上の結果、経常損失は16,731,978千円となりました。

 特別損益は2,981,105千円の損失となりました。これは、主に連結子会社であったホープエナジーの破産手続の開始に伴い、解約違約金と損害賠償金が多額に発生したためであります。

 法人税等は、主に均等割額の発生により、17,883千円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は19,730,966千円となりました。これにより、1株当たり当期純利益は△1,952.73円となりました。

 

ロ.財政状態の分析

a.資産

 当連結会計年度末の資産合計は1,432,909千円となり、前連結会計年度末に比べて9,531,627千円減少しました。これは主として、2022年3月25日付でホープエナジーの破産手続開始決定がなされ、連結の範囲から除外したことによるものであります。流動資産は1,347,061千円となり、前連結会計年度末に比べて9,049,935千円減少しました。これは主としてホープエナジーを連結の範囲から除外した影響等により、現金及び預金が1,015,859千円減少、売掛金が7,168,529千円減少、前渡金が184,219千円減少、流動資産のその他が479,152千円減少したことによるものであります。固定資産は85,848千円となり、前連結会計年度末に比べて481,691千円減少しました。これは主として無形固定資産のその他が55,922千円減少、投資その他の資産のその他が420,453千円減少したことによるものであります。

 

b.負債

 当連結会計年度末の負債合計は7,035,328千円となり、前連結会計年度末に比べて6,427,595千円減少しました。これは主として、2022年3月25日付でホープエナジーの破産手続開始決定がなされ、連結の範囲から除外したことによるものであります。流動負債は949,041千円となり、前連結会計年度末に比べて11,931,003千円減少しました。これは主として短期借入金が750,000千円減少、1年内返済予定の長期借入金が202,151千円減少、また、ホープエナジーを連結の範囲から除外した影響等により、買掛金が11,034,087千円減少したことによるものであります。固定負債は6,086,287千円となり、前連結会計年度末に比べて5,503,408千円増加しました。これは主として長期借入金が656,937千円増加、組織再編により生じた株式の特別勘定(以下「特別勘定」)が4,846,528千円増加したことによるものであります。

 なお、特別勘定は、2021年12月1日を効力発生日とした、エネルギー事業のホープエナジーへの吸収分割において当社からホープエナジーへ承継した移転事業に係る資産から負債を控除した差額(株主資本相当額)がマイナスであったことから、当該吸収分割時に、「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(企業会計基準適用指針第10号)」(以下「事業分離等指針」)に基づき生じたものであります。当該特別勘定は、株式の評価的な勘定であり、資産の貸借対照表価額はマイナスにならないことから負債として計上することが適当であると考えられている(事業分離等指針第394項参照)ため負債に計上しておりますが、債務性を有するものではなく、引当金に該当するものでもないものと考えております。

 

c.純資産

 当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べて3,104,031千円減少し、5,602,419千円の債務超過となりました。これは主として第三者割当による株式の発行及び新株予約権の行使により資本金が756,924千円増加、資本剰余金が756,924千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により19,730,966千円減少したものの、ホープエナジーを連結の範囲から除外した影響等により利益剰余金が15,132,324千円増加したことによるものであります。

 

ハ.経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営課題への対応、及び内部管理体制の強化を通して、リスクの低減に努めてまいります。

 

ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、営業利益、売上高営業利益率及び従業員一人当たりの売上総利益を経営指標としております。

 当連結会計年度においては、前述のとおりエネルギー事業の売上原価高騰の影響を大きく受け、売上高営業利益率は△46.7%、従業員一人当たりの売上総利益は△101,789千円となりましたが、広告事業及びジチタイワークス事業における業容の拡大とあわせて収益性の改善を図ることで、引き続きこれらの指標について、改善・向上されるよう取り組んでまいります。

 

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