本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業内容に由来するリスク
① 広告事業
イ.競合について
現在、契約する自治体数、取り扱う媒体数の観点から、当社と同規模以上にSRサービスについての事業展開をしている企業は存在しないものと認識しております。SCサービスにおけるマチレットについては、複数の競合企業を認識しておりますが、コンテンツの拡充による媒体価値の向上に努めることで、優位性を強固なものにしてまいります。
一方で、大手企業の新規参入や地域ごとの同業者における事業規模拡大等により、マーケット・シェアの獲得競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.入札(商品仕入)に係るリスクについて
当社グループの行うSRサービスにおいて販売する広告枠の大部分は、自治体における入札により仕入れております。当社グループは適正な媒体価値の把握とノウハウ・営業力により、適切な応札価格(入札に応じる金額)で商品仕入を行うよう最善の努力を行っております。
しかしながら、媒体価値の見誤り、他社の応札金額の保守的な見積り等による高い金額での落札により、売上原価が上昇するリスクがあります。また、他社による高い金額の応札、自治体による最低落札価格の引上げ等外部環境の変化により、十分に商品仕入を行えなくなるリスクがあります。これにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ.商品特性に固有のリスク(在庫リスク)について
当社グループの行うSRサービスにおいて販売する広告枠の大部分は、暦年度(4月から翌年3月)を一括の期間とし、12か月分を自治体から在庫リスクを負担する形で仕入れており、これを一定の単位に区切って広告主に販売しております。そのため、販売実績が計画から大幅に乖離した場合に、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ジチタイワークス事業
イ.競合について
現在、国内でBtoGマーケティング、ジチタイワークスと類似する事業を展開する競合企業が複数存在しております。当社は、これらサービスの内容拡充、web・アプリを活用した多面的な展開によって付加価値の向上に努めてまいりますが、競合企業の動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)共通的なリスク
① 優秀な人材の確保及び育成について
当社グループは、優秀な人材の確保及び育成によって持続的な成長を実現するために、引き続き、一般的なビジネスリテラシー水準の向上と、経営者候補人材の育成に繋がる教育制度や仕組みの構築に積極的に取り組んでまいりますが、計画と大幅に乖離した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② わが国の人口動態に係るリスクについて
自治体における持続性のある自治体運営と行政サービス提供の担保には、各自治体における人口が密接に関連しております。しかしながら、わが国の合計特殊出生率は、1960年代後半以降減少傾向にあり、極めて低い水準にあります。
今後、人口の減少に伴い、税収や行政需要が減少することになれば、当社が取扱うサービスの需要が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業の成長性について
当社グループの行う広告事業は、SRサービスについてはスタートして17年が経過し、現在はSCサービスも加えて安定した収益事業化を目指す段階に到達しております。ジチタイワークス事業におけるジチタイワークスは、2017年12月に創刊したメディアであり、国策や時流に応じて取り扱うテーマが多岐に渡り変化することから、今後もコンテンツの拡充や、ニーズに応えたメディアの制作によって、配布先自治体、顧客企業からの継続的な需要が見込めます。
しかしながら、事業計画の立案や実施に何らかの支障が生じ、これらが実現できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 業績の季節変動による影響について
当社グループの四半期における業績は、第1四半期(4月~6月)において、売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。
これは、広告事業のマチレットにおける子育て情報冊子等の発行が4月から6月に集中する傾向にあるためであります。
当社グループは、マチレットにおける当該季節的要因を踏まえた受注計画及び制作計画を策定し、発行の増加が見込まれる時期の売上の確保に努める方針でありますが、何らかの事情によりこれらを計画どおりに行えなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 風評の影響について
当社グループが取扱うサービスにおいて、全国の自治体との取引が多く存在しております。そのため、何らかのリスクが顕在化し、風評の影響等により自治体との取引を制限された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 特定経営者への依存について
当社グループ代表取締役社長である時津孝康は当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。
当社グループでは、同氏に過度に依存しないための組織体制として、経営組織の強化を図っておりますが、当面の間は同氏への依存度が高い状態で推移するものと考えております。このような状況において、同氏の事業への関与が困難となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 小規模組織であることについて
当社グループは、本書提出日現在、取締役4名(うち社外取締役1名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員数132名(臨時雇用者を除く)の人員数で事業を展開しており、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を整備しております。万一、業容拡大等に応じた人員の確保・育成が順調に進まず、役職員による業務執行に影響が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 新株予約権行使の影響について
当社グループは、当社グループ役員及び従業員、またマッコーリー・バンク・リミテッドに対して新株予約権を付与しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在これらの新株予約権による潜在株式数は3,283,500株であり、潜在株式数を含む発行済株式総数14,523,000株の22.6%に相当しております。
⑨ 継続企業の前提に関する事象等
当社グループは、過年度において営業キャッシュ・フローがマイナスの状況にありました。また、2020年12月中旬から2021年1月下旬にわたるJEPXの取引価格の異常高騰により、前連結会計年度において2,498,387千円の債務超過となり、さらに、2021年10月以降にJEPXの取引価格が当社グループの想定以上に高騰し、高止まりし続けたことにより、当連結会計年度において、営業損失16,651,400千円、親会社株主に帰属する当期純損失19,730,966千円を計上しておりますが、金融機関の支援も得られており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
当該事象又は状況を解消するための対応策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び対処すべき課題 (その他対処すべき課題) ⑤ 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおりであります。
⑩ 上場廃止の猶予期間入り銘柄について
当社グループは前連結会計年度末において債務超過を解消できず、東証が定める有価証券上場規程第601条第1項第5号(2022年4月4日付の市場区分の変更に伴い改正された提出日現在の同規程第501条第1項第3号eを満たさないことによる第601条第1項第1号への該当)、及び福岡証券取引所が定める株券上場廃止基準第2条の2第1項第4号の債務超過に該当し、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となりました。しかしながら、2022年3月24日開催の臨時株主総会にて、「定款一部変更の件」が承認され、決算日が6月末日から3月末日に変更になったことにより、上場廃止に係る猶予期間が従前の「2021年7月1日(木)から2022年6月30日(木)まで」から「2021年7月1日(木)から2023年3月31日(金)まで」に変更となっております。
債務超過の解消及び上場維持を最重要課題として取り組み、その実現に向けて様々な資金調達を積極的に行うことで、第30期には、債務超過の状況は解消されるものと判断しております。
但し、上記判断は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいた判断であり、当社グループを取り巻く事業環境が想定どおりに実現しなかった場合においては、上場廃止となる可能性があります。
⑪ 新型コロナウイルスの事業への影響
今後のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う社会経済活動の停滞による影響で、依然として先行き不透明な状態が続くことが懸念されます。当社グループにおいては、テレワークの導入や、社内における感染症対策を徹底し、従業員の安全確保及び事業への影響抑止に務めており、現時点において、今後の事業継続に支障は生じないものと見込んでおりますが、収束の時期については見通しが難しいことから、2023年3月期においても当該影響が一定程度あるものとして見込んでおります。
(3)法的規制に関するリスク
① 事業に関する法的規制について
当社が行う事業では、主に以下に掲げる法律等の規制を受けております。
不当景品類及び不当表示防止法
・商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止が求められております。
② 個人情報の漏洩リスクについて
当社は、顧客の個人情報を取り扱っており、「個人情報の保護に関する法律」に規定される個人情報取扱事業者に該当いたします。個人情報の取り扱いにつきましては、個人情報保護基本規程の整備・運用等厳重な対策を講じています。また、個人情報の適切な保護措置を講ずる体制の構築・維持の一環として、ISMS(ISO 27001:2013)の認定を受け、個人情報の適切な取扱いに努めております。
しかしながら、万一個人情報が外部に流出した場合には、当社の社会的信用が毀損され企業イメージの低下を招くなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償請求等、不測の損害が生じる可能性もあります。
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