文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「われわれは 知恵と汗を礎にして 社会に貢献する」を社是とし「柔軟な発想と技術で、環境にやさしい空調製品の開発に努め、あらゆる用途・空間に最適な空調を提供していくこと」を目指しております。
同時に、当社は、サステナビリティの視点を経営の中核に位置づけ、環境問題や社会課題の解決を通じて事業機会の創出を図ることを目指しております。
■サステナビリティの取り組み
持続可能な社会の実現のために、環境・社会・ガバナンスという3つの要素でバランスよく様々な施策を事業活動を通して実行します。
Environment -環境 地球を守る |
|
Social -社会 人を守る・社会に貢献する |
||
製品開発における環境負荷の低減
・省エネ製品・部品の開発 ・制御の高精度化 ・廃熱の活用 ・自然エネルギーの活用 ・温室効果ガス使用量の削減 |
|
人々の健康を守り、働き甲斐のある社会に向けての活動 ・衛生で健康的な環境(感染症対策等) ・ストレスフリーな環境(職場・病室の快適性等) ・安心して働ける環境(熱中症予防) ・人権に関する原則に則った健全な事業活動基盤の構築 |
||
事業活動における環境負荷の低減
・再生可能エネルギーの活用 ・化学物質の使用量の削減等による生物多様性保全 ・事業活動全体の省エネ化 ・廃棄物削減等による循環型社会への取組み強化 |
|
ステークホルダーとの連携による安全で豊かな社会に向けての活動 ・近隣住民との協働 ・産学官連携による研究活動 |
||
|
|
|
|
|
Governance -ガバナンス 経営基盤の強化 |
||||
強固で公正な経営基盤、人財育成、労働安全衛生、リスク・コンプライアンスの強化 |
※木村工機株式会社ホームページ SUSTAINABILITY(持続可能な社会の実現)
https://www.kimukoh.co.jp/about_us/sustainability/
(2)目標とする経営指標
当社は、顧客の分野別に需要をとらえ、付加価値の高い製品を分野別に供給することで販売及び収益につなげる経営戦略を掲げており、売上高営業利益率を主要経営指標の一つとしております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
業務用空調においては、温度に加えて湿度・清浄度・気流などを用途に応じて最適にコントロールすることが求められます。
また、気候変動対応のため温室効果ガス排出量削減に取組むべく、新製品開発にも積極的に取組みます。
当社は、工場などの「産業分野」、オフィスビル、ショッピングセンターなどの「商業分野」、病院、学校などの「保健分野」の3つに類別し、「分野別最適空調」を推進しております。
・産業分野においては、生産される製品や取り扱う資材に応じた空気質の管理を行うことで、製品の信頼性の向上及び品質の維持に貢献します。
・商業分野においては、省エネ、省コストによって競争力を高めていくことで、建築物の付加価値向上に貢献します。
・保健分野においては適切な温熱環境を保つことで、健康増進と知的生産性の向上に貢献します。
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、予期せぬ世界的な新型コロナウイルスの収束が見通せない中、事業環境が一変し、各業界とも大きな影響を受けております。このような状況のもと、この問題の収束後も視野に入れ、以下の重点課題に取り組んでまいります。
① 事業活動を通した持続可能な社会への貢献
地球環境や社会へ配慮した企業経営がますます重要となる中で、当社は、サステナビリティの視点を経営の中核に位置づけ、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値の最大化を目指します。特に、地球温暖化対策は地球規模で取り組むべき課題であり、空調業界においても、省エネや温室効果ガスの削減に取り組む必要があります。当社においても熱回収技術、熱源一体型製品等、環境配慮型製品を拡大し、持続可能な社会の実現に貢献します。また、2050年CO₂排出量実質ゼロ(SCOPE1・SCOPE2)の目標を掲げ、全社挙げてこれに取り組みます。
② 従来型快適空調に健康・衛生志向を加えた空調システムへ
新型コロナウイルスの影響で、誰もが経験したことのない環境下におかれ、これからの事業環境や生活様式も大きく変化することが予想されます。空調の世界においても、従来の快適性に加え、健康で衛生的な空間の実現が今まで以上に求められています。
当社では、すでに換気を主な目的とした空冷HP式による熱回収外調機やルーフトップ外調機を供給しております。それに加え、「気流設計」「放射整流」「換気/熱回収」「湿度コントロール」を重視した新空調システム製品の開発に取り組んでおり、「ベストエアフロー」シリーズとして工場、ビル、病院、家庭向け等、各分野別にクリーン&ウェルネス空調として新たな空調を開発してまいります。
③ 部品力の強化と空調のシステム化の推進
最適部品の確保は空調のシステム化に必要であり、他社との連携や自社独自部品の開発を積極的に行い、今後も部品力の強化に努めます。この部品力と合わせ、自然の力を活用することで、製品の高効率化や高品質な空調の実現を目指します。また、製品は高効率化に加えて、軽量小型化・長寿命化も実現することで脱炭素社会の実現にも貢献します。
④ 業務・生産効率の向上と生産力の増強
今後の当社の成長のためには、生産効率、生産力増強が重要な課題であり、高井田新工場建設に加えて、市場動向を見極めながら八尾製作所内建物の建て替え計画の推進等に取り組んでまいります。熱交換器製造工場として稼働開始した高井田新工場にはベストエアフローシリーズの工場用陽圧換気空調システムを設置し、モデル工場として、実体験ができる場として活用します。
また、生産・販売の業務を管理する新基幹システムを導入し、業務のデジタル化を推進して更なる効率化を目指します。
⑤ 人財育成を通した企業体質の強化
全社員にサステナビリティの視点の浸透を図るとともに、「企業倫理規範」及び「社員行動規範」の実践を通じて次の時代を生き抜く人財を育て、経営基盤を強化します。
お知らせ