事業等のリスク

2【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1)主要な原材料及び部品の価格変動・仕入リスク

当社の製品を構成する銅やアルミなどの主要原材料及び室外機や圧縮機などの主要部品は、経済情勢、国際情勢や為替相場などの影響や調達先の生産状況等により価格が変動若しくは調達が困難になるリスクがあります。仮に主要原材料及び主要部品の大幅な価格上昇や仕入先からの調達が困難となった際に、製品価格への適切な反映、調達部品の変更など有効な対応ができない場合は、当社の収益性を圧迫し、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)価格競争

業務用空調機市場における比較的付加価値の低い製品群は、価格競争が厳しく、競争は今後も継続するものと予想されます。当社は、製品の生産技術の向上やコスト削減、省エネルギー対応などにより、事業基盤の更なる強化を図っております。また、長年培った技術力を活かし、他社にはない付加価値の高い独自の製品で差別化を図り、価格優位性を保つことを目指しております。しかしながら、競合先の中には当社よりも多くの研究、開発や製造、販売の資源等を有している場合があります。当社の主力製品において競合先が同品質の製品を低価格で提供するなどした場合、当社製品の価格競争力が低下し、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)経済状況

当社の売上は、オフィスビル、工場、病院、学校等の新築・改築などの建築設備投資に相関しており、国内の経済情勢、特に民間企業及び公的機関の建設設備投資の変動の影響を受けます。従いまして、景気の後退及びそれに伴う需要の減少等により、建築着工や設備投資が縮小した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)取引先信用リスク

当社は、総合建設業者、設備工事業者、施主などと取引を行っており、これら取引先に対し定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額を設定するなど、信用リスクの管理のための施策を講じておりますが、多額の営業債権等を有する顧客の財政状態の悪化や経営破綻等が生じた場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)納入時期変動等による売上・収益の変動

気候不順や自然災害、人手不足、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等に代表される感染症の拡大、経済情勢等による設置先物件の工事遅延等によって当社製品の納入が遅れ、計画していた時期に売上・収益が計上できず、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)製品開発

当社は、市場において競争優位を保持するためには、新たな製品開発が不可欠であると考えております。しかしながら、開発要員の不足などにより製品開発の著しい遅延が発生し、新製品の市場への投入に遅れが生じた場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制・許認可

当社の展開する事業に関する法的規制としては、主に、外注先を利用する場合の製品製造・保守等に関する「下請代金支払遅延等防止法」、許認可を要する空調設備設置工事に関する「建設業法」、工場等で排出する産業廃棄物に関する「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、フロンガスの管理等に関する「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」などがあります。

法令遵守に関しては、当社内において周知徹底し、法務部門によるモニタリングを実施するとともに、内部監査による定期的な確認も実施しておりますが、関連法令の改正・規制強化があった場合、万が一法令違反行為等が発生した場合及びそれにより許認可が取り消された場合など、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)知的財産権

当社は、専門部署を設置し、特許事務所とともに特許権及びその他の知的財産権を管理しておりますが、提訴または権利侵害を主張する旨の通知を受け取ることがあります。これらの請求に正当性があるか否かにかかわらず、応訴するためには多額の費用等が必要となる可能性があり、権利侵害の主張が認められ、侵害の対象となった技術のライセンスを当社が取得することができない場合、または他の権利侵害を行っていない代替技術を使用することができない場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人材確保

事業遂行にあたり、優秀な人材を採用し、確保し続けることは、当社の競争力を維持するために必要不可欠であると考えております。しかしながら、少子化等の影響もあり、人材の採用及び確保の競争は激化しており、優秀な人材を新たに採用し、または雇用し続けることができる保証はなく、優秀な人材が確保できない場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)特定の人物への依存

当社の代表取締役である木村惠一は、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、事業推進において重要な役割を果たしております。事業拡大に伴い同氏に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、現状において何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することができなくなった場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)自然災害・火災・事故

当社は、日本全国に支店・営業所及び2つの製作所を有しております。地震・台風等の自然災害により当社の施設が直接損傷を受けたり破壊されたりした場合に備え、事業継続計画を策定しております。また、これを各拠点の法令・安全衛生委員会が改善・更新を行っております。しかしながら、自然災害は予測困難であり、その影響は想定をはるかに超える可能性があります。従業員の就労不能、当社の製品に対する需要の低下、協力企業の被災による供給網・販売網等への混乱等、当社の事業遂行上、直接的または間接的に混乱等が生じた場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)重大な感染症の拡大

新型インフルエンザや新型コロナウイルス等に代表される感染症の拡大に対しては、従業員の健康と安全を第一とし、在宅勤務・時差出勤の推進や衛生管理の徹底により、感染拡大の抑え込みに努めることで損害を最小限に留めることとしておりますが、感染症の拡大により従業員の就労不能、景況の悪化、現場工事の停滞による出荷延期、供給網・販売網の混乱等が生じた場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)情報システム

当社は、販売、生産、経理、労務管理等において情報システムを利用しており、その重要性は増大しております。当社では、情報システム・情報通信ネットワークの安全性及び信頼性を確保するため、サーバーの物理的安全管理措置の強化やクラウド化などにより情報セキュリティの強化を実施しておりますが、コンピュータウイルス、ハッキング等その他要因によって情報システムの機能に支障が生じた場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)製品の欠陥・重大な品質クレーム・重大な生産トラブル

当社では生産する全ての製品について、関係法令・ルール等を遵守し万全の品質管理に努めております。当社では、全ての工場の設備の保守・更新等の予防保全に努めるとともに、監視カメラの設置等、設備の安全・保安管理体制等の強化を図っており、重大なクレーム等を受けたことはありませんが、将来において製品の欠陥・重大な品質クレームや重大な生産トラブルが発生した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)固定資産減損会計

当社は、事業用の資産など様々な有形・無形の固定資産を計上しております。これらの資産については得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しておりますが、今後の業績動向や時価の下落等によって、期待されるキャッシュ・フローを生み出すことが困難な状況になり、減損処理が必要となる場合があります。これらの処理が発生した場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)機密情報の管理

当社は、顧客の技術、研究開発、製造、営業活動等に関する機密情報を様々な形態で保持及び管理しております。これらの機密情報を保護するために情報セキュリティを強化し、その管理を行っておりますが、保有する機密情報が漏洩した場合、当社が損害賠償を請求されまたは訴訟を提起される可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)資金調達環境

当社の設備投資、研究開発などの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入及びその他資本市場からの資金調達です。当社に対する金融機関及び証券市場の信用が低下した場合や経済情勢が悪化した場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)外注委託

当社は生産性向上及び外部企業が持つ高いスキルを活用する等の目的で、外部企業に製造・加工を委託したり、物流、保守等の役務の提供を受けたりすることがあります。当社では外注先との取引関係をより強固にするために外注先社員の教育研修等の施策を実施しておりますが、今後、外注先の需給バランスの変化による外注先の要員の確保難や価格の高騰などが発生した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)気候変動等の環境への対応

当社が製造・販売する空調機器は、機械そのものがエネルギーを消費するため、製品のエネルギー消費効率を高めることが、脱炭素の実現に貢献することになります。また製品の製造から販売、運転・保守、廃棄に至るまでの事業活動のライフサイクルにおいて、環境負荷低減を図ることも重要です。

空調事業固有の課題である「温室効果ガス」への取り組みも重要と認識し、温暖化係数の低い冷媒の使用、機器のパッケージ化・システム化技術による温室効果ガスの使用量削減・漏洩対策にも取り組んでおりますが、「温室効果ガス」の使用及び排出の規制が、今後さらに強化された場合、さらなる製品開発の必要性や販売への影響が生じる可能性があります。

 

 

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