課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、ユーザーの要求する性能の製品を、タイミング良く、適切な価格で提供することを目指しております。そのような活動をすることで、最終的に社会に貢献することにつながると考えております。そのためには、全社員が先端の技術・情報を得るために、常に社是である「挑戦」の気持ちを持って行動しなければならないと考えております。今後もこの基本方針のもとに、多角的・グローバルな事業展開を積極的に行い、業績の向上を図り、企業価値を高めてまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループといたしましては、半導体製造装置及び搬送機器のプロセス機器事業を主体にしつつ、将来を見据えた事業展開を考えております。

 プリント基板製造装置(メッキ処理装置、回路形成装置など)の製造・販売を行っている株式会社ファシリティと紫外線照射装置の製造・販売を行っている株式会社クォークテクノロジー、これらの会社の技術や設備を活用し、半導体製造装置の共同開発、シナジー効果による成長を目指します。

 また、光学デバイスやディスプレイ、医療用途など様々な分野での活用が期待されるナノインプリント技術において、SCIVAX株式会社と業務提携契約を締結いたしました。提携を通じて、ナノインプリント量産用装置の開発・製造・販売を共同で展開し、事業拡大を図ってまいります。

 将来にわたる成長を実現させるための施策として、独自性のある装置(性能、コスト、サービス)を着実に作り上げることに全力を傾け、顧客ニーズに対応し売上高を伸ばしてまいります。さらに、事業を見据えた研究開発に焦点を絞り、その効率を高め将来の収益確保を実践してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの目標とする経営指標は以下のとおりであります。

 

2021年12月期

実績

2024年12月期

目標

売上高

22,001百万円

33,852百万円

経常利益

2,218百万円

4,641百万円

 なお、上記の数値は、2022年2月14日に公表いたしました「タツモグループ中期経営計画(TAZMO Vision 2024)」における将来に関する前提・見通し・計画に基づくものであり、実際の業績は今後さまざまな要因によって異なる可能性があります。

 

(4)経営環境

 当社グループが属する半導体業界におきましては、米中貿易摩擦の長期化や新型コロナウイルスの感染拡大などで先行き不透明であるものの、自動車向けなどの電子部品の需要が拡大し、設備投資への積極的な姿勢が見られました。

 また、コロナ禍で、海外出張が制限されたことにより、リモートによる営業や在宅勤務などITを利用した働き方の変更に取り組んでまいりました。

 このような状況のもとで、近年は液晶用カラーフィルター製造装置を主体とした体制から、半導体関連機器へ事業の中心を移しているところでありますが、ユーザーのニーズの変化や技術革新のスピードは速く、安定した業績を残すためには厳しい環境であることに変わりはありません。当社グループはユーザーの要求する性能の製品を、適切なタイミング・適正な価格で提供するため、技術部門とともに営業活動を行い、新規装置等の開発も進めてまいります。このような活動をすることで、安定した業績が残せる企業を目指してまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの属している半導体業界では、経営環境や需要供給の関係で好不況の波が激しく、当社グループの業績が大きく変化してきました。また、微細化への対応や多岐にわたる技術の採用に応える必要があります。そのためユーザーのニーズに対応した半導体製造装置や搬送装置などの当社製品を、タイムリーに供給できる体制が必要となり、これらに対して当社グループは、設計の見直しや生産管理の徹底により短納期を実現し、ベトナムなど海外子会社の生産体制を活用して一層のコストダウンを図り、経営環境の変化に強い体質を作る必要があります。

 開発型企業として、顧客の要望を製品にして提供するのではなく、顧客のニーズを早く掴んで提案するビジネスの比率を高める必要があると考えております。そのためには、研究開発に力を入れ、高品質で付加価値の高い製品を提供し、業績を安定させつつ、新たな事業に進出し成長させたいと考えております。2011年から2014年までの業績不振の反省を活かし、受注段階から利益優先の営業を実施し、全ての部門で確実に利益を上げ、自己資本を充実させて、好不況の波にも耐えられる企業体力をつけることを目指してまいります。

 企業価値の向上を図るため、CSR(企業の社会的責任)を重視した経営が不可欠と認識し、コーポレート・ガバナンス並びにその基盤となる内部統制システムの更なる強化に向けた取組みを推し進め、より透明性の高い経営に努めてまいります。

 当社グループにおきましては、2021年2月12日に発表いたしました「タツモグループ中期経営計画(TAZMO Vision 2023)」に基づき事業を展開してまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワーク等のIT関連の設備投資が堅調に推移しましたこと等により、2021年12月期は売上高、利益ともに計画を上回ることができました。また、2022年12月期においても、5G(次世代移動通信システム)、大容量サーバーやAIなどに関連した半導体の需要拡大に伴い半導体メーカーの積極的な設備投資が継続されると予想していることから、2022年12月期以降の目標値に変更が生じる状況となっております。当社グループといたしましては2021年12月期の結果と現在の経営環境を踏まえ、現行の中期経営計画を見直し、新たに「タツモグループ中期経営計画(TAZMO Vision 2024)」を策定し、継続的な売上拡大、利益拡大に努めてまいります。

 当社グループは財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主の皆様に対する利益還元を重要課題の一つとして位置づけております。内部留保資金は研究開発や財務体質の強化に充当しながら、業績、今後の事業計画、配当性向などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続実施することを基本として、配当性向20%の実現を目指してまいります。

 

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