当社グループは、「独創的なモーションコントロール技術で、移動・生活空間に安全・安心・快適を提供します」との企業理念のもと、利益ある成長の姿を研究開発活動のゴールに設定し、事業戦略と連携した研究開発計画を立案して研究開発に取組んでいます。
研究開発投資については、既存事業の競争力強化や収益力強化につながる事業戦略上の開発テーマと、成長分野における新商品や新事業の創出・育成のための開発テーマに資源を集中させています。研究開発の推進体制は、技術本部を統括部門として、企画・実行をカンパニー各社、連結子会社を中心として技術本部もその一部を担当しています。開発活動で重視していることは、顧客とエンドユーザーのニーズに直結した独創性のある競争力の高い製品を提供することです。また、持続可能な社会を実現するため、製品重量減や効率向上等気候変動に関する環境配慮製品の開発を進めています。
なお、当連結会計年度の研究開発のための費用は
セグメントごとの研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりです。
(1) コンポーネントソリューション事業
精機カンパニー、パワーコントロールカンパニーが中心となって、精密減速機及び同システム、建設機械用油圧機器及び同システム開発等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、産業用ロボット向けRV-Zシリーズの機種開発(Nabtesco ECO PRODUCT認証)、「精密減速機RV」をベースにした一般産業用途向けギヤヘッドシリーズの開発、AGV駆動ユニットのシリーズ開発、建設機械用省エネポンプ・バルブシステムの開発、建設機械用走行/旋回ユニットのラインアップ強化、建設機械のICT化・電動化に対応した機器の研究です。当事業に係る研究開発費は、
(2) トランスポートソリューション事業
鉄道カンパニー、航空宇宙カンパニー、舶用カンパニー及びナブテスコオートモーティブ㈱が中心となって、鉄道車両用ブレーキ装置及び同ドアシステム、航空機用油圧制御機器及び同システム、舶用エンジン制御システム、商用車用ブレーキや乗用車用クラッチの各種装置・機器の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、グローバル市場向け鉄道車両用ブレーキ制御装置・機器の開発、グローバル市場向け鉄道車両用ドア開閉装置のシリーズ開発、ボーイング777X向けフライト・コントロール・アクチュエーション・システムの開発、次世代型舶用主機関制御システム(第五世代Eco制御システム)の開発、燃費改善など環境負荷低減に寄与する舶用主機関向け新型リモコン(M-800-Ⅶ)の開発、最新の環境規制に対応した出力制限搭載の主機ガバナの開発、従来の商用車用エアブレーキ機器の開発に加え車両の電動化に対応した電動コンプレッサーの開発、既存バスの安全性向上に寄与する後付け非常ブレーキシステム(EDSS)の開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(3) アクセシビリティソリューション事業
住環境カンパニーが中心となって、建物用自動ドア、プラットホーム用可動柵やスクリーンドア、福祉機器等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、高付加価値自動ドアの開発、鉄道駅舎プラットホーム向けの可動式ホーム柵及びスクリーンドアの開発、高付加価値歩行車・義足製品の開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(4) その他
PACRAFT㈱、シーメット㈱、及びティーエス プレシジョン㈱が中心となって、自動充填包装機、光造形システム(3Dプリンター)、金属塑性加工機械等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、包装容器の変化に対応する製品、生産性向上要求に応える包装機、周辺の省人化・自動化装置の開発、光造形3Dプリンター向け新樹脂材料や砂型3Dプリンター及びその材料等の研究開発、多品種・工程集約・省スペース・環境対応のCVJ複合加工機の開発、遠隔保守、予防保全等のIoT機能に対応可能なフォーミングマシン(新SF)の開発、EV関連部品(モーターコイル、バスバー等)の生産効率改善に関する加工技術研究、風力発電機向け故障回避機能付き状態監視機器と診断サービスの開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(5) コーポレート部門
コーポレート部門では、グループ全体に共通する基盤要素技術や新事業分野に係る研究開発活動、大学・研究機関及び他企業と共同研究開発活動等を積極的に行っています。コーポレート部門に係る研究開発費は、1,835百万円です。
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