有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況について
当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、米国、中国、その他アジア等の国及び地域の経済環境の動向、特に設備投資の動向は、当社の売上高に影響を及ぼす可能性があります。事業活動が特定の国及び地域に過度に偏ることのないよう、国内も含めた適度な分散が重要だと考えております。一方、2020年1月に顕在化した新型コロナウイルス感染症は、これらの国及び地域を含み世界的に流行しており、経済活動に大きな影響を与えています。これらの国及び地域において、新型コロナウイルス感染症の収束の時期、経済活動が正常化する時期など、経済環境の動向は不透明であります。
当社グループは製造工程における内製比率が高いため、売上高の減少は営業利益の減少を引き起こします。その影響度を引き下げるべく、内製比率の低減や固定費の変動費化を進めております。
(2)市場競争について
当社グループは、事業を展開する多くの市場において他社との激しい競争下にあります。減速機事業においては、市場成熟化に伴い価格競争が激しくなっているほか、海外メーカーの品質も向上しており、差別化を図ることが難しくなってきております。歯車事業においては、国内外の競合メーカーとの価格競争が激化しております。価格競争の結果、失注したり値下げを実施したりすると、売上高の減少や、営業利益の減少を引き起こします。
今後も市場競争は継続するものと予想されますが、製造及び販売コストの削減や新製品の開発によって、かかる競争に対処しております。しかしながら、一部の競合他社は当社グループよりも多くの経営資源を有しているほか、新たな競合先の台頭や競合先間の提携が行われ、市場競争が激化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業展開について
当社グループは、海外におきましても事業を展開しており、市場の動向、各国特有の製品規格規制や労働事情に関するリスクだけではなく、各国の治安状態の悪化、政治情勢の変化等により事業活動が制約されることが考えられます。特に戦争や内乱、テロ、感染症等が発生した場合には、事業活動を停止せざるを得ない事態も想定され、こうした場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループ事業に関連する諸外国間の経済摩擦等の状況によっては、さらなるコスト増加など、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
海外事業を展開する国及び地域の政治、経済情勢等の情報収集に努め、リスクを低減または回避する活動が重要だと考えます。また事業活動が特定の国及び地域に過度に偏ることのないよう、国内も含めた適度な分散が重要だと考えております。
(4)為替相場の変動について
当社は、米ドルや韓国ウォン、中国元等の外貨建ての製品及び部品輸出を行っており、海外売上高比率は、2019年3月期20.5%、2020年3月期19.4%、2021年3月期23.2%であり、一定の為替変動の影響を受けております。このため、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、中国元につきましては、輸入による仕入れがあるため、輸出売上と一部相殺され、営業利益に対する為替相場の変動リスクを和らげる効果があります。
為替相場の変動が売上高、営業利益に与える影響につきましては、2021年3月期の実績をもとに算出すると、次の通りとなります。いずれも円高の場合、売上減、営業利益減の影響となります。
|
変動幅 |
売上高(百万円) |
営業利益(百万円) |
米ドル |
1ドル1円当たり |
11 |
11 |
韓国ウォン |
1ウォン0.001円当たり |
7 |
7 |
中国元 |
1元0.1円当たり |
6 |
0 |
(5)新製品開発について
当社グループは、顧客要求・市場分野・競合他社の開発動向を慎重に調査した上で、新製品や新技術の研究開発活動を行っております。しかし、顧客の満足を得られる新製品又は新技術を正確に把握できるとは限らず、期待された効果が得られないなど、様々な要因により研究開発活動の成果が得られない場合には、将来の成果と収益性を低下させ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料価格の変動について
当社グループは、減速機及び歯車製品に使用する鋼材のほか、減速機のケース生産に使用するアルミ、モータ用の銅線などの素材を使用しております。国際的な需給関係により、これらの素材価格は大きく変動することがあり、素材価格の値上がりは製造原価を押し上げます。それによって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の減損について
当社グループは、減速機・歯車を製造するメーカーであり、各種製造設備を保有しております。減速機事業及び歯車事業のセグメント単位で業績管理しており、十分な利益確保を目指していますが、それぞれの事業の業績によって、対象となる固定資産の減損の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)品質管理について
当社グループは、高品質な製品を提供するために、「安心の品質づくり」を基本理念に、全社をあげて品質管理に取り組んでおります。しかし、すべての製品・商品に欠陥や品質問題が発生しない保証はなく、予期せぬ欠陥及びリコールが発生するなどの重大な問題が発生し、多額のコストを要した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)ITシステム及び情報セキュリティについて
当社グループは、生産管理・販売管理及び財務管理等の基幹業務に関する情報をITシステムにより管理しております。情報管理、情報セキュリティ、設備保全には、リスク情報収集やリスク分析により万全を期しておりますが、何かしらの障害や外部からのサイバー攻撃等によるシステムの停止または異常は生産活動を始め、様々な業務に影響をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)法的規制について
当社グループは、国内・海外において様々な法令や規制の適用を受け、これらを遵守すべく内部統制の仕組みの強化とリスク管理体制の整備や全従業員に対するコンプライアンス教育を進めています。万が一、これらに違反する事実が生じたり、予期せぬ法改正や当局の法令解釈の変更等が行われた場合は、当社グループの事業活動が制限され、その対応にかかるコスト増加により、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)環境問題について
当社グループは、環境に関する法令を遵守し、工場環境整備に努めております。しかし、将来的に環境に関する規制は一層厳しくなる可能性があり、その場合、対策のための費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害について
当社グループは、愛知県安城市に本社を置き、同市内に生産工場が集中しております。また、中国では常州市に生産拠点を置いております。地震や風水害に備えた対応をとっており、被害最小化及び早期復旧の観点から対策を継続的に見直しております。しかし、想定を超える規模の自然災害が発生した場合には、一定の被害を受け、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)戦争・テロ・伝染病・感染症・ストライキ・その他社会的混乱につい て
当社グループが事業を展開する国や地域には、戦争・テロ・伝染病・感染症・ストライキ・その他予期せぬ要因による社会的混乱のリスクがあります。これらのリスクに対しては、グループ内の連携により情報収集に努めておりますが、これらの事態が発生した場合、事業活動に対する影響や、当社グループ資産及び従業員が被害を受けるなど、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症に関しましては、国内におけるワクチン接種が開始され、経済活動は回復傾向にあるものの、変異株の発生などもあり、未だ予断を許さない状況にあります。
当社グループは全社一丸となり、マスクの着用、手指の消毒、定期的な換気の徹底などをはじめ様々な感染防止策を行うことで事業への影響の低減を図っておりますが、これらの対策にも関わらず当社グループの役員・従業員の感染の可能性は完全に排除できず、万が一感染者が多く発生した場合、操業停止等の対応を余儀なくされる可能性があります。
また、サプライチェーンの停滞、顧客企業の事業活動停止や縮小により、材料調達、製造、物流、販売活動に支障が生じる可能性があり、これらの要因は当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
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