課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

当社グループの企業理念として、以下を掲げております。

○ MISSION 今を越える発想で、健やかな環境と暮らしを次世代へ。

○ VISION  社会と地球が調和する未来を支える。

○ VALUE   踏み込む。挑む。やり抜く。

○ SLOGAN  Keep the Earth Sky-blue

 

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VISIONは、当社グループが実現したい未来であり、人が住みやすく、暮らしやすく、安心し、健やかなる環境が続いていく世界です。MISSIONは、VISIONを実現するために当社グループが果たすべき使命・存在価値です。将来の漠然とした不安の解消、お客様に寄り添って考えていきたいという想い、新しいことへの挑戦心、幅広いラインナップの強み、やり抜くDNAなどを表現しております。VALUEは、MISSIONを遂行する上で当社グループがお客様に約束する価値・強みであり、核心に踏み込み、期待を超えた価値の実現に挑み、最後まで誠実にやり抜きます。SLOGANは、企業理念を包含する合言葉です。以上の価値を発揮することで、当社グループは健やかな環境と暮らしづくりを支えます。そして、この企業理念の根底には、神戸製鋼グループの企業理念である「KOBELCOの3つの約束」、その行動指針である「KOBELCOの6つの誓い」があります。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、次のビジネスを重点事業領域として位置付けております。

① 水処理関連事業

② 廃棄物処理関連事業

③ 化学・食品機械関連事業

なお、各事業の主要な製品は「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載しております。

「水処理関連事業」は、主として、官公庁向けに、上下水処理設備の供給、そのメンテナンスや運転業務など、民間事業者向けに工業用水処理設備や工業用・地域冷暖房用冷却塔などを供給しております。

「廃棄物処理関連事業」は、主として、官公庁向けに、廃棄物処理施設の建設、そのメンテナンスや運転業務などを供給しております。

「化学・食品機械関連事業」は、主として、民間事業者向けに自社工場にて製造した機器、そのメンテナンスや部品を供給しております。

「水処理関連事業」「廃棄物処理関連事業」は、環境に関わる事業領域で広く積極的に活動を展開しており、神戸製鋼グループのエンジニアリング事業の一翼を担っております。

その活動の基本的な考え方は、「水」「廃棄物」を通じて、当社が保有している幅広い知見を、社会や企業の発展のために、最大限役立てたいというものであります。水処理・廃棄物処理での多くの特長ある技術を保有しており、これらをお客様のニーズに合わせて組み合わせ提供することにより、環境に優しい地域作りを優れた経済性で実現することが可能になります。世界規模で地球温暖化防止や循環型社会の構築が重要な課題となっており、その解決のため当社グループの果たすべき役割・使命は今後さらに大きくなると考えております。

「化学・食品機械関連事業」は、創業以来多くのお客様のものづくりに貢献してきたグラスライニング製機器などの製造・販売により人々の暮らしに寄与してまいりました。高品質なものづくりが求められるファインケミカル、医薬品、電子材料、食品などの分野で貢献してまいります。また、水素は次世代エネルギーとして注目されており、当社の高純度水素発生装置は、低炭素社会の実現に貢献いたします。

 

(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、水処理及び廃棄物処理の環境関連事業に係る国内公共投資は、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」などにより、当面、堅調に推移すると考えられる一方で、人口減少・広域化・官民連携などの市場変化への迅速な対応が必要であると認識しております。水処理関連事業及び化学・食品機械関連事業に係る国内の民間設備投資の動向については、継続して新型コロナウイルス感染症の影響に十分に留意する必要があると認識しております。

海外においては、米国と中国の対立や引き続き新型コロナウイルス感染症による影響などの海外リスクが懸念され、全体として、不透明感が増す傾向にあると思われます。そのような中で、東南アジアの新興国では、上水道を中心とした水処理関連インフラの整備や大規模工業団地の排水処理などの需要は継続しております。

さらに、国内外ともカーボンニュートラルへの社会変革の中、環境負荷低減につながる投資が拡大していくと考えております。

このような認識のもと、当社グループでは、2021年度から2023年度までの新中期経営計画を策定しました。この3年間を次のステージへの飛躍に向け足場を固める期間と定め、全ての役員・従業員が価値観や目標を共有し、以下の基本方針に基づき取り組みを進めてまいります。

 

<基本方針>

両利きの経営(既存事業の競争力強化・成長分野への積極投資)による持続的成長の実現

   ~既存事業で安定収益基盤を確保しつつ、成長分野へ積極的に踏み込むことで

                                持続的成長を実現する~

 

<2023年度 数値目標>

 連結売上高    1,100億円

 連結経常利益     60億円

 

<目標経営指標>

   ROA(総資産利益率)   5%以上

 

 基本方針として掲げました「既存事業の競争力強化」として、CO₂削減につながる下水汚泥や廃棄物をエネルギー源とした発電などの事業展開、また、化学・食品機械関連事業におけるオンリーワン技術の追求及びグローバル市場を含めた事業拡大への基盤づくりに取り組みます。

 同じく基本方針として掲げました「成長分野への積極投資」として、海外における上水道整備、廃棄物発電などに取り組むとともに、CO₂削減や再生可能エネルギーの利用拡大等、地域・お客様の課題解決に役立つコア技術の提供、新規事業の推進を展開してまいります。機能性表示食品の販売を開始した藻類事業においては、更なる潜在的な機能性の追求に注力し、顧客拡大に努めてまいります。また、クリーンエネルギーとして注目を集めている水素の利活用においては、他社と共同で「再エネ洋上水素製造・供給インフラ整備」の検討を開始しました。

 足元では、当社グループが施設の建設や運転維持管理業務を行っている水処理施設や廃棄物処理施設は、経済活動や市民生活を支える重要なライフラインの一つであり、新型コロナウイルス感染症による行動制限が継続する中においても、感染症予防に万全を期し、社会インフラを支える使命感をもって、施設の建設や運転維持管理に尽力してま

いります。

 当社グループは、コーポレートガバナンス体制の充実を経営上の最も重要な課題の一つと位置づけ、適切なリスクテイクを支える経営管理組織の整備、経営監視体制の強化、コンプライアンスの徹底に取り組み、事業環境の変化に的確に対応しながら事業を推進するとともに、企業価値の向上を目指してまいります。

 また、安全衛生への取り組み、品質・環境監視委員会を中心とした品質保証並びに環境保全への取り組みを更に強化してまいります。継続して、業務効率の向上、コストダウンの徹底、研究開発の効果的・効率的な推進等の収益強化策を実行し、経営体質を強化するとともに、デジタルトランスフォーメーション(DX)を核とした働き方改革や

ダイバーシティを更に推進してまいります。

 当社グループにおける事業活動の多くが、国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」と深く関わっております。日本がSDGsアクションプランにおいて掲げる優先課題への取り組みとして「持続可能で強靭なまちづくり、環境インフラの国際展開、再生エネルギーの導入促進」など当社グループの事業と関連する技術が注目されており、事業を通じて「持続可能な社会」の実現に貢献してまいります。

 また、昨年、政府より2050年カーボンニュートラル宣言があり、脱炭素社会への転換に向けた様々な環境問題に係わる対策がなされることになりました。当社グループの使命はそれらに積極的に取り組み、持続可能な社会づくりに貢献し続けることであると認識し、社会と地球が調和する未来を支える当社グループビジョンの実現を目指し、事業展開を推進してまいります。

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(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループは、セグメント毎の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下、KPI)を定めておりません。上記の通り、2020年度までの現行中期経営計画における最終年度の数値目標は、連結売上高 1,100億円、連結経常利益50億円であり、目標とする経営指標は、ROA(総資産利益率)5%以上、D/Eレシオ(負債資本倍率)1.0倍以下でありました。数値目標、経営指標の全項目において達成いたしました。

 セグメント毎等のKPIにつきましては、今後、必要に応じて、各セグメントの評価に相応しい指標の導入を検討して参ります。

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