当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 主力事業のリノベーション、海外展開・新規事業での着実なビジネスの拡大に関連する事項
① 国内事業
・公共工事が売上の重要な割合を占めており、公共投資動向の変化や入札参加資格の要件(工事実績、技術、人材、安全成績等)を満たす必要があり、市場動向に注視するとともに、コンプライアンス体制の強化、安全衛生、品質保証、環境保全への取り組みについては、常時、意識すべき経営課題と認識しております。公共工事、建設工事は、資格の保有が要件とされることが大半であり、人材確保、人材育成も重要な課題であります。それらの課題解決に取組んでまいります。
・建設案件は、環境負荷低減等に対して求められる技術水準が高度化しており、対応する必要があるものの、開発や技術検証にコスト負担が大きく、また、競合他社との競争も加わるなか、設備納入のみならず、設備納入後の施設を安定的に運転維持管理するアフターサービスの充実を図り、長期間に亘り、収益を獲得することが重要となっており、その取組みを継続して強化してまいります。
② 海外事業
・海外市場における事業展開は、各国の情勢、法規制変化、為替変動などが業績に大きく影響し、また、大型プロジェクトにおいては、実施体制の不備等がコストアップ要因につながります。案件を推進するうえで、ベンダーの特性把握及び選定基準の整備、並びに対応要員の育成への注力が課題となっております。その他、海外プロジェクト特有のリスク対応力を備える必要があり強化してまいります。
・海外関係会社等で現地要員を雇用しておりますが、定着して業務をするためには、各国慣習等に見合った就業管理やコミュニケーションが重要であります。様々な意見を取り入れながら、相応しい制度作りが重要と考えており、取組んでまいります。
・海外取引先との契約は、商取引上で考慮すべき事項が多いなか、極めて慎重に対応する必要があり、現地の法律専門家等のアドバイスを受け、適切な契約の締結に留意しております。
③ 子会社等が実施する事業
・廃棄物処理の最終処分場運営や木質バイオマス発電事業について設備投資を行って展開しておりますが、法規制の変化、市場環境の変化、許可等の継続取得などが、今後の事業継続に大きく影響します。子会社が立地している状況のほか、当社グループにおいて、全体観をもって留意しております。
・大型の公共事業案件は、施設建設後、当該施設の20年間程度の運転維持管理を特定の事業専任会社(SPC)を設立出資して、実施というケースが増加しております。各々のSPCが一法人として運営する必要があり、当社グループの内部統制の充実を図ってまいります。
④ 資機材調達コストの変動
・市況環境の変化等による需給バランスの変化、特に海外調達品は、逐次情報入手が必要であります。また、労働市場を含め市場価格・調達価格の変動に留意する必要があります。
⑤ クレーム対応
・品質管理体制を構築し、製品の品質と安全性の維持に取組んでおります。万一、製品の品質と安全性に問題が生じた場合には、納入先の損害等が極小化するよう速やかに取組む必要があると認識しており、適宜対応しております。
(2) 当社グループ共通事項
① 災害・事故等の発生
・近年、台風・地震・大雨等、大きな自然災害が増えつつあると認識しており、従業員等の安全確保、安否確認等が重要となっております。また、納入した施設への被害の有無の把握や、被害があった場合に迅速な対応が必要と認識しております。体制を含め、適切に対応してまいります。
・海外の事務所・子会社において、治安状況や交通事情は、国内とは異なっており、当該国に応じたリスク管理が必要と認識しており、外部からの知見取得を含め、適切に対応してまいります。
② 法規制等の変化への対応
・法規制の変化への対応は、事業継続のうえで極めて重要であり、直接事業に関する法規制のほか、会社法をはじめとしたガバナンス関連、労働法関係、財務等の開示規程等、速やかに変化に対応していきたいと考えております。
③ 少数株主保護
・議決権の80%超を株式会社神戸製鋼所が保有していることから、少数株主保護に留意する必要があります。独立役員や少数株主の意見等を尊重し、親会社との利益相反が生じない会社運営が重要であり、独立役員数の拡充や多様化についても、常に留意しております。2020年6月の株主総会後の取締役会の構成は、取締役8名中3名が独立社外取締役であり、2021年6月の株主総会において、取締役に女性1名が選任されました。
④ 情報セキュリティ
・従業員等にPC、業務用のスマホ等を貸与しており、メールなどを通じて外部との接触のケースが多く、情報セキュリティが極めて重要となっております。外部からホストコンピューターへの侵入も想定する必要があります。時代経過とともにセキュリティをすり抜ける方法は、巧妙になっており、常時、配慮しております。
(3) 新型コロナウイルス感染症に関連する事項
① 従業員等の新型コロナウイルス感染リスク低減への取組み
・日本国内におきましては、勤務において、時差出退勤、可能な範囲内での在宅勤務を実施、国内外の出張の原則禁止、従業員等の健康管理においては、マスクの常時着用や手洗い、うがいの徹底、「3密(密閉・密集・密接)」を避ける/ソーシャルディスタンスをとって行動すること、休日/不急の外出自粛の呼び掛け等で感染拡大防止策に取り組んでおります。また、新型コロナウイルス全社対策本部を立ち上げ、定期的な会合を開催し、より効果的な感染防止対策実施、グループ会社内の感染状況把握、並びに、感染確認時においては、所管 保健所の指導に基づき対応しております。在外事務所・子会社におきましては、各国政府の指示に従い、感染拡大防止を最優先に取組んでおります。
② 事業活動への影響に関する取組み
・新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないなか、事業活動への影響は極めて不透明であります。当社グループの主要な売上は、国内官公需や産業用設備投資に大きく影響を受けることから、それらの動向に留意する必要があります。
短期的には、受注済案件の業務を着実に推進する必要がありますが、資材や機器類の調達において、国内外のサプライチェーンに支障が出る場合、工事進捗等に影響を受けると考えており、今後の動向の把握や情報のやりとりに十分留意してまいります。
中長期的には、新型コロナウイルス感染症の影響は長期化すると予想されており、今後の公共投資や民間設備投資の動向に留意する必要があります。国内外とも経済動向に大きな影響を与えると考えられるなか、環境保全や再生エネルギー活用等に関わる政策の方針転換や執行時期の変化の有無に留意してまいります。
なお、上記以外に現時点では予測できない事象の発生により、経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
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