課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものである。

 

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」において、①イノベーションによる価値創造、②事業改革による成長戦略、③成長のための構造改革の3つの成長戦略に取り組んできた。この間、建設・鉱山機械の需要は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行などの影響により、最初の2年間で大きく落ち込んだが、当連結会計年度はその反動から回復に転じた。需要変動が大きい中にあっても、成長戦略に基づく重点活動を着実に遂行し、当連結会計年度の業績は、過去最高の売上高となり、営業利益率も前連結会計年度より改善した。また、当連結会計年度は、大きな社会課題である温暖化対策に向けて、お客様や技術パートナーとの協業による電動化技術開発の推進体制を構築する一方で、石炭関連のコンベア事業売却などの構造改革も行った。この他、デジタルトランスフォーメーションを通じた建設現場の生産性、安全性、環境性の向上に貢献するため、当社を含めた4社合弁により、株式会社EARTHBRAINを設立するなど、今後の更なる成長の土台作りに一定の成果を出すことができた。

 

<存在意義、価値観、ブランドプロミス>

 2021年は、当社の創立100周年の年として、改めて、当社の存在意義(ミッション、ビジョン)、価値観及び、お客様を含むすべてのステークホルダーへの約束としてブランドプロミスを定義した。

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存在意義(ミッションとビジョン):

 ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、

 人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く

価値観:

 挑戦する、やり抜く、共に創る、誠実に取り組む

ブランドプロミス:

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 これらを実現するための基本的な考え方が、当社グループの経営の基本、つまり、「品質と信頼性」を追求し、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化することである。そして、これを実行するための戦略が中期経営計画となる。

 

<新中期経営計画:「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth 」>

 当社グループは、2022年4月より、新たな3カ年(2022年度~2024年度)の中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 をスタートした。建設・鉱山機械需要は、中長期的には緩やかな成長が見込まれるものの、短期的には、様々な外部環境リスクの影響により、ボラティリティ(変動幅)は高くなるものと見込まれる。産業機械他事業においては、旺盛な半導体需要の継続やEV(電気自動車)化による自動車産業の構造変化が見込まれる。

 また、気候変動・脱炭素などのサステナビリティのインパクトがこれまで以上に高まる中、当社グループは、2021年、持続可能な社会の実現と事業継続性の向上に関する指針「サステナビリティ基本方針」を策定し、更に、温暖化対策と事業成長の両立を目指すチャレンジ目標「2050年カーボンニュートラル宣言」を打ち出した。

 こうした背景の下、当社は、中期経営計画における成長戦略を通じて、「安全で生産性の高い、スマートでクリーンな未来の現場をお客様とともに実現する」という目指すべき姿に向けて、ダントツ商品(製品の高度化)、ダントツサービス(稼働の高度化)、ダントツソリューション(現場全体の最適化)が三位一体となるダントツバリュー(新たな顧客価値)の創出に取り組み、収益向上とESG課題解決の好循環サイクルによる持続的な成長を目指す。

 

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<成長戦略3本柱と重点活動>

 新中期経営計画では、前中期経営計画から引き続き、サステナビリティを重視し、新たな成長戦略の3本柱として、①イノベーションによる成長の加速、②稼ぐ力の最大化、③レジリエントな企業体質の構築を掲げた。成長分野における価値創造のための重点投資を継続するとともに、既存分野における収益機会の最大化により、収益性の更なる向上を図り、需要変動に左右されにくい事業構造の構築を進めていく。更に、これらの活動を下支えする経営基盤については、事業運営の効率性の向上及び外部環境リスクへの対応力を高めていく。

 

新中期経営計画の基本的な考え方

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成長戦略3本柱

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成長戦略における主な重点活動

1.イノベーションによる成長の加速

現場を最適化する新たな顧客価値の創造

・DXスマートコンストラクションの推進、海外展開

・鉱山用オープンテクノロジープラットフォームによる事業推進

・プラットフォームと親和性の高い高度化した商品開発・市場導入

カーボンニュートラルに向けた価値(モノ・コト)づくりの挑戦

・電動化機械の開発・市場導入

・スマート林業の普及・拡大

・地球環境負荷ゼロ工場

2.稼ぐ力の最大化

成長市場におけるプレゼンス拡大

・アジア・アフリカ市場への取り組み強化

・林業機械事業、坑内掘りハードロック事業の拡大

・アフターマーケット事業の拡大

バリューチェーンビジネスの進化による更なる成長

・データ・ドリブン・ビジネスモデルの構築

・ライフサイクルサポートビジネスによる差別化の推進

・リマン・リビルド事業の拡大

3.レジリエントな企業体質の構築

効率的な事業運営とリスクマネージメントの強化

・環境変動に強い生産調達体制の強化(マルチソース比率の拡大)

・経済安全保障リスクのアセスメントと体制の整備

・グローバルなブランド戦略の展開によるコーポレートブランドの強化

多様性に富む人材基盤の充実化

・ダイバーシティ&インクルージョンの推進

・多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上

・デジタル人材、オープンイノベーション推進人材の育成

 

 

<成長戦略を通じたESG課題解決>

 当社は、サステナビリティ基本方針に基づき、事業活動を通じて社会に貢献していくことを目指している。新中期経営計画では、持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」17のゴールの中から、当社グループの重要課題(マテリアリティ)と特に関連性の高い10のゴールを新たに選定した。

 更に、成長戦略3本柱を通じたESG課題解決を着実に遂行していくために、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定し、その達成状況を把握し、統合報告書で開示していく。

 

 

SDGsとの関係

マテリアリティ(重要課題)

ESG課題の解決に向けた活動テーマ(主なKPI候補)

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ジェンダー

平等

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パートナー

シップ

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働きがいと

経済成長

 

 

 

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不平等を

なくす

 

 

 

[社員][人権]

・労働安全衛生

・エンゲージメント向上

・D&I推進

・能力開発

・人権の尊重

安全で安心して働ける職場環境づくり

(労働災害関連指標)

社員エンゲージメントの向上

(エンゲージメントサーベイスコア)

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

(女性、障がい者比率)

個人の能力開発と事業成長の実現(DX・AI人材教育)

人権デューデリジェンスの推進(実績開示)

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産業と

技術革新

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パートナー

シップ

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まちづくり

 

 

 

 

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つくる・

つかう責任

 

 

 

[顧客][倫理・統治]

[地域社会]

・ソリューション提供

・製品安全・品質

・ガバナンス

・コンプライアンス

・地域社会への貢献

スマートコンストラクション推進による建設現場の

生産性向上(導入現場数)

持続可能な資源開発を実現する製品・ソリューションの提供(AHS累積導入台数)

顧客現場の安全性・生産性向上ソリューション:技術開発

(自動化、安全装置 開発ステージ)

環境・需要変動に対応力のあるバリューチェーンの構築

(アフターマーケット事業:売上伸び率、マルチソーシング比率)

ガバナンスの充実、コンプライアンスの徹底(実績開示)

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クリーン

エネルギー

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気候変動

への対策

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産業と

技術革新

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陸の豊かさ

 

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つくる・

つかう責任

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パートナー

シップ

[環境]

・低炭素・環境負荷低減へのソリューション開発

・資源循環

・エネルギー使用量の低減

・事業を通じた森林保全への貢献

地球環境負荷ゼロ向上(CO2低減、再エネ使用、水使用量)

顧客現場におけるCO2排出削減

(製品使用のCO2低減、電動化建機開発)

持続可能な循環型林業を支援するソリューション提供

(林業機械事業関連指標:売上伸び率、植林、スマート林業等)

循環型ビジネス(リマン)の促進

(リマン事業:売上伸び率)

 

<2025年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標>

 経営目標については、業界トップレベルの「成長性」、「収益性」、「効率性」、「健全性」とともに、「ESG」の経営目標を継続する。ESGについては、新たに、2050年カーボンニュートラルをチャレンジ目標として追加した。「株主還元」については、成長戦略への重点投資を優先しながら、引き続き安定的な配当の継続に努め、連結配当性向を40%以上とする。

 

項目

経営指標

経営目標

成長性

・売上高成長率

・業界水準を超える成長率

収益性

・営業利益率

・業界トップレベルの利益率

効率性

・ROE*1

・10%以上

健全性

・ネット・デット・

エクイティ・レシオ*2

・業界トップレベルの財務体質

リテール

 ファイナンス事業

・ROA*3

・ネット・デット・

エクイティ・レシオ*2

・1.5%-2.0%

・5倍以下

 

ESG

・環境負荷低減

CO2排出削減:2030年50%減(2010年比)

2050年カーボンニュートラル(チャレンジ目標)

・再生可能エネルギー使用率:2030年50%

・外部評価

・DJSI*4選定(ワールド、アジアパシフィック)

・CDP*5 Aリスト選定(気候変動、水リスク)

 

株主還元

・連結配当性向

・成長への投資を主体としながら、株主還元(自社株買いを含む)とのバランスをとる

・連結配当性向を40%以上とする

*1 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)

*2 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本

*3 ROA=セグメント利益/((期首総資産+期末総資産)/2)

*4 ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ:米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が提供するESG投資指標

*5 企業や政府が温室効果ガス排出量を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体

 

 

<サステナビリティ>

 当社は、従来より、ESGを重視した経営を行うことを宣言し、安全に配慮した高品質・高能率な商品・サービス・ソリューションの提供など、事業活動を通じたESG課題の解決を目指してきた。今後も、世界的な気候変動や様々な外部環境の変化に柔軟に対応し、サステナビリティ課題への解決を目指す。

 

サステナビリティ基本方針の策定

 当社は、2021年4月に100周年を機に、当社グループの「コーポレートアイデンティティー」を定め、当社の存在意義を「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」として明文化した。この存在意義の下、気候変動や社会の要請に対して誠実に対応する姿勢を明示し、更なるサステナビリティ経営の推進を目指すため、2021年12月にサステナビリティ基本方針を策定した。

 今後も、本方針に掲げたとおり、持続可能な社会の実現と事業の成長のために重要な課題に取り組むことにより、ESG課題の解決と収益の向上の好循環を加速し、SDGsの達成に貢献していく。

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2050年カーボンニュートラル宣言

 中期経営計画では、2030年までにCO2排出量の50%削減(2010年比)と、再生可能エネルギーの使用比率を50%とすることを経営目標としている。2030年の目標達成をマイルストーンとし、その延長として、当社は2050年までにCO2の排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目指すことを2021年9月に宣言した。カーボンニュートラルとするために、当社は、CO2削減の取り組み対象を、自社の拠点、自社の製品使用時に留まらず、お客様の現場全体にも拡げる。スマートコンストラクションの進化などによる施工の最適化や、植林・育林・伐採の循環型林業を支える林業機械事業、及びコンポーネントを再生・再利用するリマン事業といった循環型ビジネスを更に強化していくことで、社会のCO2削減にも貢献し、ダントツバリュー(顧客価値創造を通じたESG課題の解決と収益向上の好循環)の実現を図っていく。

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 特に、当社のサプライチェーン全体のCO2排出量のうち約8~9割を占める製品使用時に対しては、燃費低減や製品効率改善に加えて、すでに有しているハイブリッドやディーゼルエレクトリックなどの技術の更なる強化と、燃料電池(FC)や水素エンジンなど新たな技術の採用により、環境負荷の低減を進める。このような「モノの改善」に加え、お客様の現場のあらゆる業務、施工の最適化を図ることで、車両台数の削減や車両の稼働時間の短縮などにより、CO2排出量を減らす「コトの改善」も進める。2050年カーボンニュートラル宣言の中では、こうした製品によるCO2削減のロードマップを示した。

 

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 生産拠点からのCO2排出削減については、生産技術改革によりエネルギー消費を削減する省エネ、自社で再生可能エネルギーを創る創エネ、そして再生可能エネルギーの購入の優先順位で取り組みを進める。2021年8月には100%子会社で林業機械の製造販売を行うコマツフォレスト株式会社(スウェーデン・ウメオ、以下「コマツフォレスト」)において新工場を竣工し、生産を開始したことを発表した。新工場は、従来ウメオ市内中心に点在していた生産工場を一カ所に集約し、生産工程及び物流のレイアウトの最適化を図っている。更に当社グループで初めてAGV*を活用した自動牽引組立ラインの導入をはじめとする新たな生産技術を織り込み、加えて、約19,000㎡の太陽光パネルの設置や地熱を活用した暖房設備など、再生エネルギー設備を導入した。

* AGV:Automated Guided Vehicle(無人搬送台車)

 

 また、当社グループは、循環型ビジネスを更に強化していくことで、社会のCO2削減にも貢献することを目指している。その取り組みの一つとして、林業ビジネスにおいては、伐採だけでなく植林や育林も含めた持続可能な循環型林業を掲げている。危険な作業を機械化することにより、安全性や生産性向上に貢献する機械化林業や、ドローンで計測した木の本数や成長度合いなどのデータを分析し、森林管理に活かすスマート林業に取り組んでいる。コマツフォレストは、林業機械の開発・生産の中核拠点として当社グループの林業機械ビジネスを担っている。このたびの新工場の生産開始により、カーボンニュートラルへの取り組みを加速させるとともに、森林の再生サイクルをサポートする循環型林業ビジネスを推進していく。

 

 

ダイバーシティ&インクルージョン推進

 当社では、ダイバーシティ&インクルージョンはイノベーションの源泉であり、個々人のモチベーションを高め、企業文化の変化を促すものと捉え、多様な個性の融合を会社全体の成長に繋げている。

 

① グローバル人材の育成

 事業展開のグローバル化に伴い、外国籍社員が約7割を占める中、当社は経営の現地化を進めており、すでに主要な現地法人ではナショナル社員(現地社員)がトップマネジメントとして経営を担っている。また、国内外における約650の主要なポジションを「グローバルキーポジション」として位置づけてサクセッションプランを策定するとともに、経営層やその候補者を対象とした「グローバルマネジメントセミナー」や、事業・機能の中核を担うと期待されるミドル層を対象とした「コマツウェイリーダーシップ開発研修」の実施など、グローバルな人材育成施策とあわせて、次世代リーダーの計画的な育成に取り組んでいる。

 また、グローバルにプロダクトサポートを行うエンジニア育成のための専門教育機関として、2008年11月、フィリピンに「コマツ人材開発センタ」を設立、2019年11月には「コマツフィリピン株式会社」として現地法人化し、体制の拡充を図りながら、これまでに190人以上のエンジニアを育成してきた。世界各地で実施する約6年間の研修プログラムを修了した卒業生は、当社で「グローバルエンジニア」として正式採用し、現在、世界中で活躍している。

 また、国内においては、イノベーションによる価値創造を加速していくため、DX・AI人材の育成に注力している。2019年にはAI人材育成研修を立ち上げ、当社独自のカリキュラムでAI技術スキルのみならず、プロジェクト実践に必要なビジネス視点や課題解決力を併せ持つ人材の育成を行ってきた。新しい中期経営計画においても、DX人材教育やAI人材教育を今後更に推進し、お客様へのダントツサービス、ダントツソリューション実現や社内におけるプロセス改革を担う人材育成のための取り組みを進めていく。

 

② ジェンダー・ダイバーシティの推進

 当社は、女性の積極的な採用、育成、そして出産後もキャリアを継続できる環境整備等の諸施策を進めている。女性の社員や管理職が男性に比べて少ないことは、改善を進めるべき課題と認識し、出産や育児、介護などのライフイベントと仕事の両立の支援だけでなく、キャリア形成や管理職への登用など、より責任と権限のある立場に積極的に女性を起用してきた。

 新しい中期経営計画では、グローバル連結の目標として、2025年3月末に①女性正社員比率17.0%以上(2022年3月末現在13.9%)、②女性管理職比率13.0%以上(2022年3月末現在10.0%)とするKPIを掲げている。2019年に立ち上げた全世界の女性リーダーを対象とした研修プログラムである「Diversity & Inclusion Development Seminar」を通じて、各社におけるジェンダー・ダイバーシティの浸透を進めるなど、今後も積極的な取り組みを推進していく。

 

③ 社員エンゲージメントの向上

 当社では、社員のエンゲージメントが会社の持続的な成長に欠かせないものと考え、2021年4月に、国内・海外グループ会社を対象にグローバルエンゲージメントサーベイを実施した。今後も定期的に実施しながら組織の強み・課題を明らかにし、各種諸施策に反映させることで、社員エンゲージメントの向上を図り、多様性に富む世界中の社員が、よりいきいきと活躍できる環境を目指していく。

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