業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況及び分析

当連結会計年度における世界経済は、先進国を中心にワクチン接種による行動制限の緩和等により、持ち直しの傾向が見られたものの、変異株の感染拡大による新型コロナウイルス感染症の影響や世界的な資源や部材の供給不足による価格高騰、ロシア・ウクライナ情勢による世界経済への影響など、先行き不透明な状況が続きました。

半導体業界につきましては、高速通信規格(5G)関連製品やPC、データセンター、車載、家電など幅広い分野で、半導体の旺盛な需要が続きました。当社の属する半導体製造装置業界につきましても、世界的な半導体不足解消に向けた生産能力増強や、中国における半導体内製化に向けた積極的な投資、経済安全保障観点からの半導体のサプライチェーン見直しに向けた投資などにより、力強い市場環境が続きました。

このような状況のもと、当社グループは拡大を続ける中国市場における事業活動をさらに強化するため、当社初の海外開発拠点である東和半導体設備研究開発(蘇州)有限公司を設立し、設計・開発から生産、販売、アフターサービスまでを中国国内のみで完結できる体制を整えました。また、シンギュレーション装置の消耗部品であるブレードを製造・販売するFine International Co., Ltd.(2022年3月30日付でTOWAファイン株式会社に社名変更)の株式取得による子会社化や、切削工具や受託加工ビジネスの拡大に向けた生産能力増強のために、京都東事業所新棟を竣工するなど、主力のモールディング装置以外での収益機会の拡大に向けた取組みも行いました。業績につきましては、事業規模拡大を見据えた積極的な設備投資を行っていたことが奏功し、急激な需要の増加に対応できたことから、通期の受注高、売上高、各段階利益全てにおいて、過去最高となり、TOWA10年ビジョン(2014年4月~2024年3月)及び第3次中期経営計画(2020年4月~2024年3月)の目標数値である売上高500億円、営業利益80億円(同率16%)を2年前倒しで達成いたしました。

新型コロナウイルス感染症による経営成績への影響につきましては、変異株の感染拡大により経済活動に制限が残る地域はあるものの、現時点において当社事業への影響は軽微であります。

また、ロシア・ウクライナ情勢による影響につきましては、現在当該地域での取引はなく、当社事業への直接的な影響はありませんが、引き続き今後の状況を注視する必要があります。

 

当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。

 

売上高             506億66百万円(前連結会計年度比209億59百万円、70.6%増)

営業利益            115億5百万円(前連結会計年度比 78億86百万円増、3.2倍)

経常利益            117億24百万円(前連結会計年度比 79億5百万円増、3.1倍)

親会社株主に帰属する当期純利益  81億29百万円(前連結会計年度比 54億66百万円増、3.1倍)

 

当連結会計年度の営業利益の主な増減要因(対前連結会計年度)は次のとおりであります。

 

売上高の増加による影響額                    76億38百万円増

工場稼働率の改善などによる影響額                13億98百万円増

販売管理費の増加による影響額                  11億49百万円減

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

[半導体製造装置事業]

半導体製造装置事業における経営成績は、半導体内製化を推し進める中国地域でモールディング装置・金型及びシンギュレーション装置の売上が大幅に増加したこと、また、高速通信規格(5G)関連製品や車載向けを中心に台湾やその他アジアでも売上が大きく伸長した結果、売上高467億15百万円(前連結会計年度比201億79百万円、76.0%増)となりました。利益につきましては、売上高の増加にともなう利益の増加と、工場稼働率の改善にともなうコスト削減効果などにより、営業利益110億7百万円(前連結会計年度比76億74百万円増、3.3倍)となりました。

 

[ファインプラスチック成形品事業]

ファインプラスチック成形品事業における経営成績は、売上高17億23百万円(前連結会計年度比83百万円、4.6%減)、営業利益3億12百万円(前連結会計年度比76百万円、19.7%減)となりました。

 

[レーザ加工装置事業]

レーザ加工装置事業における経営成績は、自動車や産業機械向けなど幅広い用途での電子部品の需要回復を背景に、レーザトリマの売上が増加した結果、売上高22億27百万円(前連結会計年度比8億63百万円、63.3%増)、営業利益1億84百万円(前連結会計年度は営業損失1億3百万円)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、受注環境が非常に好調なことから売掛金及び棚卸資産等の流動資産が増加したことに加え、国内及び海外の事業会社において事業拡大へ向けての生産設備の導入等により固定資産が増加したため、前連結会計年度末に比べ195億42百万円増加し713億33百万円となりました。

負債総額は、急激な受注増による仕入債務及び前受金並びに借入金の増加により、前連結会計年度末に比べ99億24百万円増加し302億11百万円となりました。

純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ96億17百万円増加し411億21百万円となりました。

その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は57.1%(前連結会計年度末比3.1ポイント減少)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億82百万円増加し、122億50百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、64億3百万円の収入(前年同期は53億11百万円の収入)となりました。これは主に棚卸資産の増加にともなう資金の減少が84億94百万円(前年同期は21億90百万円の資金の減少)あったものの、税金等調整前当期純利益を116億95百万円(前年同期は38億14百万円の利益)計上し、仕入債務の増加にともなう資金の増加が14億17百万円(前年同期は30億78百万円の資金の増加)あったことに加え、減価償却費を19億49百万円計上したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、66億円の支出(前年同期は27億68百万円の支出)となりました。これは主に国内の新工場建設及び生産設備の導入等により有形固定資産の取得による支出が50億94百万円(前年同期は26億49百万円)となったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、19億25百万円の収入(前年同期は22億40百万円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が13億40百万円(前年同期は11億36百万円の支出)、安定配当の施策を基にした配当金の支払いによる支出が4億円(前年同期は4億円)となったものの、短期借入金の純増額が38億円(前年同期は23億円の純減)となったこと等によるものです。

② 財務政策

当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。

2022年3月31日現在、長期借入金の残高は46億10百万円であります。また、当連結会計年度末において、取引銀行6行と総額120億円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高53億円、借入未実行残高67億円)。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

半導体製造装置事業(千円)

47,681,558

181.6

ファインプラスチック成形品事業(千円)

1,723,169

95.4

レーザ加工装置事業(千円)

2,197,695

150.8

合計(千円)

51,602,424

174.8

(注)金額は販売金額によっております。

 

② 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

半導体製造装置事業

61,911,839

165.3

37,352,884

169.8

ファインプラスチック成形品事業

1,740,212

95.0

165,143

111.5

レーザ加工装置事業

2,627,680

159.6

1,182,297

151.1

合計

66,279,732

161.9

38,700,325

168.8

(注)1.金額は販売金額によっております。

2.当社グループ製品はすべて受注生産であります。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

半導体製造装置事業(千円)

46,715,674

176.0

ファインプラスチック成形品事業(千円)

1,723,169

95.4

レーザ加工装置事業(千円)

2,227,883

163.3

合計(千円)

50,666,728

170.6

 

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