課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、最良かつ先進性のある技術を基本に産業の発展と環境保全に寄与し、社会に貢献することを経営の基本理念としております。また、お客様、株主、社会、協力会社、従業員等、関係者の皆さまに信頼される企業づくりをめざして、健全な企業発展に努めております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループでは、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、2023年3月期の営業利益50億円の達成を目標としております。

 

 

2021年3月期
(実績)

2022年3月期
(実績)

2023年3月期
(目標値)

営業利益

5,662百万円

5,692百万円

5,000百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

958百万円

8,173百万円

3,800百万円

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループは、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理、二次電池製造関連設備等の環境・エネルギー関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業領域と捉えております。当社グループは両事業における持続的な成長を目指すために、「経営基盤の強化」と「成長戦略の推進」を基本方針とした中期経営計画に取り組んでまいりました。なお、当社は2023年4月に持株会社体制へ移行する予定であり、経営計画、事業・投資戦略や計数目標を策定するための時間が必要と判断し、現中期経営計画を1年間延長しております。引き続き、中期経営計画を推進し、基礎収益力を向上させビジネスモデルおよび収益構造を転換することで、計画達成に取り組んでまいります。

2023年3月期の数値目標については、連結売上高1,000億円、連結営業利益50億円、親会社株主に帰属する当期純利益38億円を目指してまいります。

当社グループの事業環境に関する今後の景況感につきましては、米中貿易摩擦の激化やウクライナ情勢などの地政学的リスクの影響による世界的な景気後退に留意する必要があります。国内の上下水道分野においては、水インフラ関連の投資は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、民間の設備投資においては、地政学的リスクによる原材料価格の高騰、為替等の変動や半導体の供給不足など、世界経済の見通しに対する不透明感から設備投資の抑制が懸念されます。

 

①経営基盤の強化

当社グループは、基礎収益力を向上させ、経営基盤を強化してまいります。個別プロジェクト管理の徹底、工事原価削減により採算性を向上させ、収益基盤の強化を図ってまいります。

当社では、製造機能を市川市から室蘭市に移設し、2019年4月より室蘭工場が稼働しております。今後も株式会社日本製鋼所との協業により生産性を向上させ、製品の競争力を強化してまいります。市川工場閉鎖後の跡地においては三井不動産株式会社と共同で物流施設を開発し、2022年3月末に竣工いたしました。

当社グループは、グループ各社とのシナジー創出が重要と考えており、グループ各社との連携を強化するため、営業活動やリソースの相互活用を進め、グループ一体となった効率的な運営を目指してまいります。グループとしてのガバナンス体制、コンプライアンス体制を強化するとともに、人材育成および働き方改革を推進し、事業展開を支える基盤を強化してまいります。

グループ戦略および経営管理の強化を図り、事業子会社の業務執行に関する権限移譲により意思決定の迅速化を進め、事業の拡大とグループ経営の効率化を図るため、持株会社体制に移行することを決定しました。2023年4月の移行に向けて手続きを進めており、当社グループの企業価値向上に努めてまいります。

 

新しい働き方については、新型コロナウイルス感染拡大防止を機に在宅勤務・時差出勤を制度化しました。本社ビルにおけるフリーアドレス制の導入ならびに余裕が生まれた執務スペースに連結子会社の一部を移転・集約し、当社グループ内の業務・経営資源の効率化ならびに従業員同士のコミュニケーション促進を図っております。さらに、育児休業制度における時短勤務の適用範囲の拡大や、年次有給休暇の時間単位での取得などの制度改定を行い、在宅勤務手当の支給を開始するなど、柔軟な働き方の拡充に取り組んでまいります。

 

②成長戦略の推進

当社グループは、エネルギーおよび環境の事業領域を拡大してまいります。水環境事業においては、省エネルギー技術の営業活動を推進するとともに、カーボンニュートラルな下水汚泥からエネルギーを創出する創エネルギー焼却システムを開発し、営業活動を推進してまいります。産業事業においては、廃液、固形廃棄物処理設備や、今後成長が見込まれる二次電池製造関連設備などの環境・エネルギー関連事業を推進するための営業活動を強化してまいります。これらの取り組みにより、気候変動問題などグローバルな環境問題の解決に貢献し気候変動問題に対応してまいります。

今後成長が期待される海外事業は、水環境事業においては、経済成長に伴い水インフラのニーズが高まっているアジア向けに上下水道向け機器およびプラントの営業活動を推進してまいります。産業事業においては、海外拠点との連携により、アジアおよび欧州等での各種産業機器およびプラントの営業活動を推進してまいります。

また、両事業ともに、メンテナンス、補修工事などのアフターサービス事業をより一層強化することで、ビジネスモデルおよび収益構造を転換してまいります。当社グループのノウハウにAI/IoT技術を組み合わせ、運転の最適化を図ってまいります。また、水環境事業においては、老朽化が進む水インフラを安定的に維持・運営していくために、包括O&M業務やPFI/DBO事業などのライフサイクルビジネスの営業活動を展開してまいります。

 

上述の「経営基盤の強化」と「成長戦略の推進」という基本方針を実現するために、中期経営計画期間においては、研究開発投資、M&A投資、基幹システム更新などの機動的な戦略投資に取り組んでおります。

かかる方針のもと、戦略投資の一環として、当社は、市川工場閉鎖後の跡地において三井不動産株式会社と共同で物流施設を開発しており、建屋は2022年3月末に竣工いたしました。現在、内装工事を行っており2022年夏頃に操業を開始する予定です。また、産業・一般廃棄物の中間処理を行うサンエコサーマル株式会社においては、老朽化した一般廃棄物処理設備の更新工事が2020年9月末に竣工しており、引き続いて産業廃棄物処理設備の更新に取り組み、処理効率の向上および高効率熱回収設備導入による発電量増加により、収益力を強化してまいります。

以上の取り組みにより、企業価値の向上に努めてまいります。

 

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