課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①経営方針

 当社グループは、1919年創設以来「金銭の赤字は出しても信用の赤字は出すな」の社是のもと、人と自然との関わりを大切に、ポンプを含む環境共生事業を通して広く社会に貢献し、責任ある企業として高品質の製品づくりに取り組んでいます。

 

②経営戦略等

 当社は、2050年の前年となる2049年に創業130周年を迎えます。このときに当社が目指す長期ビジョンとしてのありたい姿は「社会に欠かせない企業」です。長期ビジョンを見据えた、創業110周年を迎える2029年までの中期経営計画を「Beyond 110」としました。

 その期間において、短期ベースの社会貢献事業として「既存技術のダントツ化」を進めます。その具体策として①スーパーエコポンプによる省エネ推進②気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進③TR-COMによるデータに基づくスマートメンテナンスの提供④アンモニアを取扱うポンプの高機能化を図ります。また、同期間の中期・長期ベースの社会貢献事業として、「新技術開発の推進」を進めます。その具体策として、⑤水素・CO2を取扱うポンプの研究開発を進め、市場への実機投入を目指します。⑥風力発電事業への人・モノ・カネの投入を進め、洋上風力発電を含めたサービス事業の充実を目指します。
 これらの事業推進の土台となる基盤は「社員活力の最大化」「ESG経営」と考えております。そして、それらを進める拠点となるのが、2021年4月に本格運用が始まりました、新本社工場ビルと位置付けています。

 

③経営環境

 世界人口は80億人に迫り、水・食料・エネルギーの確保及び効率的な利用は、引き続き地球規模で大きな課題となっており、インフラへの底堅い需要が見込まれておりますが、新型コロナウイルス感染症は引き続きグローバル経済に大きな影響を与え、中国のゼロコロナ政策やウクライナ情勢の緊迫化による地政学的リスク拡大が世界的な投資計画を抑制するおそれなどがあり、予断を許さない状況となっております。

 

 現時点におきましては、従業員の感染リスク削減策を実施しながら、生産、施工、サービスの現業部門は変わらず操業し、事務部門の在宅勤務推奨と併せて、従前とほぼ変わりない企業活動を継続しております。ただし、今後の影響につきましてはウクライナ情勢の動向、コロナの収束状況、日米の金利格差等に起因する急激な円安の進行や物価の上昇が市場に与える影響を踏まえて慎重に判断していきたいと考えております。

 

④優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、次の3つを優先的に対処すべき課題と認識しております。まず第1に、当社グループは、「省エネ」、「安心・安全」及び「データ」に基づくソリューションの提供を行い、社会に欠かせない企業でありたいと考えております。ハイテク化、グローバル化、サービス化を柱に事業を展開し、人々の生活に不可欠なインフラを守り、脱炭素社会の実現に向けて、社会問題の解決を図っていく必要があると考えております。そのために、減災技術を施した豪雨対策向けの製品開発の継続と海外市場への展開、省エネ技術によるCO₂排出量を削減する製品開発の継続、液化アンモニア・水素などの二次エネルギー向け製品開発の着手、洋上風力を含めた風力発電サービス事業の充実を図っていきます。また、少子高齢化社会に対応するためにも、回転機械のモニタリングシステム「TR-COM」によるタイムベーストメンテナンスからコンディションベーストメンテナンスへの変更の提案を行い、データに基づくスマートメンテナンス事業を推進してまいります。

 第2に、外部環境の変動に左右されない強い企業体質の構築が必要であると考えております。そのために、グローバルサプライチェーンの体制強化、エンドユーザーに近い調達・生産拠点開拓の推進、安全・環境・生産性向上のための設備更新、先端技術によるモノづくりの革新、プロセスイノベーションの継続的改善を行ってまいります。

 

 第3に、社員活力の最大化です。人材教育の継続・強化を通じて従業員の成長を図っていきます。また、社内託児所の拡充により、働きやすい環境整備に努めるとともに、2021年4月に本格稼働した新本社工場ビルにおけるミーティングや交流を促すフレキシブルな空間(ボーダレス・プレイス)により、営業・サービス・研究開発・設計部門間での円滑なコミュニケーションの促進を図り、働き場所を選ばないリキッドワークにより、従業員一人一人が働きやすい職場づくりに取り組んでおります。

 財務上の課題としては、強靭な財務体質の堅持のため、資金の流動性確保や、特に海外大規模プロジェクトなどの回収期間が長期にわたる債権管理の徹底、急激な円安に対応するための為替予約・為替マリーなどによる為替リスク最小化の継続、投資分野の選別及び優先順位の検討を行ってまいります。また、収益力向上のため、品質ロスコストの低減、デジタル化など業務見直しによってムダの削減などに取り組んでまいります。

 当社グループは、100年を超える歴史で築いてきたレジリエンスと、世界中での実績と信頼を基盤に、いかなる状況下にあっても自らの責任と役割を果たし、ピンチをチャンスに変えて進化を続けます。

 

⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益としております。

 

  現時点での2023年3月期の業績見通しは、以下のとおりであります。

  〔連結業績〕

   売上高               62,000百万円

   営業利益               5,000百万円

   経常利益               5,000百万円

   親会社株主に帰属する当期純利益    3,700百万円

      (為替レートは1ドル=125円を前提としております。)

 

※業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社グループは、全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計額に占めるポンプ事業の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略しております。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得