研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動は、研究開発部ほか技術部門が中心となり、ポンプ事業、新エネルギー・環境事業に係る市場ニーズに応えるため、当連結会計年度の研究開発関連費用としては総額357百万円を投入しております。

 

省エネルギーをさらに加速させる効率改善型エコポンプの新規開発を開始致しました。省エネルギー効果が特に見込まれる仕様範囲の開発を完了し、市場投入致しました。今後も開発を継続し、幅広い仕様範囲に対して、世界最高水準の高効率ポンプを市場に導入してまいります。

 

カーボンニュートラル社会実現に貢献すべく、エネルギーキャリアとして注目される液体アンモニアおよび液体水素を大量に輸送・昇圧するポンプの開発をスタートさせました。

液体アンモニア用ポンプに関しては、日本初のアンモニア20%混焼発電実証事業への参画を足掛かりとし、今後もよりニーズにマッチした製品開発を継続してまいります。

液体水素を取り扱うポンプについては、製品化実現においてキーとなる技術に関し、学術機関および先端技術企業との協業を開始致しました。今後、具体的な開発を進め、検証試験を経て製品化に進んでまいります。

 

気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進という点では、官公需向けに浸水してもポンプ運転が可能な「耐水モータ一体型ポンプ」について、従来型に対して維持管理の簡素化を図った改良型を市場投入しました。現在は、防災・減災に寄与する当社技術のひとつである「二重ラッパカン及び渦対策リング」とともに、海外市場への展開を見越して、改良型耐水モータ一体型構造の適用範囲拡大を進めております。

 

海水淡水化分野については、RO法海水淡水化プラント向け高圧ポンプのラインアップ強化の一環として、大容量型両吸込ポンプの新規開発を行い、世界最高水準のポンプ効率を達成すると同時に、構造的にも非常に信頼性の高い製品をリリースしました。今後も同市場における高圧ポンプニーズは続くものと予想されるため、継続的に製品の改善および機能向上を図ってまいります。

 

エネルギー分野では、国内向けにおいて、高負荷変動対応型ボイラ給水ポンプをバイオマス発電所およびGTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)発電向けに複数台受注致しました。CO2排出量低減という観点からも、今後、これらの分野におけるボイラ給水ポンプの受注増が期待されます。

 

省エネルギー需要の高まりから、ポンプの高性能・高速化をより早く実現することが社会ニーズとなっています。そこに対応していくため、人工知能(AI)技術を取り入れた新たな水力開発システム構築を進めております。本システムと3Dプリンティング技術を組み合わせ、設計開発から製品化までのシームレス化実現を目指します。

ポンプの高速化時に課題となるキャビテーション壊食速度予測技術については、検証用試験ループを活用して物理データを収集し、高精度化を図ることで新製品の品質向上に継続的に努めております。また、ロータダイナミクス、構造および材料関連の各ポンプ要素に関連する技術については、大学やコンサルタント等の外部機関を積極的に活用することで、基礎的研究を共同で実施中であります。

 

今後も多様な社会ニーズに応えるべく、新技術および新製品の開発に努めてまいります。

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