当社グループの研究開発活動は、主力事業の物流ソリューション事業及び機械・プラント事業を中心に行われております。これらの事業では、新製品・サービスの開発、技術力向上及び既存事業の強みを生かした新事業の立ち上げのため、以下のような研究開発活動を重点的に行ってまいりました。
なお、当連結会計年度において、研究開発関連の人件費234百万円を含む
・物流ソリューション事業
1.基本的考え方
お客様のニーズにきめ細かく対応した最適なソリューションの提供を通じて更なる社会貢献を目指すことを基本方針として、研究開発を推進しています。具体的な施策として新中期経営計画の重点施策に沿った開発方針とし、ハードウェア開発からソフト開発にシフトし、特にAI、IoTを含む今後発展する技術を用い、マテハンシステムの融合と新しいシステムを構築し、新しいソリューション開発に着手しております。
2.研究開発状況と成果
(1) 省人・自動化に向けた無人搬送台車の開発
自立搬送ロボットAMRの導入が、生協の案件で決定しました。従来の主にストレート型の集品コンベヤ式とは異なる新たなソリューションにより、高い生産性・品質、省人化・自動化を実現可能とした点が評価されました。また、この無人搬送技術を空港案件にも適用し、新しい手荷物搬送ラインの実現にも着手していく予定です。今後は、まだ市場に存在しない出荷準備作業の出荷搬送物に対応できるAMRを開発し、さらなる自動化の実現を図っていく予定です。
(2) 止めない物流への実現 予知保全サービスの開発
予知保全サービスは、一昨年度の導入からコスト削減・機能アップ版を開発し、2号機目として大手化粧品メーカー様向けの物流センターへ納品が完了しました。
現状は出庫設備のボトルネックであるMSSリフター部のみとしておりますが、他設備への適用や新しいソリューションサービスを提供できるように引き続きブラッシュアップを行います。
また、エッジ端末を搬送物に搭載したDr.ブツリューに関しては、可用性を重視した新モデルでの実稼働を確実に行い、2022年度下期には全サービス拠点への導入を推し進めており、止めない物流を実現してまいります。
(3) 映像技術とデータを融合させたソリューションの推進
データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、他のマテハン機器メーカーに対し、競争上の優位性を確立してまいります。先ずは、画像技術の発展、データ基盤の整備を背景に、画像データを用いることで、「映像技術とデータを融合させたDX」を模索し、新しい付加価値として差別化を図ってまいります。
なお、当事業に係る研究開発費は
・機械・プラント事業
1.世界最大の液体水素タンク建設を目指した研究開発
経済産業省策定の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」に示される2030年頃の発電事業用水素発電に資する、大型液化水素タンクの研究開発を継続的に実施しております。
2021年度は、日本高圧力技術協会に発表した論文が、同協会令和3年度科学技術賞を受賞しました。また、2019年度から参画するNEDO水素社会構築技術開発事業においては、①真空排気システムの確立、②内槽底部への入熱量算定手法の確立、③SUS316Lの溶接材料を使用した溶接施工法の確立、をすべく研究開発を推進しており、これまでのところ良好な結果が得られております。
2.次世代エネルギー向け貯蔵の研究開発
2050年カーボンニュートラル社会の達成目標に向かって需要増加が見込まれる燃料アンモニア・液化炭酸ガス・MCH等のタンクに関する研究開発、技術検証の取り組みを進めています。
国内・海外、新設・改造のいずれのプロジェクト向けにも対応できるタンク専業メーカーの強みを活かして、タンク製品及び技術サービスの拡充を図ってまいります。
3.次世代エネルギー向け貯槽の溶接継手品質に関する研究開発
2050年のカーボンニュートラル宣言を受けて、グリーン社会実現を加速させるために、今年度よりアンモニア貯蔵タンクの研究開発に注力することといたしました。
アンモニア環境において炭素鋼(高張力鋼)は応力腐食割れ(SCC)発生のリスクが高くなるため、溶接継手のSCCに関するデータの収集及び耐SCC対策に関して研究開発を進めてまいります。
なお、当事業に係る研究開発費は
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