研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」の機能を持つ機械設備とそれを支える電子機器の新システム・新製品の開発に取り組んでいます。昨今は、企業に求められる社会的責任が、経済活動のみならず環境・社会活動を含む概念へと広がっており、環境・安全等にも配慮したシステムや製品の開発にも努めています。

当連結会計年度(2022年3月期)における当社グループが支出した研究開発費の総額は、10,735百万円です。

報告セグメントごとの内訳は次のとおりです。

 

セグメントの名称

2021年3月期

2022年3月期

株式会社ダイフク

7,421百万円

8,504百万円

コンテックグループ

1,124百万円

1,014百万円

Daifuku North America Holding Company(DNAHC)グループ

165百万円

529百万円

Clean Factomation, Inc.(CFI)

213百万円

283百万円

その他

239百万円

404百万円

合計

9,165百万円

10,735百万円

 

 

報告セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。

 

(1) 株式会社ダイフク

① 一般製造業・流通業向け製品

主に個配・通販の配送センターにおける仕分け・ピッキングに適した台車式ケース自動倉庫「シャトルラックM」に、高い入出庫能力を有するリフタを開発・品揃えし、製品を強化しました。また、冷蔵庫内に設置可能な機種も追加しました。

多段式ピース(小物)仕分け装置「ソーティングシャトル」の販売を開始しました。複数段に配置されたシュートに、シャトルが立体的に動き荷物を搬送する構造になっており、従来の小物ソーターシステムに比べて、スペースが大幅に削減できます。

② 半導体・液晶生産ライン向け製品

半導体生産ライン向けでは、最先端の回路線幅である3ナノ~5ナノ向けの搬送・保管システムの開発を継続しています。また、後工程と呼ばれていたパッケージ分野でも高いクリーン度が必要となってきたため、この分野向けの搬送・保管システムの開発も進めています。

液晶パネル生産ライン向けでは、引き続き8世代、10世代向けシステムの競争力を高めるために、基本的な設計から見直しを行っています。

ソフトウェア面では、IoT及びAIを活用し、搬送効率の向上や振動の低減、メンテナンスの利便性向上などを図る開発に加え、Fab(工場)間をつなぐことが簡単にできる拡張性のあるシステムの開発を継続しています。

③ 自動車生産ライン向け製品

自動車生産ラインにおいてより高度な自動化を実現するための要素技術の開発とともに、組立工程に沿って自動車のボディを動かすメインライン向けの新たな搬送システムの開発を進めました。EV化により搬送物の重量が増加していることに加え、車によって取り付けられる部品の種類や数量、取り付ける工程が異なることなどから組立工程や経路が複雑化し、また稼働後に搬送システムを変更・改造する頻度が増えています。これらのニーズに対応するため、搬送重量増へ対応するとともに、省スペース化、工程・経路の変更やシステムの短縮・伸長を容易にする開発を行いました。

④ 空港向け製品

 日本国内の主要5空港へ納入したセルフバッグドロップが稼働を開始しました。このセルフバッグドロップは、事前にキオスク端末にてお客さま自身でチェックインし、プリントアウトされたタグを取り付けることで、係員等の人手を介することなく自動で手荷物を搬送する設備です。これにより搭乗手続きエリアでのチェックインに要する時間を約1/4に削減することが可能になりました。

 また、日本国内に初めて納入したバゲージトレイ搬送システムでは、高効率モータを採用し、運転中・待機中の消費電力削減を行いCO2削減への取り組みも開始しています。

 

⑤ 洗車機

2022年4月、ドライブスルー洗車機の新機種「トレウス」と上位モデル「コーディア」を発売しました。両機は2021年2月に発売しグッドデザイン賞を受賞した「ツインフェクト リーシア」の白を基調としたシンプルなデザイン、夜間でも安心して利用いただくためのLED照明の複数採用、操作パネルの利便性など、同賞で評価された機能を踏襲するとともに、新たに遠隔サポート・遠隔監視に対応できるようにしました。また、すすぎ専用の噴射ノズルを追加したことで洗車時間が短縮され、処理能力も向上しています。

以上に記載の①~⑤を中心に、当社が支出した研究開発費の総額は8,504百万円です。

 

(2)コンテックグループ

産業用コンピュータ製品では、学習機能を向上させたAIコンピュータ「DX-U1200シリーズ」を開発し、2021年7月から販売を開始しました。また、FA(ファクトリーオートメーション)向けコンピュータ「VPC-5000シリーズ」の新製品を開発し、2022年4月から販売を開始しました。ともにAI推論実行能力に優れており、FAにおける画像検査装置、工場設備や社会インフラの安定稼働を支える情報端末のほか、高度で多重な処理を必要とする医療機器やセキュリティなど、幅広い分野のお客さまへの拡販を目指しています。

IoT機器製品では、計測制御製品「CPIシリーズ」を3機種追加開発し、2021年11月から販売を開始しました。FA分野で手軽に利用できることから、FAや計測制御分野への拡販を目指します。

ソリューション製品では、太陽光発電自家消費制御システム「SolarView® SC」を開発し、2021年9月より販売を開始しました。コンテックグループは、30年以上前からメガソーラー実証研究等へ積極的に参加し、その経験を活かしたソリューションでさまざまなお客さまの太陽光発電ビジネスに貢献しています。

当グループが支出した研究開発費の金額は1,014百万円です。

 

(3) Daifuku North America Holding Company(DNAHC)グループ

空港向け手荷物搬送システムでは、お客さまのニーズ、競争力向上に即した改良を進めています。

一般製造業・流通業向けシステムでは、ピッキングやソーティングシステムの開発に力を入れています。

自動車生産ライン向けシステムでは、設備の静音化の要求が高まっており、従来のチェンからベルトへの駆動方式変更など、競争力のある製品ラインアップを目指し改良に取り組んでいます。

当グループが支出した研究開発費の総額は529百万円です。

 

(4)Clean Factomation, Inc.(CFI)

韓国の半導体メーカーのお客さまに密着して、過去に納めた200mmシステムのリニューアル開発や後工程に関する機器の開発を行っています。

当子会社が支出した研究開発費の総額は283百万円です。

 

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