当社グループは、建設用クレーン、油圧ショベル等及びその他の製品の新技術、新製品の開発と新規分野開拓のための研究に重点をおき、積極的に研究開発活動を推進しております。
研究開発活動の中心課題は、電子・制御工学ならびに新素材等の最先端技術の導入による製品の効率化、多機能化、環境保全及び安全性の向上であります。当連結会計年度における研究開発費は総額
研究開発活動は主として日本セグメントで行っており、次のとおりであります。
国内向けのラフテレーンクレーンでは、13t吊/4.9t吊、35t吊、60t吊、75t吊の4機種を開発いたしました。
13t/4.9t吊の「MR-130RfⅡ/MR-130RfMⅡ」と35t吊の「MR-350RfⅡ」は、2軸のキャリヤに、2段または3段ジブの空中振出式EJIB Type-Sを搭載しております。特に、MR-350RfⅡは、油圧により伸縮・起伏することができる3段ジブを装備しており、旋回後端半径も小さいため狭い現場で懐の深い荷役作業が可能となっております。これらの2機種は、走行時にブームを前下がりに格納して前方視界を確保しております。
60t吊の「SL-600RfⅡ」は、3軸キャリヤに油圧により伸縮・起伏することができる3段ジブの空中振出式EJIBを搭載しております。75t吊の「SL-750RfⅡ」は、4軸キャリヤで80t吊の「SL-850RfⅡ」を基本車として、別送式のカウンタウエイト機能を無くしたものであります。これらの2機種は、市場からの装備要求が多い吊荷監視カメラの新たな機能として「無線式吊荷監視カメラ用電源供給システム」をオプションとして設定しております。
いずれの機種も運転席に12.1インチ大画面タッチモニタを装備したサラウンドビューシステムや人検知支援システム、車両直近の障害物を検知するクリアランスソナーやタイヤ空気圧モニタリングシステム等の安全機能を標準またはオプションで設定しております。また、35t吊と60t吊につきましては、ラフテレーンクレーンでは初めての採用となる走行安全機能として、ブレーキペダルから足を離してもブレーキ制動を保持し坂道の発進をサポートする「坂道発進補助装置」を標準で装備しております。
これらの機種の新規設定により、国内向けラフテレーンクレーンは4.9t吊から80t吊まで、10機種のラインナップとなりました。
なお、今後も各シリーズのラインナップ拡充、カーボンニュートラルへの対応を図るべく、研究開発を進めてまいります。
中大型ショベルでは、国内向けとして50tクラスの「HD2050-7」を開発いたしました。欧州の排出ガス規制(StageⅤ)にも対応している最新型エンジンを搭載しております。あわせて、新型の油圧機器を採用し作業性能を向上させることで、低燃費、低騒音化による環境負荷の軽減を図っております。
ミニショベルでは、1.9tクラスを市場投入いたします。クロ-ラ幅可変機構を標準装備し、狭い現場に進入することが可能となります。キャノピ仕様とキャブ仕様を選択することができ、運転席周りのスペ-スを広く設計しております。本機の主な市場は北欧諸国、中国、北米となります。また、中国排出ガス規制(GB4)に適合したモデルチェンジ機はグロ-バルモデルと位置付け、日本国内の仕様に準じた大幅なスペックアップをしており、2022年12月に施行される規制開始時期と同時に市場投入いたします。
今後も最新の排出ガス規制に適合した機種の市場投入を順次進めてまいります。また、カーボンニュートラルへの取り組みとして、電動化製品の開発にも積極的に取り組んでまいります。
クローラキャリアでは、7.5t及び10t積載のモデルチェンジ機を2022年度に市場投入いたします。電子制御コントロ-ルの採用でスム-ズな操作性と燃費改善を実現し、低重心化により安定性が向上しております。また、3.7t積載のモデルチェンジ機も2022年度に市場投入いたします。国内・北米の排出ガス規制に適合しているとともに、欧州排出ガス規制(StageⅤ)にも適合しています。このクラスでは初の電子制御システムを採用しており、IoTに対応できる機種となっています。その他、旋回型クロ-ラキャリアのシリーズ開発も優先的に進めてまいります。
今後も、早期の市場導入に向けて、積極的に取り組んでまいります。
空港用除雪車Sシリ-ズでは、高出力のエンジンに換装し、ブロワ(送風機)を2個搭載したスノースイーパー「S-380CⅡ」を市場投入いたしました。
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