課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は「人と技術と商品を大切にして、新しい時代にふさわしい美しい都市機能を、世界の国々で世界の人々とともに創ります」という経営理念を掲げ、昇降機の専業トップメーカーになることを目指しています。
 この基本方針の下、持続的な成長と高い収益力によって株主、顧客、ユーザー、取引先、地域住民ならびに社員等当社グループすべてのステークホルダーの満足を追求し、高度な研究開発力、生産・フィールド技術力を養成し、高品質な商品を納入するとともに、保守やモダニゼーションを通じて長期にわたり顧客・ユーザーとの信頼関係を構築しております。このような事業活動を通して、世界の国々の産業振興と経済発展に貢献し、また世界の人々と文明・文化を相互理解することで、全てのステークホルダーと共存共栄を図っていくことを目指しています。この経営理念を、グループ一丸となって実現することこそが企業価値の源泉であり、当社の企業価値および株主共同の利益を確保・向上させることにつながると考えています。

 

(2)目標とする経営指標

 2023年3月期連結ベースで、売上高2,000億円、営業利益147億円、営業利益率7.4%、ROE 8.3%を目指します。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

 当社はこれまで2020年12月4日に発表いたしました「当社の戦略的方向性について」に記載の取り組みを着実に実行してまいりました。今般の事業環境変化をもたらす世界のメガトレンドを考慮し、2021年12月に3ヵ年の新しい中期経営計画「Vision24 中期経営計画(2022-2024)」を発表いたしました。2022年3月には「Vision24」の具体的施策・資本政策を説明した追補版を公表し、経営の透明性向上に努めました。当社は「Vision24」に記載した、新設事業とアフターマーケット事業の拡大により、シェア向上を図り、売上拡大とコストダウン推進による収益力向上を確実に実行します。これにより、お客さまの信頼に応える"安全・安心"な商品を継続的に提供し、持続的成長と企業価値向上を目指します。「Vision24」の行動指針は次の4点です。

 

〇販売戦略         :商品ラインナップ拡充による新市場・顧客の開拓・深耕
〇商品・技術戦略      :各拠点協働での戦略機種の開発・投入、環境対応商品の開発強化
〇生産・オペレーション戦略 :各拠点連携での調達、次世代技術の導入によるコスト改革
〇コーポレート戦略     :資本政策とガバナンス体制の強化、グループ戦略推進体制の整備

 

○販売戦略では、
 国内市場においては、以下の取り組みで拡販を図ります。
 ・新設事業は、標準機種エクシオールの拡販、大型受注プロジェクトの完遂による知名度向上
 ・アフターマーケット事業は、モダニゼーション需要の獲得、モダニ製品拡販による収益性向上
 ・新設事業とアフターマーケット事業の連携強化による顧客開拓

 

グローバル市場においては、成熟市場ではアフターマーケット事業を中心として、成長市場では新設事業を中心として以下のような地域別販売戦略に取り組みます。
・中国市場では、大型ジョブ獲得によるブランド力向上と標準機種の拡販
・インド市場では、国内外への供給・販売網の拡大
・東アジア、米州・欧州では、モダニゼーション推進による保守台数の拡大

 

 

○商品・技術戦略では、以下の取り組みで、各国市場の成熟度に合わせた商品投入を進め、市場競争力を高めます。

 ・成長市場に向けた次世代標準機種の開発と原価低減
 ・成熟市場に向けた新保守メニュー導入とモダニゼーション商品ラインナップの拡充
 ・次世代リモートメンテナンスによる更なる“安全・安心”の担保と業務効率の向上


○生産・オペレーション戦略では、以下の取り組みにより利益率拡大を図ります。
 <設計・調達・生産革新>
 ・グローバル調達推進によるコスト削減
 ・生産オペレーションの労働生産性改善
 ・標準機種ラインナップ拡充による設計、製造工数削減
 

 <据付コスト革新>
 ・据付機器・工法開発によるコスト削減
 ・据付技量向上による効率アップとコスト削減
 ・遠隔監視の性能向上とIT活用による保守コストの削減

 

○コーポレート戦略では、以下の取り組みにより、持続的な事業拡大、資本効率向上に加えESGにも積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献して参ります。

 ・成長フェーズへ向けた積極的な設備投資計画、成長機会を追求したM&A投資
 ・資本政策として事業成長を支える健全な財務基盤、資産効率向上、継続的な自己株式取得
 ・取締役会の実効性・透明性向上への取り組み継続によるコーポレートガバナンスの更なる向上
 ・サステナビリティ方針を規定し、サステナビリティ推進体制を確立
 ・ESG情報として、マテリアリティに関するKPI設定と開示、TCFD準拠開示対応


 新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、各国で対応状況に違いがあるものの、依然として、その収束時期は不透明であり、また、ロシアのウクライナ侵攻で顕在化したグローバル経済の分断や資源価格の高止まりによる影響も懸念される中、昇降機市場の先行きも予断を許さない環境にあります。

 

このような状況の中、今回発表をいたしました「Vision24」を確実に実行し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

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