業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、わが国を含む各国において新型コロナウイルス感染症の予防に有効であるとされるワクチン接種が引き続き進捗し、輸出入や設備投資等の経済活動に一定の回復が見られましたが、新たな変異株の流行リスク、解消の目処が見られない米中貿易摩擦、原材料価格の高騰、国際物流の混乱等、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

このような環境のもと当社グループといたしましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う生産停止や納入停滞等のリスクの最小化を図りつつ、引き続き高付加価値製品の開発、厳格なコスト管理などに注力し、さらなる事業の成長及び収益力の向上に取り組んでまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は14,620百万円(前年同期比30.8%増)、営業利益は4,126百万円(前年同期比60.1%増)、経常利益は4,363百万円(前年同期比85.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,960百万円(前年同期比89.5%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(リード端子事業)

リード端子事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外子会社の一時的な閉鎖や稼働の縮小が発生いたしましたが、顧客の在庫調整や生産調整は限定的なものに留まり、需要は総じて堅調に推移いたしました。

これらの結果、売上高は7,601百万円(前年同期比37.3%増)、セグメント利益(営業利益)は569百万円(前年同期比159.2%増)となりました。

 

(光部品・デバイス事業)

光部品・デバイス事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外子会社の稼働の縮小が懸念されましたが限定的なものに留まり、新たな長距離海底ケーブルの敷設などの光通信インフラに対する投資が継続したことにより、主力製品である海底光通信用デバイスの需要は引き続き堅調に推移いたしました。また生産拠点の海外子会社では、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑え、堅調な需要に応えた生産販売に取り組んでまいりました。

これらの結果、売上高は7,018百万円(前年同期比24.4%増)、セグメント利益(営業利益)は3,556百万円(前年同期比50.8%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

流動資産は前連結会計年度末に比べ9,047百万円増加し、17,366百万円となりました。これは主に現金及び預金7,450百万円増加受取手形及び売掛金794百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は前連結会計年度末に比べ219百万円増加し、5,173百万円となりました。これは主に投資有価証券185百万円減少した一方で、機械装置及び運搬具(純額)264百万円増加建設仮勘定108百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ9,267百万円増加し、22,540百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は前連結会計年度末に比べ772百万円増加し、5,313百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金181百万円減少した一方で、買掛金339百万円増加未払法人税等532百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は前連結会計年度末に比べ889百万円減少し、2,076百万円となりました。これは主に長期借入金800百万円減少リース債務81百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ116百万円減少し、7,390百万円となりました。

 

(純資産)

純資産は前連結会計年度末に比べ9,383百万円増加し、15,149百万円となりました。これは主に資本剰余金5,578百万円増加利益剰余金2,902百万円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は10,951百万円となりました。

当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が1,015百万円増加し、3,032百万円の収入となりました。主な資金増加要因は税金等調整前当期純利益4,351百万円減価償却費582百万円、主な資金減少要因は売上債権の増加1,069百万円法人税等の支払額885百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が118百万円減少し、406百万円の支出となりました。主な資金減少要因は有形固定資産の取得による支出582百万円、主な資金増加要因は投資有価証券の売却による収入185百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が1,048百万円の支出であったのに対し、4,564百万円の収入となりました。主な資金増加要因は上場に伴う自己株式の処分による収入5,920百万円、主な資金減少要因は長期借入金の返済による支出982百万円リース債務の返済による支出154百万円、短期借入金の減少102百万円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

リード端子事業

6,091,901

+38.0

光部品・デバイス事業

2,452,319

+1.0

合計

8,544,220

+24.9

 

(注) 1. 金額は、製造原価によっております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高 (千円)

前期比 (%)

受注残高 (千円)

前期比 (%)

リード端子事業

7,601,994

+37.3

光部品・デバイス事業

7,145,353

+41.8

2,935,079

+4.5

合計

14,747,348

+39.5

2,935,079

+4.5

 

(注) 1. リード端子事業については、受注から出荷(売上計上)までの期間が数日と非常に短いことから受注残高の集計には含めず、販売実績をもって受注高としております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

リード端子事業

7,601,994

+37.3

光部品・デバイス事業

7,018,024

+24.4

合計

14,620,018

+30.8

 

(注) 1. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
 (自 2020年1月1日
  至 2020年12月31日)

当連結会計年度
(自 2021年1月1日
 至 2021年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Alcatel Submarine Networks UK Ltd.

1,844,824

16.5

3,606,324

24.7

 

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。また、当連結会計年度における財政状態の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入れ費用や生産子会社の製造費用並びに、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は生産施設における機械装置等の充実のための事業投資であります。

当社グループは、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金にて賄うことを基本方針としつつ、不足が生じる場合は金融機関からの短期・長期借入金により調達しております。また、一部はグループ会社間で融資を行っております。

 

③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を事業別営業利益と設定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度の数値については、次のとおりとなっております。

指標

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

事業別営業利益
(リード端子事業) (千円)

219,815

569,698

事業別営業利益
(光部品・デバイス事業) (千円)

2,358,066

3,556,405

 

上表のとおり事業別営業利益は継続的に増加しており、当社グループの経営上の目標の達成に向け順調に推移しているものと認識しております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

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