業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態の概況

(資産)

当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて1,014百万円増加し、7,761百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金、現金及び預金、ソフトウエアが増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べて757百万円増加し、4,540百万円となりました。これは主に買掛金及び借入金が増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べて256百万円増加し、3,221百万円となりました。これは主に資本金及び資本剰余金が増加したことによるものであります。

 

b.経営成績に関する分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、持ち直しの動きが見られましたが、足元では変異種であるオミクロン株による感染が急速に拡大しており、依然として予断を許さない状況となっております。

当社グループの事業分野である広告業界においては、2020年の日本の総広告費(注)が新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、前年比88.8%の6兆1,594億円と9年ぶりのマイナス成長となりました。その中で、当社が手がけるインターネット広告市場においては、生活様式の変化によるデジタルトランスフォーメーションの加速や巣ごもり需要を取り込み、前年比105.6%の1兆7,567億円の市場規模となりました。しかしながら、繰り返される感染者増加による悪影響を受ける可能性があり、今後も新型コロナウイルス感染症の動向が経済に与える影響に、十分注視する必要があります。

このような状況下において、当社の当連結会計年度の連結業績は下表のとおりとなりました。

 

(単位:百万円)

 

2020年12月期

(累計)

2021年12月期

(累計)

増減額

増減率(%)

売上高

20,447

22,347

1,899

9.3

営業利益

381

348

△33

△8.7

経常利益

402

355

△47

△11.7

親会社株主に帰属する当期純利益

174

127

△46

△26.5

 

また、当社グループは、市場環境が大きくかつ急速に変化する中、迅速に意思決定を行い、中長期での事業拡大を進める体制を構築するため、2021年4月1日よりカンパニー制を導入しております。今後収益の柱となるビジネスの種別・状況毎に、「マーケティングカンパニー」「ソフトウエアカンパニー」「メディアカンパニー」「DXカンパニー」の4つのカンパニーを設置しました。これに伴い、第2四半期連結会計期間より、従来の「ネットビジネス支援事業」の単一セグメントから、各カンパニーを基礎とした報告セグメント(「マーケティング事業」「ソフトウエア事業」の2つの報告セグメントと、「その他」の3区分)に変更しております。各セグメント及びその事業内容については下表のとおりであります。なお、前年同期のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。

 

 

<セグメント区分について>

セグメント名

所属カンパニー

(所属法人)

詳細

マーケティング事業

マーケティングカンパニー

(ソウルドアウト株式会社)

デジタルマーケティングサービス(インターネット広告、データマーケティング・コンサルティング)

ソフトウエア事業

ソフトウエアカンパニー

(SO Technologies株式会社)

ATOM、ライクル、AG-Boostを中心とした、ソフトウエアサービスの開発・販売

その他

メディアカンパニー

(メディアエンジン株式会社)

コンテンツマーケティングによる集客及び収益化支援

DXカンパニー

(アンドデジタル株式会社)

データ可視化によるDXコンサルティング支援、クラウドサービスのインテグレーション、DX人材の人材派遣・育成サービス

 

セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。

 

<セグメント別業績>                               (単位:百万円)

 

 

2020年12月期

(累計)

2021年12月期

(累計)

増減額

増減率

(%)

マーケティング事業

売上高

19,044

20,368

1,323

6.9

 

売上総利益

2,792

2,771

△20

△0.7

 

営業利益

1,287

1,063

△223

△17.3

ソフトウエア事業

売上高

1,340

1,798

458

34.2

 

売上総利益

811

998

186

23.0

 

営業利益

208

218

9

4.7

その他

売上高

492

874

381

77.5

 

売上総利益

320

721

400

125.1

 

営業利益

△104

△12

92

調整額※

売上高

△429

△694

△264

 

売上総利益

△111

△159

△48

 

営業利益

△1,009

△921

88

合計

売上高

20,447

22,347

1,899

9.3

 

売上総利益

3,813

4,331

517

13.6

 

営業利益

381

348

△33

△8.7

※ 調整額は、セグメント間取引及び報告セグメントに帰属しない全社費用であります。

 

<マーケティング事業>

当社の主力事業であるデジタルマーケティング事業は、検索連動型広告を主とした運用型広告を中心にサービスを提供し、長引く新型コロナウイルス感染症の影響下においても売上高は回復傾向にあり、増加いたしました。一方、売上総利益においては利益率の高い自社商材及び高付加価値商材の提供を強化いたしましたが、メディアからのインセンティブ獲得が減少し、前年比で減少いたしました。

また、カンパニー制導入の影響による人員減を補う業務効率化施策の導入費等により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益が減少いたしました。

 

<ソフトウエア事業>

第1四半期の顧客の年度末需要及び第4四半期の年末需要の取り込みにより、「AG-Boost(運用型広告を中心とした自社開発ツールと人的支援のオールインワンサービス)」が大幅に伸長し、業績に大きく貢献いたしました。更には新規顧客獲得が好調に推移した「ライクルGMB(Googleマイビジネスの簡易的な登録と集客を支援するサービス)」も着実に成長し、売上高及び売上総利益は好調に推移いたしました。営業利益においては、エンジニアを中心とした中途入社者等により販売費及び一般管理費が増加し、微増に留まりました。

 

<その他>

メディアカンパニーにおいては、メディアのマネタイズ支援サービスが継続して伸長し、業績を牽引いたしました。同サービスは新規事業として投資を継続しておりますが、その成果が順調に拡大しております。

DXカンパニーにおいては、アンドデジタル株式会社への社名変更やグループ内組織再編による事業の承継等を行い、2021年7月1日以降の新たな組織による営業を開始し、事業基盤の整備に注力いたしました。

 

(注)出典:株式会社電通「2020年 日本の広告費」

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末(2,397百万円)に比べて202百万円増加し、当連結会計年度末には2,599百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は608百万円(前年同期は470百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は792百万円(前年同期は506百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は386百万円(前年同期は348百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による収入があったことによるものであります。

 

資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主な資金需要となる、運転資金及び設備投資資金につきましては、金利コスト等を勘案しながら、自己資金又は借入により資金調達することを基本としております。

なお、当社グループは運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行5行と総額29億円の当座貸越契約を締結しており、緊急の資金需要等の流動性リスクに備えています。

流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)」に記載しております。

 

③生産、受注、販売及び仕入の実績

a.生産実績

当社グループの主たる事業は、マーケティング事業及びソフトウエア事業であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

増減率(%)

マーケティング事業

ソフトウエア事業

その他

20,368

1,798

874

6.9

34.2

77.5

合計

23,041

10.4

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。

   2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④ 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

増減率(%)

マーケティング事業

ソフトウエア事業

その他

17,596

800

153

8.3

51.5

△11.0

合計

18,550

9.4

(注)1.金額は、仕入価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウイルスの感染症の影響による会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、当連結会計年度末現在における判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものでありますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容

「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

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