課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「家族の笑顔があふれる幸せ創造カンパニー」をビジョンに掲げ、その具現化のため「仕事と家庭の両立応援」「未来を担う子どもたちの成長応援」を全従業員の使命とし、「子どもたち」「地域社会」「当社株主」「顧客」「従業員」「取引先」などステークホルダーとの信頼構築に努め、共存共生を基軸とした経営展開を図り、企業価値の向上に取り組んでおります。

 当社グループは、中期経営計画(2022~2024)において2024年を最終年度とした当社グループのありたい姿を「関わる家族15万人の笑顔をつくる」と策定し、各種施策に取り組んでまいりました。中期経営計画(2022~2024)の目標値に対する進捗状況及び外部環境の変化等を鑑みローリング方式にて連結計画の見直しを行い、2025年5月期の目標値を連結売上高120億円、連結営業利益660百万円と致しました。

 

経営理念

・私たちは、人間としての成長と、志を共にする仲間との信頼関係を大切にし、幸せな人生を追求します

・私たちは、感謝の気持ちを持ち、人々に喜びを与えることを自らの喜びとし、社会に貢献します

・私たちは、情熱を持って一人ひとりが自発的に考動し、新しい価値の創造に挑戦します

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

① 人材

 当社グループが持続的な成長を進めるためには、環境の変化に適切に対応し、安定した利益確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題と認識しており、そのためには各事業にとって優秀な人材の育成及び確保が不可欠であります。このため、従業員研修や管理職候補者研修などの階層別研修を充実させるとともに、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置等により、士気の高揚や潜在能力が顕在化できるよう取り組んでまいります。当社グループでは国籍、性別、性的指向、年齢等様々な人材の多様性を尊重し、社員一人ひとりの能力が最大限発揮される環境づくりを行い、管理職や役員においても価値観や働き方のダイバーシティを推進することで優秀な人材を確保し、より効率的かつ多面的な観点から企業価値向上に資するように努めてまいります。さらにワーク・ライフ・バランスの充実を目指し、年間休日の増加、計画有給の管理、子どもの看護休暇・介護休暇の有給化、時間有給、積立有給、カムバック制度の導入など、様々な従業員が働き続けやすい企業風土の醸成に取り組んでまいります。

 

② 経営環境の変化への柔軟な対応と効率的な経営資源の活用

 当社グループの事業領域は多岐にわたっておりますが、それぞれの市場の動向にすばやく柔軟に対応していくために、市場の状況や顧客のニーズを的確に把握し、競合に先んじた戦略を立案してまいります。経営資源を適切に配分し、設備投資、事業提携、M&A、事業の撤退・縮小といった判断をタイムリーに行ってまいります。

 

③ 新たな事業

 企業収益を確保し、成長し続けるためには、既存事業の伸長はもとより、従来とは異なる事業並びに既存事業のノウハウを活用した新規事業など、新たな事業を創出していくことが重要な課題と認識しております。そのためには社内リソースの活用だけではなく、外部リソースを活用することが重要と考えており、事業提携やM&A等のあらゆる可能性を追求してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、経営指標としては利益の確保に加え、キャッシュ・フロー経営を重視し、企業価値の増大に努めてまいります。また、配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、20%を基本方針として安定配当の継続に努めてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 保育所等については、厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」によると、2021年4月1日時点における待機児童数は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う利用控えもみられ5,634人と前年同時点から6,805人減少しましたが、女性の就業率の上昇にともない実際に保育所等を利用する児童の数は前年比4,712人増の274万人と引続き需要が旺盛な事業環境となっております。また、学童保育については、厚生労働省「2021年放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」によると、2021年5月1日時点で、待機児童数が13,416人と、前年比で2,579人減少しておりますが、依然として高水準となっております。共働き世帯の増加や働き方の多様化が進む中、学童保育を含め需要に追い付いていない状況と考えられます。

 当社グループはこのような社会ニーズに対応すべく、就労支援事業における多様な雇用機会の提供、放課後・保育事業における施設の新規開設等を行っていく必要があると認識しており、そのため、次の6項目を重点項目として取り組んでまいります。

 

① 多様なワークスタイルの提案

 当社グループは、就労支援事業において、パートタイマー型勤務や一週間に2日もしくは3日の勤務など、仕事と家庭の両立がしやすいワークスタイルを提案し、子育て中の家庭を中心とした潜在的な労働力の労働市場への参加促進を行っております。当社グループの就労支援事業は、結婚、出産を機に離職した女性の「もう一度働きたい」、「家族との時間を大切にしたい」という想いを全力でサポートします。

 

② 人材確保

 当社グループが運営しております3事業ともに、事業拡大にあたって、人材の確保が急務であるため、就労支援事業のノウハウを活かし優秀な人材の確保に努めてまいります。雇用条件の改善にとどまらず、勤務時間の柔軟性、働きやすい環境づくりに注力してまいります。また、新卒の採用にも積極的に取り組んでまいります。

 

③ 人材育成の強化

 当社グループが運営しております3事業ともに、安全で質の高いサービスを提供するために、人材育成に取り組んでまいります。そのために、自治体主催の研修への参加、eラーニング導入による社内の研修・勉強会などの研修カリキュラムの充実、各種研修等への参加率のアップを図ってまいります。

 

④ 保育園開園用不動産の確保

 当社グループは、保育園を開園するにあたり、不動産所有者から土地や建物を賃借しておりますが、自治体や保護者の要望に応えられる候補地を短期間で探し出す必要があります。そのために、不動産業者や金融機関等と不動産情報を入手できるネットワークを構築してまいります。

 

⑤ 放課後事業の収益構造の改善

 当事業は公設民営事業であり、自治体による予算格差があるため、これに起因した拠点ごとに利益率の差が存在しております。今後は適切な利益が確保できる地域での新規開設及び既存自治体でのドミナント開設を進めてまいります。また、それとあわせてICT化の推進等により生産性の向上を図ることで、収益構造を改善してまいります。

 

⑥ コンプライアンス強化

 当社グループが運営しております3事業ともに、関連法令諸規則の改正が多く、また多くの個人情報を取り扱っております。法令遵守、改正された法令への対応、個人情報の適正な管理が事業継続の前提条件と考えております。コーポレート・ガバナンス体制の強化を目指し、コンプライアンス推進体制、内部統制の整備・運用の徹底に取り組んでまいります。

 

 

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