業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響拡大により、経済活動、消費活動が減退する極めて厳しい状況が続きました。ワクチン接種が促進されるなか、新規感染者数の減少に伴う経済の持ち直しが期待されたものの、新型コロナウイルス変異株の流行、ウクライナ情勢の緊迫化、物価の上昇、円安の進行など先行きが不透明な状況が続いております。

当社グループに関係するデジタル家電業界は、法人向け市場において、企業の設備投資にゆるやかな回復傾向が見られました。個人向け市場においては、前年度からのテレワーク需要が一服した事により、パソコン周辺機器の需要に減退が見られました。また、生麺業界は、家庭用チルド麺市場において、前年特需の反動や天候不順の影響もあり縮小しましたが、家庭用冷凍麺市場においては拡大が続きました。一方、業務用冷凍麺市場においては、行動の制限と緩和が繰り返されたものの、回復傾向にあり前年を上回りました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ99億95百万円増加し、957億98百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ9億34百万円減少し、326億74百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ109億30百万円増加し、631億23百万円となりました。

 

b.経営成績

こうした状況下、IT関連事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る政府方針に全面的に協力する基本指針を基に、テレワークの実施、オフィス内での分散勤務、遠隔会議システムの利用など業務継続を確保するための対策を継続し、安定した商品供給と主力商品の積極的な販売活動に努めました。また、食品事業においても、引き続き感染対策を徹底の上、商品の安定供給に努めると共に、販売食数・売上・シェアの拡大に取り組みました。

 

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,441億37百万円、営業利益126億98百万円(前年同期比43.5%増)、経常利益130億83百万円(同44.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益93億46百万円(同41.1%増)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。これに伴い、従来は販売費及び一般管理費に計上しておりました販売促進費等の一部を、売上高から控除しております。その結果、当連結会計年度における売上高については、従来の計上方法と比較して、2億27百万円減少しております。これにより、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高について前連結会計年度と比較しての前年同期比(%)を記載せず説明しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は218億34百万円となりました。キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は10億5百万円となりました。これは主に、税金等調整前当純利益130億36百万円、減価償却費22億80百万円、棚卸資産の増加による資金減少79億79百万円、法人税等の支払43億41百万円、仕入債務の減少による資金減少12億45百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は18億39百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入72億89百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出67億14百万円、無形固定資産の取得による支出12億87百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は69億58百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出46億68百万円、配当金の支払13億91百万円、長期借入金の返済による支出8億99百万円によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

IT関連

74,780

103.5

食 品

20,114

101.8

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注状況

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

IT関連

112,161

114.5

食 品

31,317

100.4

金 融

657

83.7

その他

1

100.0

合計

144,137

110.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Amazon.com Int'l Sales, Inc.

17,853

13.7

17,780

12.3

ダイワボウ情報システム

株式会社

16,634

12.8

16,637

11.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

[流動資産]

当連結会計年度末の流動資産の残高は、697億22百万円となり、19億62百万円増加しました。これは主に、商品及び製品の増加50億12百万円、原材料及び貯蔵品の増加30億10百万円、受取手形及び売掛金の増加13億52百万円、現金及び預金の減少78億29百万円によるものです。

[固定資産]

当連結会計年度末の固定資産の残高は、260億75百万円となり、80億32百万円増加しました。これは主に、投資有価証券の増加74億33百万円によるものです。

[流動負債]

当連結会計年度末の流動負債の残高は、296億18百万円となり、4億58百万円増加しました。これは主に、契約負債の増加10億97百万円、電子記録債務の増加4億10百万円、支払手形及び買掛金の減少8億97百万円によるものです。

[固定負債]

当連結会計年度末における固定負債の残高は、30億56百万円となり、13億93百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少8億61百万円、その他固定負債の減少5億12百万円によるものです。

[純資産]

当連結会計年度末における純資産の残高は、631億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ109億30百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の獲得93億46百万円、自己株式の処分75億70百万円、自己株式の取得46億68百万円、剰余金の配当13億91百万円によるものです。

2)経営成績

当連結会計年度のセグメント別の業績は次のとおりであります。

IT関連事業

主力とするパソコン周辺機器市場において、法人向け市場は大容量NAS「TeraStation」のリプレース時の業務負担を軽減する「設定・データ移行機能」の提供や、セゾン情報システムズのIoTデータ連携ソリューション「HULFTIoT」の共同開発を発表するなど、高付加価値商品の拡販に注力しました。個人向け市場はWi-Fi6対応ルーター※1中継器において、つなぐだけで親機と中継器同士が互いに通信しあい、網目(メッシュ)状にネットワークを構築する「Wi-Fi EasyMesh™」に対応した商品を展開しました。また株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)協力のもと継承したネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne(ナスネ)®」※2を上市し、新たな需要喚起に努めました。これらにより売上高は維持したものの、価格競争の激化及び世界的な半導体不足等による供給面での制約や原材料価格の高騰により厳しい収益環境となりました。

一方、当社グループ会社が国内代理店を担っている高性能空気清浄機「Airdog」において、新型コロナウイルス感染症拡大による清潔意識の向上と室内の空気質に対する関心の高まりにより、過去最高の販売台数を更新し、売上高・利益増加に大きく貢献しました。また、AMD社製CPU「RYZEN」※3及びグラフィックボードの販売も好調に推移しました。「バッファロー正規データ復旧サービス」においても、感染防止対策のためWebによる受付を活用し受付件数が累計5万1千件を超えて順調に推移いたしました。

その結果、売上高1,121億61百万円、セグメント利益118億56百万円(前年同期比48.9%増)となりました。

食品事業

販売面では、家庭用は、西日本向け新商品を投入した「太鼓判」、「流水麺」・「もみ打ち」・「鉄板麺」等のブランド商品、家庭用冷凍麺等の拡大に努めましたが、前年特需の反動や天候不順の影響もあり売上は減少しました。業務用は、前年の大幅減の反動に加え、大手需要家への新規導入や学校給食の導入拡大等により売上は増加となりました。利益面では、主原料の小麦粉・そば粉をはじめとする原材料・資材やエネルギー価格が上昇する中、引き続き商品原価の低減や経費の削減に取り組むと共に、2022年3月1日より商品価格の改定を実施しました。一方で、テレビCMや消費者キャンペーン等の広告販促費を積極的に投入いたしました。

その結果、売上高313億17百万円、セグメント利益22億19百万円(前年同期比1.5%増)となりました。

金融事業

難しい運用環境が続き、売上高6億57百万円(前年同期比16.3%減)、セグメント利益1億70百万円(前年同期セグメント損失63百万円)となりました。

 

※1:Wi-Fi及びWi-Fi EasyMeshは、Wi-Fi Allianceの商標または登録商標です。

※2:「nasne(ナスネ)®」は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標です。

※3:AMD、Ryzen及びこれらの組み合わせは、Advanced Micro Devices, Inc.の商標です。

3)資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要は主に、商品及び原材料仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期性の資金需要は、設備投資、システム投資及び更なる成長に向けたM&Aを含む成長投資等によるものであります。

運転資金及び長期性資金は、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社にて一括運用・調達を行うことにより、グループの資金効率の向上を図っております。

 

4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債および当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

主な経営指標

 

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

流動比率

(%)

235.8

238.9

232.4

235.4

固定比率

(%)

39.2

37.7

34.6

41.3

自己資本比率

(%)

61.7

61.2

60.8

65.9

売上高営業利益率

(%)

5.5

3.6

6.8

8.8

売上高経常利益率

(%)

6.0

4.3

7.0

9.1

売上高当期純利益率

(%)

3.5

2.7

5.1

6.5

自己資本当期純利益率

(ROE)

(%)

6.9

6.5

12.7

16.2

総資本経常利益率

(ROA)

(%)

7.4

6.2

10.6

13.7

従業員1人当たり売上高

(百万円)

59

63

69

75

従業員1人当たり当期純利益

(百万円)

2

1

3

4

(注)1.「当期純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」を使用しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営資料については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

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