文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「画像一筋」を企業理念とし、以下の経営方針を定めております。
・画像処理技術を広めることにより豊かな社会作りに貢献する。
・顧客満足度の高い画像ビジネスのトータルソリューションを創造し、画像処理システムクリエイターとなる。
・究極の画像処理システムを追求する。
これら基本方針のもと、当社グループは、「人間の目の代わりになる検査技術の確立」を基本コンセプトとした画像処理検査アルゴリズムの開発を進めるとともに、これまで培ってきた画像検査の経験・知見とを組み合わせたソリューションサービスの提供を行うことにより、独自のビジネスモデルによるサービス提供を進めて参ります。
(2)目標とする経営指標
当社グループが目標とする経営指標は、連結営業利益率15%以上、自己資本当期純利益率(ROE)15%以上としております。当社グループの製品である画像処理検査装置は、国内外の5G関連スマートフォン向けコネクタ及び自動車コネクタやMEMS等の電子部品の画像検査設備への売上構成比が高い傾向にありますが、そのコネクタ・電子部品の画像検査用途も、多様化とともにニーズも国内外問わず増加していくと予想しています。また、他分野においての新規顧客の開拓にも注力しており、安定的な利益率の確保を目指して参ります。また、株主価値の最大化のため、強固な財務体質の維持に注力して参ります。目標とする経営指標の実績推移は以下のとおりとなります。
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第15期 |
第16期 |
第17期 |
第18期 |
第19期 |
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2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
営業利益率 |
14.1% |
15.2% |
13.4% |
17.3% |
16.9% |
自己資本当期純利益率(ROE) |
20.1% |
19.1% |
12.2% |
15.7% |
14.8% |
(3)経営環境
画像処理検査装置業界は、5G関連デジタルデバイス設備投資および自動車の電子制御化に伴う車載電子部品の画像検査設備の需要が堅調に推移しております。また国内外を問わず、生産ラインの自動化、省力化ニーズの高まりの動きがより一層増加する傾向にあります。しかしながら、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいる半面、新たな変異株発生に対する感染拡大の収束時期が見通せない状況が続いており、ウクライナ情勢などの地政学的リスクに対する懸念も広がりを見せる中、世界的な半導体不足とサプライチェーンの混乱の影響もあり、予断を許さない状況が続くものと予想されます。
このような経営環境の中、当社グループは市場や顧客の動向を注視しながら、今後の事業機会を確実に獲得していくため、当社グループは国内外における販売体制の強化、及び研究開発のスピードアップに一層注力して参ります。
(4)経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記経営方針のもと、当社グループは、中期経営計画を策定しております。計画を達成するための戦略として、以下の事項を対処すべき課題と認識し、持続的かつ健全な成長を目指して重点的に取り組んで参ります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 新規市場の顧客開拓及びアライアンス体制の構築
当社グループの製品である画像処理検査装置は、コネクタ部品や半導体及び電子部品(セラミック部品・MEMS(Micro Electro Mechanical System)等)の画像処理検査に利用されるケースが多く、当社グループは、それらの部品を製造する電子部品メーカーに対する販売が売上高の多くを占めております。当社グループは、今後持続的な成長を志向するにあたり、電子部品(コネクタ部品を含みます)の画像処理検査で培ってきたノウハウをもとに、コネクタ・セラミック部品・MEMS以外の電子部品、及び当社製品の活用が可能な自動車電子制御部品、半導体メーカー等、又それら以外の業種の新規顧客の開拓が必要であると考えております。
そのため、当社グループは、各業種の関係メーカー及び設備メーカー、ロボットメーカーとのアライアンス体制を構築することや、既に当社製品を採用している顧客についても、製品の採用工程の拡大を推し進めるといった追加需要を発掘するための対策を取ることによって、持続的な成長基盤の確立に取り組んで参ります。
② 開発力の強化
当社グループは、顧客ニーズに沿った製品リニューアルやモデルラインナップ拡充、製品の機能拡張による高付加価値化の実現、及び、大型電子部品の外観検査自動化をはじめとする市場ニーズを先取りした開発を進める等、経営方針に定める究極の画像処理システムを追求するための開発力強化の為、新卒を含む人材採用と育成に取り組んで参ります。
③ 経営環境の変化への対応
当社グループの属する画像処理検査装置業界は、アジア諸国の製造業において、目視検査の限界から画像処理検査装置の導入が進み、人による作業から機械化、自動化へシフトする動きが加速しており、今後、すでに機械化、自動化が進んでいる欧米諸国同様に安定的な需要が見込まれます。
当社グループは、このような経営環境の変化をビジネスチャンスと捉え、海外拠点を中心に、東アジア、東南アジア諸国、及び米国の市場へ向けてビジネスを展開して参ります。
④ 知名度の向上
当社グループは、事業計画を達成するうえで、知名度の向上が重要であると認識しております。そのために展示会やWEB広告、セミナー等への積極的な出展のほか、プライベートショーを開催し、知名度の向上を図って参ります。
⑤ 営業力の強化
当社グループの営業部門は高度な画像処理ソリューションを提供する少数精鋭の人員体制で運営されており、コネクタを含む電子部品・半導体市場で培ってきたノウハウを活かしたソリューション提案、企画等により、営業活動を推進して参りました。
今後は、新規市場の顧客開拓・製造工程の自動化により、さらに受注機会が増加することが予想されることから、営業意識の改善、状況に応じた組織体制変更、営業人員の育成に注力するとともに、即戦力となる営業人員の採用を行い、営業力の強化を図って参ります。
⑥ 新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、国内外顧客の工場稼働率低下や設備投資の一時凍結等、先行き不透明な状況が続いております。
一方では、今後、感染症予防策として、生産現場の省人化を推し進めるための検査工程自動化の動きが加速する動きも見られました。当社グループはこれらの事業機会を確実に獲得していくため、国内外における販売体制の強化、研究開発のスピードアップに一層注力して参ります。
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