課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 1.経営方針

  (1)会社の経営の基本方針

AV関連事業においては、当社グループを取り巻く市場の状況は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ステイホームが叫ばれるなか、家庭内でのテレビ視聴の需要は拡大しているため、そのソリューションを自社内で独自に開発できる当社グループは、該当分野における製品開発という点において、OEM製品、自社製品共に相当程度の競争優位性を持っております。今後は、クラウド等の最新の技術要素を既存製品に取り込み、AV事業とは異なる新たな事業領域も積極的に開拓し、他社との差別化を図ってまいります。

家電事業においては、いち早く市場のトレンドを捉え、ユーザー目線での商品開発が進められることが強みであり、市場の状況に合わせ、柔軟に戦略を立て、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、売上、利益の減少を取り戻していくことが必要であると認識しております。今後、需要の拡大が見込まれる調理家電分野、空調関連分野に引き続き注力してまいります。

 

  (2)目標とする経営指標

当社グループは、製品開発を強みとするメーカーとしての企業価値の向上と財務基盤の強化を目指すため、革新的な製品を生み出すこと及び営業キャッシュ・フローの最大化を目標として取り組んでおります。

 

  (3)中長期的な会社の経営戦略

AV関連事業において、特に成長分野として期待されているのはスマートフォン、タブレット端末、クラウドといった情報通信技術及びAI技術を組み合わせた製品であります。当社はプロジェクトごとにソフトウエアとハードウエアの技術者をクロスオーバーさせ、パソコン周辺機器からデジタルテレビに至る製品を全て自社の技術で開発してまいりました。当社は今後とも、これまで培ってきた技術と人材を有効に活用し、AV事業とは異なる新たな事業領域を開拓し、新たな技術(特にAI)やAIを搭載した製品群を創出していきたいと考えております。

家電事業においては、マーケティング戦略を重視し、ユーザーニーズに合致した付加価値の高い製品を市場にいち早く投入していくことを目指してまいります。

また、両事業において製造設備を持たないファブレス経営を維持し、品質、コスト、納期などを勘案しつつ、その時点で適切と判断した場所で生産を行ってまいりたいと考えております。

 

 2.経営環境及び対処すべき課題

デジタル機器の市場は力強さを欠く状況が続いておりますが、一方で、IoTやAI、ビッグデータなどの技術を活用した革新的な機器やサービスの市場は拡大しつつあります。このような環境において当社グループが対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 

①収益基盤の確立

・当社がこれまで独自開発してきたテレビをはじめ、様々な映像コンテンツを楽しむことを可能にするテレビプラットフォームのアセットを徹底的に活用し、それらのクラウド化やライセンス化を進めることにより、メーカーの枠を越えて当社のテレビプラットフォームソフトウエア及びハードウエアのシェアの拡大を図ってまいります。

・日本と同様の放送規格を持つ海外市場への当社テレビプラットフォームソフトウエア及びハードウエアの販売網の拡大に努めてまいります。

当社独自のクラウドソフトウエア開発技術とAI関連技術を活用してSaaS市場への参入を計画しており、現在のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するうえで非常に有効であるノーコード/ローコードで実現することによってプログラミング経験が少ない人にもAIをもっと身近に、手軽に使えるようにする革新的なサービスの開発を進めてまいります

 以上の取り組みにより、安定的に売上及び利益を上げていくような仕組みづくりを推進してまいります。

 

②新製品の開発

 当社がこれまで研究開発を行ってきたスマートホーム分野におけるIoT関連技術を活用した新しいオーディオヴィジュアル体験を可能にする新製品の開発に努めてまいります。また、前期において大きく成長を遂げたRe・Deブランドの新たなカテゴリーの新製品(調理家電分野、季節家電分野、理美容家電分野)の開発に努めてまいります。

 

③自社製品ブランドの確立

 「AV関連事業」及び「家電事業」のそれぞれについて、ブランドコンセプトや製品の認知を目的としたブランディング及びマーケティングに注力してまいります。具体的な施策としましては、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)を活用したカスタマーエクイティーの向上やメディア、SNSを通じたプロモーション、オウンドメディアの育成、グループブランディングの確立等の施策を行ってまいります。

 

④経営戦略資金の確保
 第11回新株予約権(行使価額修正条項付)につきましては、当連結会計年度において全ての新株予約権が行使され54百万円調達しました。さらに、EVO FUNDを割当先とする第3回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)及び第12回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行しました。

 第3回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)につきましては、2022年4月に払込が完了し5億円を調達しており、当連結会計年度末までに全ての新株予約権の権利行使が行われました。

 第12回新株予約権(行使価額修正条項付)につきましては、当連結会計年度において権利行使が進み1億97百万円調達しております。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、第12回新株予約権(行使価額修正条項付)(以下「本新株予約権」という。)につきましては、2022年10月において、残存する全ての当該本新株予約権を取得するとともに、取得後直ちに消却しております。

 また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、2022年10月において、EVO FUNDを割当先とする第4回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)及び第15回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行しております。

 第4回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)につきましては、2022年10月に払込が完了し2億50百万円を調達しております。

 第15回新株予約権(行使価額修正条項付)につきましては、新株予約権が直近の行使価額(8.2円)で権利行使された場合には、6億61百万円の資金調達が可能であります。

 引き続き、必要に応じて事業資金の確保を図ってまいります。

 

⑤固定費削減と原価低減コスト削減による収益体質への構造改革
 業務委託先の変更の検討及び試作費等の外注加工費の削減による原価低減に努めてまいります。また、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に導入した在宅勤務制度の活用による固定費の削減及び賃貸オフィスの縮小の検討に努めてまいります。

 

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