当社グループは、ハードウエアとソフトウエアの自社開発をベースに、コーデック技術、画像処理技術、ISDB(統合デジタル放送サービス)コア技術、ネットワーク技術を活かした、家電向けデジタルホームAV、パソコン向けテレビキャプチャー、モバイル(iOS/AndroidOS)向けデジタルテレビアプリケーション、USB接続LTEドングルで事業展開を行っております。一方AV事業領域とは異なる新たな事業領域開拓に向けて、所有する技術の活用だけでなく、新たな技術取得の為の研究開発も既に開始しております。
当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発活動の概要は、以下のとおりであります。
(AV関連事業)
IoT事業においては、「今どきの視聴スタイルを実現するサービス」を実現するための開発の領域を更に拡げ、当社事業領域全域にわたるアプリケーションソフトウエアとソリューション開発を進めております。その内容は、新たな画像・動画共有アプリケーションソフトウエアとそのソフトウエアにコンテンツを供給するための画像取得システム、マルチチャンネル録画システム、それらのコンテンツをお客様が安心して頂ける形で保存するクラウド録画システムであります。このソリューションに含まれる基礎技術は、当社が所有する開発済みソフトウエアをベースとしており、それを発展させ、さらに追加開発する形で作られております。対象市場は民生市場だけに留まらず、業務用市場にまで対象にすることが可能であります。2021年11月17日に当該研究開発を具現化した製品及び関連する技術について第一弾を発表いたしました。2023年度には、さらに当該システムをより拡張・拡大するための研究開発と製品化を継続して行ってまいります。
ホームAV事業においては、外務省によるボツワナ国向けのODA事業(Official Development Assistance(政府開発援助))に取り組んでおります。当該事業の中で開発したEWBS(Emergency Warning Broadcast System)機能とデータ放送機能に対応したセットトップボックス(STB)は、命を守る防災端末としての側面があります。前連結会計年度において研究開発が完了し製品化を実現し、この命を守るSTBをボツワナ国の貧困者層と障害者層の方々に配布することが出来ました。この経験をもとに次の当社のTV放送に関する技術資産活用としての研究開発がスタートしており、ISDB-T(総合デジタル放送サービスの地上デジタルテレビ放送用の規格)採用国の半数以上が存在する中南米市場へ展開するべく、中南米向けEWBS対応STBの開発に取り組んでおります。総務省の事業により、中南米のペルー国ではこれまでのEWBS運用とは異なる、独自のEWBS運用が行われようとしております。当社ではこの独自のEWBS運用方法にも対応したSTBの研究開発に取り組んでおります。最終的にはペルー国への製品展開を目指しております。通常、EWBS信号はフルセグ電波に重畳されて届きますが、ペルー国では、TVを対象にしたEWBS運用において、ワンセグにEWBS信号を重畳させる方法が既に実用化されております。この方法は、総務省の事業を通じて中南米のペルー以外の国へも紹介がなされており、実運用される可能性があるため、ペルー以外の国々への展開を視野に入れて取り組んでおります。さらに、中南米で今後実施されていくASO(Analog Switch Off)時に発生するSTB需要も見据えて、ユーザーの命を守る当社のEWBS対応STBの普及活動に取り組んで参ります。一方、独立行政法人国際協力機構(Japan International Cooperation Agency (JICA))から受注しましたエクアドル国を対象としたSDGsビジネス支援事業調査案件にも取り組んでおります。当該調査を通じて、エクアドル国におけるEWBS対応STBの需要が明らかとなり、さらには中南米市場全体へ弊社製品を展開する際の生産課題が判明しました。現地の皆様にお求めやすい価格でご提供できるような、生産技術開発も含め課題の解消の実現に向けて取り組むことで、中南米全体の地デジ化の促進とEWBS運用を促進し、更に既に営業活動を開始したアジア(2ヶ国)、アフリカ(2ヶ国)の日本放送方式採用国への展開も視野に、中南米(13ヶ国)と共に命を守るSTBの普及を図りたいと考えております。
一方、今後のAV市場の動向も踏まえ、地上デジタル/新4K8K衛星放送対応ターンキーTVスタックソフトウエアの開発完了によるリソース確保と収益の安定化に伴い、既にAV事業とは異なる新たな事業領域への開発活動を開始しております。弊社はソフトウエアだけでなく半導体設計まで含めた技術を所有しておりますので、日本において課題となっておりますハードウエア・ソフトウエア技術の底上げに貢献すべく開発活動を強化して参ります。
なお、2022年9月期末現在の従業員88名のうち、研究開発スタッフは54名であり、当連結会計年度における研究開発費の総額は
(家電事業)
新製品の投入にあたり、サンプル品の設計・デザイン・色味等を検証し、必要に応じ仕様の変更を行いました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
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