事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。但し、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。当社グループではこうしたリスクを認識した上で、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項」に記載のリスク管理体制に基づき、全社的リスクマネジメント体制を整備しております。

なお、本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2022年5月27日現在において判断したものです。

 

<市場および事業活動に関するリスク>

(1) 急激な市場の変化

当社グループは、先進性のある技術を積極的に開発し、多様化する市場ニーズを満たし、常に他社の一歩先を見据えた製品づくり、システム・サービスの提供を行っております。これにより製品、システムの付加価値を高め、市場における圧倒的な差別化を図っております。しかしながら、競争力のある他社製品の出現や新規企業の参入による競争の激化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 欧州における市場変動

当社グループの連結売上高に占める欧州向けの売上割合は、当連結会計年度は35.1%(前期は36.2%)となっております。そのため、欧州の景気が低迷する場合、新たな関税やその他の輸出障壁が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 外国為替の変動

当社グループは欧州、米国、中国等の主要販売地域での取引においては現地通貨建てでの販売を行っており、売上割合が高い欧州の通貨、特にユーロ建ての売上の比重が高くなっております。一方、米ドルにつきましては、米国その他の地域における米ドル建の販売より部品調達において支払う米ドルの金額が大きくなっております。従いまして、売上高・各段階利益につきまして、円に対してユーロ高は正、ドル高は負の影響を受けることとなります。為替変動リスクについては為替予約や米ドル建の販売拡大等の直接的・間接的なリスクの軽減又は回避に努めておりますが、為替変動により取引価格や売上高等が影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 使用部品の調達

当社グループは、製品を構成する液晶パネル・半導体や機構材等すべての部品を外部供給者から調達しており、採用する部品の選定や仕入先の決定は、安定供給能力や事業継続計画の有無等の総合的な評価により行っております。また、仕入先との長期的な信頼関係の構築、顧客への安定的な製品供給を実現するための戦略的な在庫の積み増し、部品選定において複数購買先、複数工場・材料あるいは代替品の事前認定等、部品の調達問題に起因する影響を最小限に抑える管理体制を構築しております。しかしながら、世界的な半導体需給の逼迫や原材料の高騰による調達困難、仕入先の事業の統合や売却等による業界再編や生産撤退または事故や自然災害等の影響により使用部品の供給が逼迫した場合、一定期間において当社グループにおける生産の停止、販売の遅延等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 品質問題

当社グループは、品質に不具合のある製品の市場流出を確実に防止するため、統一された品質基本方針に基づき、国際標準化機構(ISO)による各種品質マネジメント規格の認証の下、企画・開発から、製造・販売・アフターサービスに至るすべてのプロセスにおいて、当社独自の一貫した品質マネジメントシステムを構築し、継続的に各プロセスの改善を推進しております。また、万が一、安全や品質に関わる問題が発生した際は、迅速かつ的確な対応を実施し、問題の多発拡大を防止する体制を整えています。しかしながら、当社グループの製品に重大な品質問題が発生した場合には、ブランドの失墜、信頼性の毀損、損害賠償の発生、市場の喪失、製品販売の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人材の確保・育成

当社グループが、将来にわたって継続的に企業価値の向上を図るためには、国内外で優れた人材を確保し、育成する必要があります。そのために、人材育成が重要であると考え、進化・成長を促す自由闊達な企業文化の醸成に力を入れております。また、AIやRPAなどの技術の導入やITインフラを活用した業務プロセスの改革を推進し、仕事の無駄や長時間労働を無くし、効率良く働く環境を整えることで、社員のモチベーションと充実感を高めるよう努めております。しかしながら、常に優秀な人材を安定的に採用・確保できる保証はなく、優れた人材が多数離職した場合や育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 濫用的買収に伴う企業価値の毀損

当社グループでは、強みである映像技術を活かし、高品質かつ高信頼性の映像製品を開発、生産、販売し、市場や顧客ニーズに応じた最適な映像環境ソリュ-ションを提供しております。これらの取組みにより業績向上と財務体質の強化に努め企業価値の向上を図っております。しかしながら、当社グループの企業価値を毀損する濫用的な買収が行われた場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) アミューズメント市場向けモニター固有のリスク

①法的規制による変動

当社の主力製品のひとつであるアミューズメント市場向けモニターは、遊技機に組み込まれて使用されます。この遊技機の開発・販売にあたっては、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等様々な法規制・基準を遵守する必要があります。当社はこの法規制・基準の動向について注視し、改正・変更がある場合には速やかに対応しておりますが、法規制等に重大な改正がなされた場合、その影響を受ける可能性があります。

 

②製品のライフサイクル、販売数量等の変動

アミューズメント市場向けモニターが組み込まれている遊技機の販売動向は、市場でのユーザーの嗜好及び当社の販売先遊技機メーカーである三洋物産グループの遊技機の販売、開発、製造状況により左右されます。また、近年パチンコホール数や遊技人口の減少により市場における総販売台数が縮小傾向にあります。このような中、当社グループは市場情報の収集、調査及び分析に努め、市場のニーズを取り入れた新機種の企画・開発を積極的に推進しております。しかしながら、当社のアミューズメント市場向けモニターが搭載される遊技機が人気機種になるとは限らず、また、今後さらに市場が縮小した場合には販売数量が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<公的規制・コンプライアンス、税務に関するリスク>

(1) カントリーリスク

当社グループは、海外においても開発、製造及び販売拠点を有し、グローバルに事業の拡大を進めております。これらの国又は地域での事業活動に当たっては、政治的・社会的な混乱、国際紛争やテロ等の地政学的リスク、経済不安等のカントリーリスクが常に内在しております。当社グループは、当該国又は地域におけるリスクの特性を十分に把握した上で適切な拠点を選択し、有事の際の損害を最小限に抑えるべくリスクマネジメントの強化に努めております。しかしながら、上記リスクの程度によっては当社グループの事業活動が中止又は制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループは従来スウェーデン所在の販売グループ会社にてロシア市場向けの販売活動を行ってまいりましたが、今般のロシア・ウクライナ情勢に鑑み、同市場向けの出荷、新規の受注及びマーケティング・販売活動を全て停止しております。ロシア市場向けの販売実績は2022年3月期では海外売上高の1%未満であり、本対応が当社グループ全体の業績に与える影響は軽微となっております。

 

(2) 環境規制

当社グループは、従来から製品への有害物質や紛争鉱物の使用を排除し、リサイクル性や分解容易性に優れた機構・デザインの採用や製品使用時の消費電力削減に取組む等、一貫して環境に配慮した製品づくりを経営方針としております。また、環境に関する社会動向についても、関連する業界団体に積極的に参画し、情報の収集に努めております。しかしながら、今後新しい環境規制等が施行されることにより、規制に対応する追加コストが発生する場合や適合製品の開発又は市場投入が遅れる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) コンプライアンス

当社グループは、事業を遂行するに当たって世界各国において様々な法令、規則を遵守するため、EIZOグループ行動指針をグループ内に周知しております。また、社内規程の制定によるコンプライアンス体制の整備等、法令遵守には細心の注意を払うとともに内部統制や全社的リスクマネジメント体制の充実・強化を図っております。しかしながら、法規制が複雑化、グローバル化する中、万一法令違反行為が発生した場合や、新たな法規制の制定や改廃に対応できない事態が生じた場合、当社グループの事業活動の制限、社会的信頼の毀損、罰金・課徴金の賦課により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 情報セキュリティ

当社グループは、事業活動を通じて、機密情報や個人情報を取扱っております。このような重要情報の外部流出防止のために、システム及びセキュリティ対策の評価及び強化、社内規程の整備による社内管理体制の強化、役員及び従業員へのサイバー攻撃に対しての訓練や情報管理に対する重要性の啓発・教育に努めております。しかしながら、コンピュータウイルスへの感染、不正アクセスなどにより、システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産権

当社グループが属する映像機器関連業界は、技術革新が著しく、同業他社も含め、各社が特許権、実用新案権、商標権、意匠権等を積極的に出願しております。

当社グループは、独自の技術等について積極的に出願を行うとともに、不用意に他社の特許等を侵害しないよう情報収集を図り、業界標準に対しては適切なライセンス契約を締結するなど、知的財産権の管理を強化しております。また、当社グループの特許権や商標権等の知的財産権に対する他社の侵害状況についても監視や警告体制を強化しております。しかしながら、予期しない特許侵害警告、訴訟、損害賠償請求、ライセンス契約等による多額の弁護士費用等の負担、和解費用、ライセンス費用の支払いが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 税務

当社グループを構成する各法人においては、各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。なお、適用される各国の移転価格税制などの国際税務リスクについて細心の注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生する可能性があります。

 

<感染症、気候変動、自然災害に係るリスク>

(1) COVID-19等の感染症

COVID-19の世界的な拡大に対して、当社グループは事業活動への影響が最小限になるよう対応しております。部品の調達面においては、サプライチェーンの機能不全により当社グループへの部品供給に影響を及ぼす可能性があり、また販売面においては、当社製品の販売時期の延期、顧客訪問の制約に伴う新規顧客や案件の開拓の遅れにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

今後新たな感染症が発生した場合にも、影響を最小限に抑える取組みを実施しますが、同様の影響を受ける可能性があります。

 

(2) 気候変動

当社は、昨年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同表明し、世界的な気候変動による当社グループへの財務影響を分析し、それらの適切な対策の検討と情報開示を進めております。当社グループは開発、資材調達、生産、販売等においてグローバルに事業を展開しており、各国における気候変動に対する政策及び法規制等が強化された場合や気候変動が事業環境の変化をもたらす場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 自然災害

当社グループは、国内外に製造工場や研究開発施設を有しております。そのため、地震や台風、洪水等の自然災害について防災対策を進め、それらに伴う影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)を策定し、体制の整備に努めております。しかしながら、不測の大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの開発や生産、資材調達、物流等事業に重大な影響を及ぼす可能性があり、一定期間の操業の中断、被害を被った設備の修理や交換等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

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