当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、主に以下のようなものがあります。但し、全てのリスクを網羅しているわけではなく、現時点では予見できないリスクや重要と評価されていないリスクについても、将来影響を受ける可能性がないか注視しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済、市場に基づくリスク
当社グループは、交通インフラに関わるシステムやサービスの提供を当社の基幹事業としております。その主要顧客である国内鉄道各事業者の設備投資や、警察等の公共投資の影響を強く受ける分野であります。
そのため、感染症や災害等により人や貨物の輸送量が減少し、運輸収入に大きな影響が生じた場合、国内鉄道事業者の設備投資や公共事業投資が減少して市場規模が縮小し、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
また、主要顧客の設備投資及び公共投資が当社の需要の中心となっているため、当社グループの売上の比重は期末に高くなる傾向があります。
(2)製品の特性に基づくリスク
当社グループで製造・販売している鉄道信号や交通信号システム、駅務自動化システム関連の製品は、重要な社会インフラである「交通」を支えております。また、実証実験に参画している鉄道と自動車の自動運転に係わる新技術なども含め、極めて高い安全性が求められます。そのため、故障・誤動作等の障害が発生した場合、深刻な公共交通のマヒあるいは利用者の人命や財産に関わる安全を損なう事態を招く恐れがあり、各関係者の被害に関する損害の賠償請求を受け、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループが何よりも優先すべきことは「安全と信頼」であり、これを頑なに守り続けることが必要であります。そうしたことから、グループ理念に掲げる安全への想いを未来に継承していく拠り所として、安全信頼創造センターを設立し、安全理論の研究、蓄積や社員の安全教育を実施しております。
(3)競合、取引先に関するリスク
主要顧客である国内鉄道各事業者や、警察等の官公庁からの発注は一般競争入札に基づいており、参入業者間の競合による価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
海外事業についても同様であり、特に欧州企業や中国企業との価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
また、半導体等をはじめとする原材料や部品等の大幅な不足や価格の高騰が生じた場合、当社グループの業績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)災害に対するリスク
当社グループは、主力生産事業所を埼玉・栃木の二県に集中して展開しております。これらの事業所及び本社を含む首都圏において、大規模地震や台風・豪雨・洪水等の自然災害による生産設備への被害、製品輸送、製品保管中の事故等、不測の事態が発生した場合、操業停止を含め、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。
このような大規模災害が発生した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画(BCP)を制定し、従業員の安否確認システムを利用した訓練をしております。
また、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を契機に自然災害・新型感染症対応規程の見直しを図り、国際事業の拡大やテレワークなど新しい働き方の運用を踏まえて、社員の安全確保と事業の継続について定めております。
(5)海外展開に関するリスク
当社グループは、アジアを中心に積極的な海外展開を図っております。そのため各国の経済・市場の動向に関するリスクだけではなく、政治的リスクや気候変動リスクにより、事業開発の遅れが生じるリスクがあります。
また、テロ・紛争・戦争、感染症等のリスクがあり、社員の安全確保のため、営業拠点からの退避や事業そのものからの撤退を余儀なくされる恐れもあります。また、これらの事象により為替相場が変動し、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(6)新規事業に関するリスク
当社グループは、既存事業特有のリスク低減を目指し、より安定した強固な企業基盤を確立すべく、既存事業の海外展開や、MaaS、自動運転、ロボティクスといった新分野の技術開発に積極的に取り組み、新市場の開拓を目指しております。
しかしながら、参入を検討している新市場規模が縮小した場合、又は技術開発の遅れにより、新事業から撤退等の事態に陥った場合、新たな成長ドライバーを獲得するまで、依然としてこれらのリスクが残存することになります。
(7)情報システムセキュリティリスク
当社グループは、事業上の重要情報や、事業の遂行過程で得た取引先等の機密情報を有しております。当該情報の盗難・紛失等を防ぐため、情報取扱管理規程の整備、情報システムのセキュリティ強化、社員に対するITセキュリティ教育を実施しております。
しかし、不測の事態によって、機密情報の漏洩や想定を超えるサイバー攻撃を受けることで、データの破壊、改ざん、流出、システム障害等を引き起こす可能性があり、その結果、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
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