(1)経営成績等の概要
当社は、前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更し、当社グループの決算期を12月31日に統一しました。以下、当連結会計年度の経営成績に関しましては、前年同一期間(2020年1月1日から2020年12月31日まで)との比較により記載しております。
①経営成績の状況
(単位:百万円)
|
前年同一期間 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
売上高 |
28,966 |
26,230 |
△2,736 |
△9.4 |
営業利益 |
1,869 |
1,479 |
△390 |
△20.9 |
経常利益 |
1,827 |
1,445 |
△382 |
△20.9 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,539 |
909 |
△629 |
△40.9 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出や期間延長により各種経済活動が抑制されましたが、ワクチン接種が進み緊急事態宣言が解除となった10月以降は新規感染者数が減少し、国内経済は回復基調となりました。
しかしながら、半導体や樹脂材料の供給不足、原材料価格の高騰、海運輸送逼迫に伴う海上運賃高騰などサプライチェーンにおける問題や新たな変異株拡大の懸念もあり、景気の先行きは今後も不透明な状況が続くと見込まれます。
このようななか、当社グループにおきましては、新型コロナウイルスの感染予防に努めるとともに、マーケティング機能の拡充とソリューション営業力の強化を図り、競争力ある新商品の開発と生産体制の確立により収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、売上面では民需関連製品のエアコン用の配管保護機材と電磁波環境対策部品が前年同一期間に比べ増加となりました。一方、公共設備関連の道路情報機器とトンネル照明器具は期初の受注残高を背景に売上高を伸ばしましたが前年同一期間に比べ減少となりました。
利益面では、公共設備関連の道路情報機器が計画的な生産による原価低減や経費節減により利益は伸びましたが、前年同一期間に比べると減少となり、民間設備関連の産業用照明器具も前年同一期間と比べ減少となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は26,230百万円となりました。営業利益は1,479百万円、経常利益は1,445百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は909百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
売上高 |
セグメント損益 |
||||||
|
前年 同一期間 |
当連結 会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
前年 同一期間 |
当連結 会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
情報機器 |
14,331 |
12,260 |
△2,071 |
△14.5 |
1,904 |
1,773 |
△131 |
△6.9 |
照明機器 |
8,801 |
7,609 |
△1,191 |
△13.5 |
810 |
479 |
△331 |
△40.9 |
コンポーネント |
5,248 |
5,793 |
544 |
10.4 |
576 |
614 |
38 |
6.7 |
その他 |
583 |
565 |
△18 |
△3.1 |
19 |
13 |
△6 |
△33.1 |
情報機器事業
主力製品であります道路情報表示システムにおきましては、高速道路向け、一般道路向けともに前年同一期間に比べ売上高が減少しました。この事業におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの乱れなどの影響がありました。
この結果、売上高は12,260百万円となりました。利益面では、計画的な生産による原価低減や経費節減によりセグメント利益は1,773百万円となりました。
照明機器事業
民間設備関連の産業用照明器具におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による定期修理工事の小規模化や延期、調達面での納期遅延などにより売上高が前年同一期間に比べ減少しました。
公共設備関連におきましては、トンネル照明器具の売上高が大幅に減少しました。
この結果、売上高は7,609百万円となりました。セグメント利益は479百万円となりました。
コンポーネント事業
配電盤や機械装置に用いる産業用配線保護機材の売上高は前年同一期間に比べ増加となり、エアコン用の配管保護機材の売上高も在宅時間の増加に伴うエアコン需要拡大により増加しました。電磁波環境対策部品は半導体装置、車載機器向けなどで売上高は増加しました。この事業におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの乱れなどの影響がありました。
この結果、売上高は5,793百万円となりました。セグメント利益は614百万円となりました。
その他の事業
商品仕入販売は444百万円、情報サービスなどは121百万円となりました。この結果、その他の事業の売上高は565百万円となりました。セグメント利益は13百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、前連結会計年度末に比べ231百万円増加し、2,191百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更しました。よって比較対象となる前連結対象年度は9か月決算のため、対前期比較は記載しておりません。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、獲得した資金は47百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益は計上したものの、工事進行基準物件の売上増加に伴う売上債権が増加したこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、使用した資金は801百万円となりました。これは大型測定施設の新設による有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、獲得した資金は906百万円となりました。これは短期借入金の借入等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更しました。よって比較対象となる前連結対象年度は9か月間決算のため、前連結会計年度との比較については記載しておりません。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
情報機器 |
12,018,002 |
- |
照明機器 |
7,730,302 |
- |
コンポーネント |
5,766,741 |
- |
その他 |
565,509 |
- |
合計 |
26,080,556 |
- |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
受注残高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
情報機器 |
9,673,636 |
- |
9,380,902 |
78.0 |
照明機器 |
8,054,078 |
- |
2,250,179 |
128.9 |
コンポーネント |
6,741,962 |
- |
1,193,105 |
459.6 |
その他 |
565,509 |
- |
- |
- |
合計 |
25,035,186 |
- |
12,824,188 |
91.4 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
情報機器 |
12,260,924 |
- |
照明機器 |
7,609,815 |
- |
コンポーネント |
5,793,751 |
- |
その他 |
565,509 |
- |
合計 |
26,230,001 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前連結会計年度 |
相手先 |
当連結会計年度 |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
||
因幡電機産業(株) |
3,337,189 |
18.2 |
因幡電機産業(株) |
4,316,235 |
16.5 |
西日本高速道路(株) |
2,112,717 |
11.5 |
西日本高速道路(株) |
2,517,150 |
9.6 |
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度における財政状態の分析
流動資産
当連結会計年度における流動資産は21,582百万円で前連結会計年度に比べ1,905百万円増加しました。工事進行基準物件の売上増加に伴う売上債権の増加等によるものであります。
固定資産
当連結会計年度における固定資産は8,561百万円で前連結会計年度に比べ847百万円増加しました。大型測定施設の新設により有形固定資産および無形固定資産が増加したこと等によるものであります。
流動負債
当連結会計年度における流動負債は15,616百万円で前連結会計年度に比べ1,646百万円増加しました。これは、売上債権の増加に伴う運転資金を確保するために資金調達を行った結果、短期借入金が増加したこと等によるものであります。
固定負債
当連結会計年度における固定負債は1,324百万円で前連結会計年度に比べ45百万円減少しました。これは、繰延税金負債は増加しましたが長期借入金の返済が進んだこと等によるものであります。
純資産
当連結会計年度における純資産合計は13,202百万円で前連結会計年度に比べ1,151百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加等によるものであります。
b.当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前年同一期間に比べ減収減益となりましたが、これは決算期変更による影響と分析しております。前年同一期間と比較した経営成績については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループは、売上高、営業利益率を重要な指標として位置付けており、各期において外部・内部環境等を考慮して計画値を設定し、その基準を達成できるように努めております。
当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
売上高は計画比2,030百万円増(8.4%増)となりました。これは、情報機器事業の売上高が期初の予想よりも増加したことによるものです。
営業利益は計画比579百万円増(64.4%増)、経常利益は計画比595百万円増(70.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比259百万円増(39.9%増)となりました。全事業において諸経費の削減に努めたことにより、売上高の増加以上に増益となりました。
(単位:百万円)
指 標 |
当連結会計年度 (計 画) |
当連結会計年度 (実 績) |
増減額 |
増減率(%) |
売上高 |
24,200 |
26,230 |
2,030 |
8.4 |
情報機器事業 |
11,000 |
12,260 |
1,260 |
11.5 |
照明機器事業 |
7,250 |
7,609 |
359 |
5.0 |
コンポーネント事業 |
5,600 |
5,793 |
193 |
3.5 |
その他 |
350 |
565 |
215 |
61.6 |
営業利益 |
900 |
1,479 |
579 |
64.4 |
経常利益 |
850 |
1,445 |
595 |
70.0 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
650 |
909 |
259 |
39.9 |
営業利益率 |
3.7% |
5.6% |
1.9PT |
- |
ROE (自己資本当期純利益率) |
5.2% |
7.2% |
2.0PT |
- |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、主として内部資金又は借入により資金調達することとしております。
短期の運転資金の調達は短期借入金で、大規模な設備投資や長期の運転資金は長期借入金で対応しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、財政状態及び経営成績の状況に影響を与える見積りや判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、現時点において入手可能な情報を基に見積りを行っておりますが、その後の感染拡大による活動の停滞により、想定外の状況となった場合には将来の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
工事進行基準
当社は、情報機器事業及び照明機器事業の一定の要件を満たす工事案件において、工事進行基準を適用しております。当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事の売上については、各物件ごとに売上原価を発生基準で認識し、これに対応する売上を原価進捗率に応じて計上する工事進行基準を適用しております。
工事進行基準適用の物件については、各工事ごとの管理体制を整備し、受注時における見積り及び受注後の進捗管理を厳正に管理しております。採算性に変化があった場合は、速やかに見積原価の変更を行う等、売上計上時に相応の精度を確保しております。
なお、見積総原価が請負金額を上回ることとなった場合は、適時に受注損失引当金を計上しております。
お知らせ