研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループは、「オンリーワン・カンパニーの実現」を経営スローガンに、タムラならではの「オンリーワン技術」で市場ニーズに応える製品づくりを目指して、研究開発活動を推進しております。

当連結会計年度における研究開発活動は、当社グループの中期経営計画で成長戦略に掲げる「車載」・「パワーエレクトロニクス」・「IoT・次世代通信」という3つの市場で期待される技術開発を中心に実施いたしました。

当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

電子部品関連事業

195

電子化学実装関連事業

301

情報機器関連事業

220

報告セグメント計

717

全社(共通) (注)

234

合計

951

(注) 「全社(共通)」の区分は、各セグメントに配分できない未来開発研究費用であります。

① 電子部品関連事業

主に車載とパワーエレクトロニクス関連において、将来の市場拡大が期待される製品の開発を強化しております。

主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。

・世界的に市場拡大の著しい電動化車両用途として、ハイブリッド自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池車・電気自動車などの基幹システムである昇降圧チョッパー回路に適用される「車載用リアクタ」の開発を進めております。宇宙用途等で長年培ってきた高信頼性製品のノウハウが応用され、リアクタ用途に特化した自社開発コア(鉄心)を使用した、小型・高性能・低損失なリアクタであります。

・電動化の進む車載市場に向けて、電流センサの開発を進めております。電流レンジ・精度レンジの充実したラインナップを揃えました。省エネ・創エネ・蓄エネなどの場面で使用されることを想定しております。

・インバータなどで使用される大電力パワースイッチング半導体の駆動に使用する「ゲートドライバモジュール」を開発しております。IGBT、SiC-MOSFETのどちらにも対応可能で、機器の設計が大幅に簡素化されます。環境エネルギーのニーズの高まりを背景に、風力発電向けで採用が始まっております。

研究開発費用は、1億9千5百万円であります。

② 電子化学実装関連事業

車載・パワーエレクトロニクス・IoTの各領域に対して、電子化学材料から実装装置までの幅広い分野で、コア技術開発・製品開発を推進しております。

主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。

・パワー半導体チップ接合や基板下接合用に、新たな鉛フリーはんだ接合材を開発いたしました。本開発品は、市場で要求の高い無加圧接合対応のシート状で提供し、還元リフローや減圧リフローと組み合わせてボイド抑制ができます。また、独自の組成により200℃高温動作に対応するチップと接合層の界面強化がなされております。SiC、GaN、酸化ガリウムなど、高性能化が期待される次世代パワー半導体への適用試験も進めております。

・実装業界では放熱改善のためのQFN下面電極のボイド低減やBGAの未融合改善、酸化が進行した電子部品へのぬれ性の確保など、多種多様な要求がお客様から寄せられております。一般実装向けPbフリーソルダーペースト「TLF-204シリーズ」は、こうした様々なニーズに応える製品ラインナップを取りそろえました。

・既存の印刷工法では位置合わせの難しいFPC基板、印刷難度の高いキャビティを有する基板、立体的な基板のはんだ付といった用途における、非接触のはんだ塗布としてジェットディスペンス工法があります。「JDSシリーズ」は、塗布径に合わせてSAC305で2種のソルダーペーストを製品化し、ジェットディスペンスにおける吐出安定性と飛び散り低減に対応しております。

・車載機器用の高耐熱高信頼ソルダーレジスト「DSR-2200ACRシリーズ」は、次世代車載基板に要求される過酷環境下での耐塗膜クラック性、耐熱性、絶縁信頼性、密着性等の長期信頼性に優れております。ハロゲンフリーで、セミマットタイプも開発いたしました。

・フレキシブル基板用写真現像型白色液状ソルダーレジスト「RPW-300シリーズ」は、先進樹脂設計技術により優れた折り曲げ性能、高反射率、高解像性、低露光量を実現した白色ソルダーレジストです。ミニLEDバックライト基板などの次世代ディスプレイ用途や高意匠性車載LED用途に適しております。

・リフロー装置「TNV VersionⅢ」は、炉内の汚れを大幅に低減し、メンテナンスサイクルの延長・改善を実現いたしました。最新の革新技術により、生産機会損失を大幅に低減いたします。

③ 情報機器関連事業

ネットワーク化や多様化する情報サービスのニーズに対応した開発を推進しております。

主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。

・フルIP対応音声調整卓「NTXシリーズ」を開発いたしました。IP伝送規格「SMPTE ST 2110」に対応しており、コンソールサーフェースのサイズは「NTX800」・「NTX600」・「NTX300」の3サイズを用意。フルIPシステムを採用し、使用用途に合わせて柔軟なシステム運用が可能な製品であります。

研究開発費用は、2億2千万円であります。

④ 未来開発関連事業

当社のカーブアウトベンチャーであり、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の技術移転ベンチャーとしての認定会社である、㈱ノベルクリスタルテクノロジーと共同で酸化ガリウムを用いたパワーデバイスの開発を推進しております。

主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。

・酸化ガリウムを使ったパワーデバイスは低コストと高性能を両立できる製品であります。省エネ型社会の実現に向けて、超低損失大電流のパワーデバイスの開発を進めております。

研究開発費用は、2億3千4百万円であります。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得