事業等のリスク

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。事業等のリスクはこれらに限られるものではなく、また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響は合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。

当該リスクへの対応として、各種社内規程を定める所轄部門が管理し、内部監査部門が内部統制の指導、監督及び運用状況の評価を行い、リスク軽減を図っております。詳細については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 a.会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況」をご参照ください。

(1) 事業環境に関するリスク

当社グループは、成長戦略として「パワーエレクトロニクス」・「モビリティ」・「IoT」の3分野に注力して取組みを進めております。特にモビリティに関する領域は、電子部品・電子化学材料・実装装置といった当社グループの幅広い製品が関わり、中長期的な成長を期待して開発投資や設備投資を進めてまいりました。足元では、欧州で国家方針として急速に電気自動車への転換が進められており、日系車載メーカーも従来から取り組んできたハイブリッド車に加えて電気自動車の開発に乗り出しています。こうした各国の政策や、顧客の事業方針の変更は、当社グループ製品の使用場面に変化をもたらす可能性があります。それにより当社グループ製品の普及拡大が想定通りに進まなかった場合には、設備投資の回収が遅れるなど、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、市場のニーズを常に見極め、時代の変化を先取りした製品・サービスの提供に努めて、リスクの回避と成長戦略の推進に努めてまいります。

(2) 素材価格に関するリスク

電子部品関連事業における銅や鉄、電子化学実装関連事業における錫や石油化学製品などの素材価格の変動は、利益に対して影響を与えるリスクがあります。主要な素材については、定期的な相場連動による価格改定により価格変動の影響を吸収できるように対策しておりますが、素材価格が急激に上昇を続けて価格改定が追い付かないような場面では、一時的に企業収益を圧迫する可能性があります。当社グループでは、価格改定に加えて、設計変更による材料比率の低減や代替部材の設定、予約購入によるリスクヘッジなどの手段なども講じて、素材価格の影響の低減を総合的に進めてまいります。

(3) 海外展開におけるリスク

当社グループは、中国に多くの生産拠点を配置し、その生産高は当社グループ全体のおよそ半分を占めております。競争力のある製品の製造と中国市場の展開のためにその重要性は変わりませんが、世界の経済圏の分断が進んでいる中で、各国の政策動向によっては事業活動に困難が生じる可能性があります。当社グループは中国の他にも、アセアンや欧米などでも主要製品の生産が可能であり、今後地産地消をより強化して、エリア毎における対応力を高めてまいります。

(4) 自然災害をはじめとする緊急事態に対するリスク

当社グループの本社所在地は東京にあり、埼玉県及び東北地方に製造拠点を配置しております。日本の生産高はグループ全体の3割程度でありますが、電子化学事業では、日本の製造事業所が生産した材料を用いて生産活動を行う海外拠点もあり、当該地域で大地震が発生した場合には、建物や機械設備、棚卸資産の被害に加え、日本のみならず海外拠点の生産活動に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、日本の他にも、中国・アセアン・欧米といった世界各地で事業活動を行っており、各国で生じる可能性のある様々な自然災害のほか、政治的要因や経済的要因による社会的混乱などでも、事業活動の停止や遅延が生じる可能性があります。

当社グループでは、こうしたリスクを踏まえて緊急事態対策マニュアルを整備して、グローバルな販売・生産体制連携で事業継続できるように対策しております。また、情報システムの免振施設への移設、社員安否確認システム構築、災害発生時の初動対応策定、復旧計画の策定などの取組みを行っております。

(5) 感染症のリスク

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大に対して、顧客、取引先、従業員などの安全を最優先に、各種感染防止対策を行いながら、事業活動を継続させてまいりました。具体的には、本社に危機管理室を設置して、海外を含む当社グループ各社と連携のうえ、衛生管理の徹底、Web会議システムの活用、在宅勤務、時差通勤、交代制勤務などの導入を進めました。

今後も新型コロナウイルス感染症や、新たな感染症の発生により、通常の事業活動を行えなくなるリスクがありますが、新型コロナウイルスの拡大に際して構築した感染防止対策は活用できるものであり、適時適切な対応を進めてまいります。

(6) 製品補償に関するリスク

大規模な製品補償や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、会社の評価に重大な影響を与え、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対策として、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、保険で賠償額を十分にカバーできる保証はありません。

これに対して、当社グループでは日常的に実施している製品不具合再発防止策に加え、工場監査チェックシートの改訂、当社グループ内における品質指標の標準化、国際的な品質マネジメント規格の技法を活用した品質保証プロセスの改善の導入などにより、品質を強化する取組みを進めております。

(7) 知的財産権に関するリスク

当社グループは、独自に開発した設計・製造過程に関する技術及び製品等の特許権やその他の知的財産権を所有しております。これら知的財産保護のための様々な取組みを行っておりますが、完全な保護は難しく、想定している効果を得られない可能性があります。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っておりますが、全ての知的財産権を完全に調査完了することは時間・コスト・技術的観点より困難であり、また特許権利者が自己の知的財産権をどのように解釈し、どの範囲まで権利行使手続きを行うかを予想することは極めて困難であります。万一、当社グループの製品が第三者の知的財産権に近似する場合には、当該第三者より損害賠償請求、使用差し止め等の訴えを起こされる可能性があり、当社グループは和解やライセンス契約の締結、又は多額の損害賠償金の支払いが必要となる可能性や、当社グループの製品やサービスの一部が差し止めとなる可能性があります。

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