業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策による各種政策や海外経済の改善もあり景気の持ち直しの動きがみられるものの、原材料価格の上昇や一部部材の供給不足による生産の遅延、ウクライナ情勢や新たな変異株による感染症の再拡大懸念など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループの主要事業であり、官需を主とする情報装置事業につきましては、老朽化したインフラの大規模修繕などもあり、公共投資は堅調に推移しております。そのような状況下、規制区間の現場ニーズを取り込み交通安全に役立つシステムの提案などを行い市場拡大を進めてまいりました。

 一方、民需を主とする検査装置事業につきましては、企業の電子部品の生産増加を背景に、設備投資は持ち直しの動きがみられます。そのような状況下、他社製品との差別化競争は激しさを増しており、半導体市場向け高付加価値製品の開発に取組み、受注獲得に努めてまいりました。

 これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高17,380百万円(前年同期比19.5%減)、営業利益2,620百万円(前年同期比41.3%減)、経常利益2,685百万円(前年同期比40.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,990百万円(前年同期比38.0%減)となりました。

 また、当連結会計年度末の受注残高は17,845百万円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

・情報装置事業

 情報装置事業におきましては、前年連結会計期間に対し受注残高は増加したものの、大型案件の工期延期や一部部材の供給遅れの影響により高速道路向けLED式道路情報板等の生産が進捗しなかったため、売上、利益とも前年同期を下回りました。

 この結果、売上高15,713百万円(前年同期比23.1%減)、営業利益3,265百万円(前年同期比41.6%減)となりました。

・検査装置事業

 検査装置事業におきましては、半導体需要の増加や新製品の機能アップ提案によりX線検査装置や3次元基板外観検査装置の売上、利益とも堅調に推移しました。

 この結果、売上高1,666百万円(前年同期比45.4%増)、営業利益139百万円(前年同期は318百万円の損失)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は20,481百万円(前年同期19,655百万円)となり、825百万円の増加となりました。これは主に、売掛金(前年同期比2,344百万円減)が減少したものの、現金及び預金(前年同期比1,122百万円増)、契約資産(前年同期比1,040百万円増)、仕掛品(前年同期比727百万円増)、原材料及び貯蔵品(458百万円増)が増加したことによるものであります。固定資産は4,315百万円(前年同期4,528百万円)となり、212百万円の減少となりました。これは主に、投資その他の資産(前年同期比204百万円減)が減少したことによるものであります。

 この結果、資産合計は24,797百万円(前年同期24,183百万円)となり、前連結会計年度末と比べ613百万円の増加となりました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は6,956百万円(前年同期7,914百万円)となり、957百万円の減少となりました。これは主に、電子記録債務(前年同期比623百万円増)が増加したものの、未払法人税等(前年同期比759百万円減)、その他(前年同期比630百万円減)が減少したことによるものであります。固定負債は46百万円(前年同期52百万円)となり、6百万円の減少となりました。

 この結果、負債合計は7,003百万円(前年同期7,966百万円)となり、前連結会計年度末と比べ963百万円の減少となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における株主資本は17,366百万円(前年同期15,652百万円)となり、1,714百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金(前年同期比1,698百万円増)が増加したもとによるものであります。その他の包括利益累計額は427百万円(前年同期564百万円)となり、137百万円の減少となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金(前年同期比73百万円減)、退職給付に係る調整累計額(前年同期比64百万円減)が減少したことによるものであります。

 この結果、純資産合計は17,794百万円(前年同期16,217百万円)となり、前連結会計年度末と比べ1,577百万円の増加となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,122百万円増加(前年同期は2,141百万円の増加)し、7,363百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は1,455百万円(前年同期は2,226百万円の収入)となりました。これは主に棚卸資産の増加額1,242百万円、法人税等の支払額1,454百万円の減少要因はあるものの、税金等調整前当期純利益2,811百万円、売上債権の減少額1,565百万円の増加要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は41百万円(前年同期は119百万円の収入)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入205百万円の増加要因はあるものの、有形固定資産の取得による支出218百万円、無形固定資産の取得による支出25百万円の減少要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は292百万円(前年同期は204百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額291百万円の減少要因によるものであります。

 

 当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入れのほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても自己資金を基本としております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期増減率(%)

情報装置事業(千円)

18,462,734

△13.0

検査装置事業(千円)

1,671,303

3.6

合計(千円)

20,134,037

△11.8

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期増減率(%)

情報装置事業(千円)

55,496

△62.0

合計(千円)

55,496

△62.0

 

c.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期増減率

(%)

受注残高(千円)

前年同期増減率

(%)

情報装置事業

20,116,462

△2.6

17,204,895

34.4

検査装置事業

1,547,221

34.3

640,678

△15.7

合計

21,663,683

△0.6

17,845,573

31.6

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期増減率(%)

情報装置事業(千円)

15,713,512

△23.1

検査装置事業(千円)

1,666,763

45.4

合計(千円)

17,380,276

△19.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

中日本高速道路株式会社

4,159,247

19.3

3,449,030

19.8

国土交通省

2,687,350

12.4

1,114,378

6.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は17,380百万円(前年同期比19.5%減)、売上総利益は5,649百万円(前年同期比26.8%減)となり、売上総利益率32.5%となりました。情報装置事業において、大型案件の工期延期や一部部材の供給遅れの影響により高速道路向けLED式道路情報板等の生産が想定どおり進捗しなかったため、減収減益となりました。販売費及び一般管理費は3,029百万円(前年同期比6.8%減)を計上し、営業利益は2,620百万円(前年同期比41.3%減)となりました。また、法人税等調整額を含む法人税等合計は821百万円(前年同期比38.8%減)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,990百万円(前年同期比38.0%減)となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、情報装置事業のエンドユーザーの大半は道路管理者(国土交通省、各高速道路会社、地方公共団体等)が中心であり、官公庁への依存度が高くなっております。そのため、政府の整備計画等に基づく支出や財政政策等が経営成績に影響を与える可能性があります。また、検査装置事業においては、自動車関連やエレクトロニクス機器関連の顧客が多いことから、顧客が属する市場の景気動向や、設備投資意欲等が経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループは、「業界のリーダーになる」ことを目指しております。当社グループだけでなく業界全体が活性化するために、安全、安心、快適を高品質で実現して社会貢献してまいります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、情報装置事業及び検査装置事業における材料費、外注費と労務費、販売費及び一般管理費等があります。また、設備投資需要としては生産設備更新等に加え情報処理のための無形固定資産投資等があります。当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金は、内部資金を中心に活用を行っております。また、運転資金の効率的な調達を行うため国内金融機関において当座貸越契約を締結しております。

 

③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、利益を原資とした新たな価値の創造、需要の創出を行うため、利益の向上が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え営業利益及び営業利益率を重要な指標として位置づけております。当連結会計年度における営業利益は2,620百万円(前年同期比41.3%減)、営業利益率は15.1%(前年同期比5.6ポイント減)でした。引き続きこれらの指標が改善されるよう努めてまいります。

 

 

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