「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)については、その影響が含まれております。収益認識会計基準等の適用による売上高、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響については、「第5 経理の状況 注記事項(会計方針の変更)」を参照ください。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、当連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるグローバル経済は、第4四半期において新たな変異株により感染者数が急速に増加するなど、新型コロナウイルス感染症の影響は前期から2年間にわたり継続しました。こうしたなかで、自動車や半導体などの市場回復が徐々に進んだことにより、当社グループの事業においても復調傾向が見られましたが、新たな地政学的リスクとしてロシア‐ウクライナ情勢が急変したことにより、原材料・エネルギー価格の高騰や半導体の供給不足、物流面の停滞などの影響が2023年3月期以降もさらに長期化することが懸念される状況となりました。
このような状況のもと当連結会計年度の売上高は、自動車・半導体市場向け製品の増収がありましたが、事業ポートフォリオ改革の柱としてプロジェクター事業を縮小したことなどにより 、前年同期比 0.6% (840百万円)減 (以下の比較はこれに同じ)の 138,215百万円 となりました。利益面では、好調に推移した製品の収益改善に加え、前連結会計年度で推進した事業改革や不採算事業の縮小、原価低減策による効果に加え、原材料費高騰の販売価格への反映努力などもあり、営業利益は2014年3月の再上場以降最高益となる 145.2% (5,526百万円)増 の 9,332百万円 、経常利益は 157.1% (6,042百万円)増 の 9,888百万円 となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純損益は主に投資有価証券評価損10,312百万円を計上したことにより 3,659百万円 の損失となりました。
当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは112円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、比較・分析は、変更後の区分に基づいております。また、収益認識会計基準等の適用によるセグメント別の影響額については、「第5 経理の状況 注記事項(セグメント情報等)」を参照ください。
(エネルギー)
民生用リチウムイオン電池が半導体不足による顧客の減産の影響を受け減収となりましたが、自動車市場の需要回復により耐熱コイン形リチウム電池が増収となったことに加え、補聴器を主用途とするコイン形リチウム二次電池、スマートメーターを主用途とする筒形リチウム電池などの増収により、エネルギー全体の売上高は、2.2%(820百万円)増の38,631百万円となりました。利益面では、電池製品全般における原材料費高騰や民生用リチウムイオン電池の減収といった減益要因がありましたが、原価低減策の効果や耐熱コイン形リチウム電池などの増益により、営業利益は、22.4%(741百万円)増の4,050百万円となりました。
(機能性部材料)
塗布型セパレーターが収益認識会計基準等の適用により減収となりましたが、粘着テープや工業用ゴム製品が増収となり、機能性部材料全体の売上高は、1.3%(364百万円)増の28,018百万円となりました。営業利益は、粘着テープで原材料費高騰の影響が拡大しましたが、工業用ゴム製品の増収による増益、塗布型セパレーターの増益により、69.2%(761百万円)増の1,861百万円となりました。
(光学・システム)
プロジェクターが2021年9月末に米州、欧州及びアジア(中国及び韓国を除く)における販売を終了したことにより減収となりましたが、半導体市場の回復による半導体関連組込みシステムの増収、自動車市場の回復による車載カメラ用レンズユニットやLEDヘッドランプレンズなどの光学部品の増収に加え、ヘッドアップディスプレイの量産開始による増収により、光学・システム全体の売上高は、2.4%(928百万円)増の39,540百万円となりました。営業利益は、プロジェクターの事業改革による効果、自動車市場向け光学部品、ヘッドアップディスプレイの収益性改善、半導体関連組込みシステムの増益などにより、6,272百万円増の3,338百万円となりました。
(ライフソリューション)
2021年3月期において新型コロナウイルス感染拡大により需要が増加した除菌消臭器の販売鈍化及び健康家電事業の一部の事業承継の影響による健康関連製品の減収に加え、理美容機器、光ディスクなどその他のコンシューマー製品も減収となり、ライフソリューション全体の売上高は、8.4%(2,952百万円)減の32,026百万円となりました。営業利益は、健康関連製品及び理美容機器の減益などにより96.4%(2,248百万円)減の83百万円となりました。
地域ごとの売上高は、次のとおりであります。
(日本)
半導体関連組込みシステム、粘着テープ及び工業用ゴム製品、電鋳製品、筒形リチウム電池などの一次電池が増収となりましたが、民生用リチウムイオン電池が半導体の供給不足に伴う顧客の減産により減収となったこと、2021年3月期において新型コロナウイルス感染拡大により需要が増加した除菌消臭器の販売鈍化や健康家電事業の一部の承継の影響などによる健康・理美容機器の減収、光ディスクなどその他のコンシューマー製品の減収に加えて、塗布型セパレーターが収益認識会計基準等の適用により減収となったことにより、売上高は8.4%減の79,768百万円となりました。
(米国)
事業縮小によりプロジェクターが減収となりましたが、理美容機器、電設工具、ボタン電池などの一次電池が増収となったことにより、売上高は17.9%増の13,890百万円となりました。
(欧州)
車載カメラ用レンズユニットなど自動車市場向け光学部品、補聴器を主用途とするコイン形リチウム二次電池、耐熱コイン形リチウム電池などの一次電池、粘着テープなどが増収となったことにより、売上高は21.0%増の11,500百万円となりました。
(アジア他)
事業縮小によりプロジェクターが減収となりましたが、耐熱コイン形リチウム電池などの一次電池、ヘッドアップディスプレイ、粘着テープ、LEDヘッドランプレンズなど自動車市場向け光学部品などが増収となったことにより、売上高は7.7%増の33,057百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.生産実績には、完成品仕入にかかわる生産実績も含めており、仕入実績は次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.エネルギーの仕入高の減少は、民生用リチウムイオン電池の第三者からの仕入減によるものであり、光学・システムの仕入高の減少は、プロジェクターの事業縮小による影響によるものであります。
需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、以下の重要な会計方針が、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
当社グループは、棚卸資産の市場状況に基づく時価の見積額が原価を下回った場合に評価損を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得を合理的に見積って検討しております。
繰延税金資産の計上に用いた会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社の年金制度においては、割引率は優良社債の市場利回りを退職給付の平均支給年数で調整して算出しております。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
長期期待運用収益率は、年金資産の現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に退職給付費用の一部として計上されます。
なお、当連結会計年度の長期期待運用収益率の算定の前提となる年金資産の構成割合は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (7)年金資産に関する事項」に記載のとおりであります。
当社グループは、主に管理会計上の区分を考慮して資産グループを決定し、将来キャッシュ・フローの回収額を見積った結果、十分な将来キャッシュ・フローが見込めない事業用資産、処分等の意思決定がなされた資産及び遊休資産について回収可能価額まで減額し、特別損失に計上しております。
なお、当連結会計年度における減損損失の兆候の判定及び回収可能価額の算定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※7減損損失」に記載のとおりであります。
f その他有価証券の減損
当社グループでは、売買目的以外の有価証券のうち、市場価格又は合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を評価損として計上することとしております。また、時価のない株式につきましても、当該発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行い、評価差額は評価損として計上することとしております。
総資産は、前連結会計年度末比0.4%増(以下の比較はこれに同じ)の177,535百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金並びに棚卸資産が増加したことにより、16.5%増の99,469百万円となり、総資産に占める割合は前連結会計年度の48.3%から56.0%となりました。一方、固定資産は、主に投資有価証券の減少により14.6%減の78,066百万円となり、総資産に占める割合は前連結会計年度の51.7%から44.0%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(エネルギー)
エネルギーの資産は、5.0%増の34,923百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金の増加により、6.9%増の26,379百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の74.2%から75.5%となりました。一方、固定資産は、0.7%減の8,544百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の25.8%から24.5%となりました。
(機能性部材料)
機能性部材料の資産は、4.8%増の31,471百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金並びに売掛金及び受取手形の増加により10.0%増の15,956百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の48.3%から50.7%になりました。一方、固定資産は、0.1%減の15,515百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の51.7%から49.3%となりました。
(光学・システム)
光学・システムの資産は、0.6%増の35,662百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金並びに棚卸資産の増加により1.8%増の22,001百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の61.0%から61.7%となりました。一方、固定資産は、1.2%減の13,661百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の39.0%から38.3%となりました。
(ライフソリューション)
ライフソリューションの資産は、3.7%減の29,955百万円となりました。このうち流動資産は、主に売掛金及び受取手形の減少により3.9%減の17,703百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の59.3%から59.1%となりました。一方、固定資産は、3.3%減の12,252百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の40.7%から40.9%となりました。
(その他)
当社グループの全社共通業務を目的として保有している資産は投資有価証券の減少により3.1%減の45,524百万円となりました。
負債は、0.3%減の92,919百万円となりました。このうち流動負債は、主に未払費用及び短期借入金が減少したものの、1年内返済予定の長期借入金及び流動負債その他の増加により17.9%増の57,719百万円となり、これにより流動比率は1.7倍に、また流動資産との差額である手持ち資金は41,750百万円となりました。一方、固定負債は、主に長期借入金の減少により20.4%減の35,200百万円となりました。
(c) 純資産
純資産は、1.2%増の84,616百万円となりました。主に親会社株主に帰属する当期純損失3,659百万円を計上したものの、その他の包括利益累計額が増加したことによるものです。また、自己資本比率は前連結会計年度と同じく45.9%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から5,413百万円増加し、18,442百万円の収入となりました。これは主に、投資有価証券評価損10,312百万円、減価償却費4,542百万円、前受金の増減額が前連結会計年度は274百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は14,086百万円の増加であったこと、売上債権の増減額が前連結会計年度は464百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は1,004百万円の増加であったこと、仕入債務の増減額が前連結会計年度は852百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は1,251百万円の増加であったことによる資金の増加と、税金等調整前当期純損失1,549百万円、法人税等の支払額4,324百万円、棚卸資産の増減額が前連結会計年度は4,530百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は1,338百万円の減少であったこと、未払費用の増減額が前連結会計年度は6,728百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は8,851百万円の減少であったことによる資金の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から11,947百万円減少し、3,908百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,030百万円、定期預金の預入による支出2,215百万円による資金の減少と、投資有価証券の売却による収入2,403百万円による資金の増加によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から5,677百万円増加し、6,211百万円の支出となりました。これは主に長期借入金の増減額が前連結会計年度は1,388百万円の減少であったのに対し、当連結会計年度は1,598百万円の減少であったこと、配当金の支払いによる支出990百万円による資金の減少と、短期借入金の増減額が前連結会計年度は5,000百万円の減少であったのに対し、当連結会計年度は3,500百万円の減少であったことによる資金の増加によるものです。また、前連結会計年度において、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出5,335百万円がありました。
これらのキャッシュ・フローに現金及び現金同等物に係る換算差額と、現金及び現金同等物の期首残高を合わせた当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末よりも10,542百万円増加し、43,337百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度の21,068百万円から、当連結会計年度は14,534百万円へと減少しました。
当社グループは、資金の流動性を考慮して、資金運用については短期的な預金等とし、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用する方針であります。
当社グループの運転資金需要は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、加工費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。
当社グループの設備投資等の需要は成長が期待できる製品分野及び研究開発分野のほか、省力化、合理化及び製品の信頼性向上のための投資によるものです。
当社グループは、事業拡大のための成長投資を進めており、これらの資金需要に対しては主に銀行借入にて賄っております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社グループが対処すべき課題及び経営戦略 e 資本効率性の向上」を達成するため、今後もレバレッジを活用し、資本構成の最適化を意識したバランスシートマネジメントを追求していきます。
売上高は、自動車・半導体市場向け製品の増収があったものの、事業ポートフォリオ改革の柱であったプロジェクター事業の縮小などにより、前連結会計年度に対し、0.6%減の138,215百万円となりました。なお、為替レートは、前連結会計年度1ドル=106円、当連結会計年度1ドル=112円であります。
売上原価は、4.9%減の103,613百万円となりました。売上高に対する原価率は、事業ポートフォリオ改革の柱であったプロジェクター事業の縮小及び収益認識会計基準等の適用により、顧客から原材料等を仕入れ、加工を行ったうえで当該顧客に販売する有償受給取引において、原材料等の仕入価格を除いた対価の純額で収益を認識する方法に変更したことから、前連結会計年度の78.4%から75.0%となりました。その結果、売上総利益は15.1%増の34,602百万円となり、売上高総利益率は、前連結会計年度の21.6%から25.0%となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に給料及び手当並びに業務委託費の減少により、3.8%減の25,270百万円となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、昨年に引き続き、主にプロジェクター関連(光学・システム関連)の研究開発費が減少したことにより19.6%減の6,379百万円となりました。なお、売上高に対する研究開発費の比率は前連結会計年度の5.7%から4.6%となりました。
営業利益は、売上原価率の減少及び研究開発費の減少により、5,526百万円増の9,332百万円となりました。
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の40百万円の収益(純額)から、556百万円の収益(純額)となりました。受取利息から支払利息を減じた純額は、前連結会計年度の150百万円の収益(純額)に対し、46百万円の収益(純額)へと減少しました。
経常利益は、売上高が減少となったものの、売上原価率の減少及び研究開発費の減少、為替差損から為替差益に転じたことにより、6,042百万円増の9,888百万円となりました。
特別利益(損失)は、前連結会計年度においてプロジェクター事業の縮小や早期退職支援制度の実施に伴う事業構造改善費用の計上及び訴訟関連費用の計上により、11,544百万円の損失(純額)に対し、当連結会計年度は投資有価証券評価損の計上により、11,437百万円の損失(純額)となりました。
税金等調整前当期純損失は、6,149百万円改善し、△1,549百万円となりました。
法人税等は、4.5%減の1,718百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純損益は516百万円増の392百万円の利益となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失は、5,714百万円改善し、△3,659百万円となりました。1株当たり当期純損失は、前連結会計年度の△189.51円に対し△73.98円となりました。
当社グループは、中期経営計画MEX23の初年度である当連結会計年度を利益面での「成長路線への回帰」の年と位置付け、不採算事業の大幅縮小など事業ポートフォリオ改革による事業の新陳代謝を図るとともに、2021年10月1日を効力発生日として、当社が主要事業会社であったマクセル株式会社を吸収合併したうえで持株会社体制を解消し、当社が当社グループを強力に牽引する新たな経営体制を構築しました。加えて、原価低減策の継続的推進や、当連結会計年度で顕在化した原材料費高騰の販売価格への反映努力により、営業利益は2021年3月期との比較で大きく増加し2014年3月の再上場以降最高益となるなど、「成長路線への回帰」が実現できたと考えています。引き続きMEX23の基本方針である「価値(企業価値と利益成長)にこだわる」を念頭に置き、MEX23における2024年3月期の経営目標(連結売上高:1,250億円、連結営業利益率:10%、ROIC:7%超)の確実な達成と、すべてのステークホルダーに最高の価値を提供する「価値創出企業」となることをめざしていきます。
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