研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、当社及び当社の関係会社の研究開発部門や事業本部などが連携して研究開発活動を行っております。また、当社グループ外の企業との共同開発や産官学連携の活用により、一層の技術革新を推進しております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は6,379百万円であり、セグメント別の研究開発活動及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(エネルギー)

当社の研究開発部門や事業本部などが連携し、電池とシステムの革新により社会の発展、安全、安心に貢献することをめざし、リチウム一次電池やボタン電池などの一次電池、リチウムイオン電池や全固体電池などの二次電池及び電池応用製品の研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、将来にわたって社会課題解決に貢献する電池、特に全固体電池の研究開発を中心に行い、硫化物系固体電解質を用いたコイン形全固体電池を開発し、20年にわたる長寿命(※)を実現しました。また、リフローはんだによる基板実装と真空での使用が可能な高気密性を実現したセラミックパッケージ型全固体電池についても開発を行い、105℃環境でも10年の寿命(※)を実現できる見通しとなり、産業機器メーカーを中心にサンプル提供を開始しました。さらに、ポストリチウムイオン電池の革新型蓄電池の開発において、LIBTEC(技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター)で実施している第2期NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業(SOLiD-EV)に参画することで、新たな電池技術の確立を進めました。また、NEDOのロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)にも参画し、高出力ラミネート形全固体電池の開発により容量1,000mAhの全固体電池の作成に成功し、液系リチウムイオン電池に匹敵するエネルギー密度120Wh/kg、出力1kW/kgを達成しました。当セグメントに係る研究開発費は1,173百万円であります。

※ 当社試験による推計値

 

(機能性部材料)

当社、マクセルクレハ㈱及び宇部マクセル京都㈱の研究開発部門や事業本部などが連携し、コンバーティング製品のエクセレントサプライヤーとなることをめざし、粘着テープ、機能性材料、工業用ゴム製品、塗布型セパレーターなどの研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、海外の建築・建材市場に向けた住宅用気密部材や3次元実装に向けた半導体工程用のダイシングテープやバックグラインドテープの開発に取り組みました。また、自動運転車両や次世代通信をターゲットにした支援技術やデバイスの開発を継続して推進しました。車両向けには、省エネリサイクル性や省資源化に貢献できる軽量エンジニアリング・プラスチックシートの技術開発、用途開拓を進めました。一方、通信向けには車載ミリ波レーダーや5G通信をメインターゲットにした電磁波吸収部材を開発し、Beyond 5Gを狙ったテラヘルツ波対応製品の技術開発を社外と連携して推進し、エーミング用電磁波吸収部材を製品化しました。また、独自の3Dメッキ配線技術による5Gアンテナやモバイル部品の生産準備を進めました。当セグメントに係る研究開発費は1,527百万円であります。

 

(光学・システム)

当社及びマクセルフロンティア㈱の研究開発部門や事業本部などが連携し、光とシステムコンポーネンツ製品により暮らしと社会に貢献することをめざし、光学部品、電鋳・精密部品、半導体関連組込みシステム、金型・合成樹脂成形品、RFIDシステム、ICカード、映像機器などの研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、社会の安心安全に貢献するため、光と映像技術で新しい価値を創生した製品開発を進めました。特に当社グループ独自のLLIS(Laser Like Image Source)技術及び高次自由曲面光学技術による高輝度・高コントラストと低消費電力を実現する製品開発に注力し、車載分野では車の安全運転に大きく貢献するAR(Augmented Reality)ヘッドアップディスプレイを開発し、中国向けに製品出荷を開始しました。また社会の非接触ニーズに対応し、新たな映像表示の形を提供する空間浮遊映像装置であるAFID(Advanced Floating Image Display)製品の開発を進めました。映像技術分野では、引き続き高演色・高速画像処理技術を提供し、見えにくい映像を見やすくすることで、さまざまな安心を提供していきます。当セグメントに係る研究開発費は2,961百万円であります。

 

 

(ライフソリューション)

当社及びマクセルイズミ㈱の研究開発部門や事業本部などが連携し、安心、快適、スマートな空間づくりを通じて人々の心を豊かにすることをめざして、健康・理美容機器、小型電気機器、音響製品、光ディスク、充電機器、アクセサリー、乾電池、電設工具などの研究開発・商品開発を推進しております。当連結会計年度においては、ユニークな製品開発を通じて消費者にさまざまな価値や感動を提供すべく、各種新製品の開発を継続して進めました。特に新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後も一定の社会的ニーズが継続すると考えられる除菌消臭器においては、小空間用やオゾン水生成器の開発により、使用シーンの拡充に対応した製品を発売し、市場回復の兆しが見られる電気シェーバーにおいても、業界初で発売した6枚刃モデルをさらに機能性をアップしてリニューアルを図るなど、継続的に新製品の市場投入を行いました。また、医療機器認証を活用した健康関連機器や理美容機器においては、グローバル展開も視野に入れながら顧客の要望に応える製品の開発・提供を継続しました。当セグメントに係る研究開発費は718百万円であります。

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