研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループは、「社会に役立つ夢ある企業への挑戦」を経営理念とし、これまでに培われたエレクトロニクス及びメカトロニクスとその高精度制御技術、レーザー制御技術、光学技術をコア技術として進化させ、また、先進企業との協業や大学、研究機関とのアライアンスも積極的に進めて、お客様から愛される製品づくりを目指しております。
 当社グループの研究開発活動は、当社(セグメントの名称:日本)の開発本部及び各事業部に所属する技術部門並びに、海外の開発拠点(セグメントの名称:米州及びアジア)が推進しており、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,075百万円でありました。

 当社グループの事業は、電気機械器具の製造販売であり、事業区分はしておりませんが、当連結会計年度における主要な研究開発活動の概要は、次のとおりであります。

(1)映像機器関連分野

 映像機器製品につきましては、第2世代デジタルテレビ時代を迎え、4Kディスプレイを主軸にHDR、Wide Color、4K超解像技術、及び膨大なコンテンツ数への視聴対応や利便性向上技術(例えば、音声検索機能、マルチビジョングラフィック技術)に対応したSmart AI TVの開発などの技術の進化を図っております。特にバックライトにおきましては、輝度やコントラスト、色再現、画質というテレビにとって重要な性能面と製品のコスト面のいずれにおいても影響が大きく、また、当社の保有する光学・機構技術をいかんなく発揮できる分野であります。2021年5月には当社の光学設計技術を駆使し量子ドットパネルの能力を最大限発揮させたプレミアム液晶テレビを発表するとともに、ミニLED採用4Kテレビ等を当社独自のアプローチで実現しております。今後も、供給する地域や製品コンセプトに基づき性能と価格のバランスを考慮しつつ、光学系設計・解析、機構設計・強度解析、熱解析、信頼性確認など長年培ってきた当社テレビ製品に対する技術力を結集し、高画質テレビを普及価格帯に浸透させてまいります。

(2)車載関連分野

 車載関連分野では、センターインフォメーションディスプレイ(CID:Center Information Display)やクラスター(Cluster:Instrument Cluster)向けバックライトユニットの開発を、車載ディスプレイの市場要求である多様化(高輝度、高画質、省電力、フリーフォームなど)を実現する光学技術を応用し進めております。また、光走査素子(スキャナミラー)を使用した車載機器の開発も進めております。

 2019年10月には二輪・四輪車のエアフィルター分野でグローバルにトップシェアを有するROKI社と業務提携し、次世代のモビリティビジネス領域・新事業領域における新たな価値創造に取り組んでおります。

(3)ライフサイエンス分野

 メディカル向けの活動は、当社独自の数多くの知的財産を保有するサーマルインクジェット技術を「マイクロフルイディクス」(微量流体制御技術)に適用し、ラボ用医療機器、化粧デバイス及び芳香デバイス等への応用開発を進めております。医療用分析装置におきましては、早期事業化を目指し、構成する主要モジュールや周辺機器の開発を行っております。

 ヘルスケア向けの活動は、当社のメカトロ技術をもとに、医療・介護従事者の負担軽減をはかる作業支援機器や高齢者等の自立支援、QOL(Quality of Life)向上に役立つ行動支援機器の開発に取り組んでおります。

(4)基礎研究開発体制

 先進基礎技術を有する大学や研究機関との協業も積極的に進めております。大阪大学とは、同学医学系研究科及び医学部附属病院が主催する「産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ」へ参画することで包括的な連携を構築し共同でヘルスケア関連製品の開発を進める等、医療・健康分野の革新に取り組んでおります。

 産業技術総合研究所からは、同所が開発した光走査素子の技術移管を受けて、スキャナミラー応用機器を開発しております。

(5)知的財産戦略

 研究開発、製品開発の成果を特許として獲得するとともに、他社の特許を侵害しない製品開発を進めることにより、特許収支の改善を図っております。一方で、研究機関や他社との協業、他社特許の獲得、自社特許の譲渡・活用を効率的に進めることにより、即効性のある総合的な特許戦略を進めております。

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