文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)経営方針
当社グループは、「計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とより良い明日の社会の実現に貢献する」ことを企業の基本理念として掲げています。独創性のある技術とソリューションの創出を通じて、社会課題を解決し、「温度のチノー」として、株主・お客様・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーから信頼を得ながら中長期的な企業価値の向上に努め、豊かな社会の創造に貢献してまいります。
<創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン>
共創 : 環境の変化を捉えながらステークホルダーと共に新しい価値を創造します
特長 : 卓越した技術によるループソリューションでお客様に感動をお届けします
信頼 : 信頼の“絆”を強め 情熱とチームワークで未来に向かって成長し続けます
(2)経営環境
2021年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は継続しましたが、経済活動の再開が進み、景気回復の動きが見られました。一方で、米中貿易摩擦の長期化、資源価格の上昇、半導体をはじめとする部材の供給不足に加え、足元ではウクライナ情勢等が景気減速の懸念材料となっており、先行きは依然不透明な状況が続いています。
当社グループに関連する事業環境につきましては、半導体をはじめとする部材の供給不足による影響はあるものの、主要顧客である自動車や電子部品等の主要関連分野において設備投資の回復基調が維持されました。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
<チノーグループ中期経営計画2026>
経営ビジョンの実現を目指し、「中期経営計画2026」(2021年4月~2026年3月)に掲げた4つの基本戦略を軸に、グループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
(サステナビリティ経営の推進)
「脱炭素社会」並びに「安全・安心な社会」の実現にフォーカスしながら、環境・社会・経済の持続可能性への配慮により経済的価値と社会的価値を両立させ、事業のサステナビリティの向上に努めます。
(4つの基本戦略)
① 成長分野のさらなる開拓・拡大
新たな成長分野に向けてグループシナジーを創出し、特長あるソリューションの開発と提供を加速させる
② コア事業の高度化と価値創造
独自技術とサービスのインテグレーションによりコア事業を高度化し、お客様と新しい価値を創造する
③ 海外基盤の強化と事業拡大
国内外事業のリレーションシップ強化と地域別戦略の展開により、グループ収益力を強化する
④ 経営基盤の強靭化
企業価値の創造とイノベーション、スピード経営を支える人財・組織・ICT・ガバナンス・財務体質の強靭化を進める
(事業セグメント別の重点施策)
①計測制御機器
・事業環境変化にスピーディに対応した製品開発の推進
・定期校正&点検の提案活動によるサービス業務の拡大
・グローバル展開による生産体制の最適化
②計装システム
・制御構築技術/IoT技術/ソフトフェアの高度化による成長市場の開拓
・システム構築技術の集約による新しい付加価値の創造と充実したサービスの提供
・計装システムの海外現地生産・サービス体制構築の推進
・業務体制の変革による計装の組織力強化
③センサ
・新たな計測技術の創造による非接触センシングのシェア拡大とグローバルブランドへの進化
・高付加価値温度センサへの挑戦による新需要創出とグループ・協力会社とのシナジー最大化の追求
・校正サービス(標準技術)と校正装置の高度化 ~新たなサービス創出と収益拡大~
・成長市場や脱炭素社会の実現に向けた市場ニーズに対応した製品の開発
(財務戦略)
・最適資本構成の追求による財務健全性の確保
・投資効率を踏まえた積極的成長投資
・配当性向30%以上を目安とする安定配当の継続
(中期経営計画 2026年度数値目標)
・売上高 :300億円
・営業利益 : 27億円
・営業利益率 : 9%
・海外売上高 : 70億円
・ROE(自己資本純利益率) : 10%
・ROA(総資産営業利益率) : 8%
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年度よりスタートした「中期経営計画2026」の基本戦略に則り、以下の重点施策に取組みます。
(2022年度重点施策)
経済や社会情勢の様々な変化に伴う顧客の課題を迅速に把握し、全社一体の連携・共創による顧客価値やソリューションの提供を通じてサステナブル社会の実現に貢献すると共に当社の持続的成長の基盤を築く
① 販売部門は、顧客・市場情報の収集・共有化・分析・活用までの営業プロセスのデジタル化に創意工夫を重ね、情報とデータを駆使した顧客価値創造に資する活動の具体化により実績拡大を目指す
② 海外事業は、中期経営計画達成のため、現地法人とのリレーションシップによりマーケティング・製品企画・販売・生産を中心に海外事業戦略を具体的に定めて展開するなど、グローバル経営を革新していく
③ センサ・機器・システム開発活動は、顧客価値を把握した上で、コア事業の高度化及び成長分野開拓のための製品戦略(ロードマップ)と技術戦略を整備し、全社一丸で顧客創造の活動を推進する
④ 生産は、基幹システムに係る課題解決、最適地生産の検討、自動化や改善活動による生産性向上、生産技術部門によるコンカレントエンジニアリングの推進等、関係部門が連携してQCDS向上を進める
⑤ 計装システムは新体制で、顧客のイノベーションへの対応や顧客価値を創出する特長あるシステム作りに様々なステークホルダーとの共創を視野に取り組み、脱炭素化・DX社会実現に貢献して実績を拡大する
⑥ 品質向上活動は、品質本部の旗振りによる関係各部門の連携の下、顧客感動を目指した一気通貫の活動を展開し、ブランド向上に資する組織的活動を本格的に推進する
⑦ 持続的成長と企業価値向上に向け、ESG視点の社会課題に立脚した事業活動を通じて社会的責任を果たすために、経営管理本部が中心となり具体的な指標に基づいたCSR経営を全社で推進する
⑧ 人事部門は、事業環境の変化と人財の多様化に適合した「スキル向上」「組織開発」「コンピテンシー形成」のための学習と実践の機会の充実等を軸に、現場ときめ細かく連携して人財基盤を強化する
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