当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 当社グループの業績
(金額単位:百万円/%表示は対前期増減率)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、連結子会社であったSDI Media Group, Inc.の全株式を前年度末に売却したこと等により801億84百万円(前年同期比7.5%減)となりましたが、営業利益は34億17百万円(前年同期は営業損失10億84百万円)、経常利益は営業外収益の計上により39億34百万円(前年同期は経常損失13億43百万円)、と前連結会計年度と比較して大幅な増益を達成することができました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益については、減損損失12億円を含む特別損失の計上により27億29百万円(前年同期比21.0%減)となりました。
② セグメント別の業績
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来「映像制作サービス事業」に区分しておりました連結子会社1社(株式会社イマジカ・ライヴ)について「映像システム事業」に区分変更いたしました。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
当連結会計年度における映像コンテンツ事業の業績は、売上高は216億74百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益は5億82百万円(前年同期は営業損失4億40百万円)となりました。
劇場映画、ドラマ、アニメーション作品等においては、劇場映画やTVアニメーションに加えて、動画配信事業者向けのドラマ作品の納品もあり売上が堅調に推移しました。CM制作については受注が回復したことで、収益性が改善しております。また、オンライン配信に加えリアル開催の音楽ライブ収録も回復、ミュージックビデオの撮影等の受注も好調に推移しました。
これらの結果、映像コンテンツ事業全体では増収増益となりました。
当連結会計年度における映像制作サービス事業の業績は、売上高は420億80百万円(前年同期比10.4%減)、営業利益は17億26百万円(前年同期は営業損失22億23百万円)となりました。
国内のE2Eサービス※1においては、昨年度より連結化したPixelogic Holdings LLC(以下「PXL」)との連携等もあり、動画配信事業者向けのサービス(動画ファイルの圧縮・変換等のエンコード、ローカライズ)の受注が好調に推移しました。また劇場公開作品の本数が増加したことで、邦画・洋画作品向けのデジタルシネマサービスの受注も大幅に増加しました。劇場映画やアニメーション向けのポストプロダクションサービスにおいても受注を継続して確保しております。
海外のE2Eサービスにおいては、PXLは動画配信事業者向けのローカライズサービスの受注が継続して好調であることに加えて、欧米での劇場再開に伴い、デジタルシネマサービスの売上が増加傾向にあります。
TV番組・TVCM向けのポストプロダクションサービス等※2においては、広告市場の復調に伴い、TVCM向けは引き続き売上が好調に推移し、オンライン送稿の需要も拡大しました。
ゲーム制作・人材サービス等※3においては、3DCG制作及びデバッグなどゲーム制作関連の受注が好調に推移しました。
映像制作サービス事業全体の売上については、連結子会社であったSDI Media Group, Inc.の全株式を前年度末に売却したことにより減収となりましたが、国内外のE2Eサービスの好調及び、前年度に実行した構造改革の効果により大幅な増益となりました。
※1:E2Eサービス:End to End。映画・ドラマ・アニメーション等の映像コンテンツを制作するポストプロダクションから、それらを劇場、テレビ、インターネットを介した動画配信などあらゆるメディアで流通させるために必要なローカライズ(吹替、字幕制作)、ディストリビューション(流通)のためのメディアサービスまでをワンストップで提供するサービスの総称。
※2:映像制作サービス事業における事業再編に伴い、前期までの「映像技術サービス分野」の呼称を改め、「E2Eサービス」と「TV番組・TVCM向けのポストプロダクションサービス等」に表記を変更しました。
※3:前期までの「人材サービス分野」「デジタルコンテンツ分野」の呼称を改め、「ゲーム制作・人材サービス等」に表記を変更しました。
※海外のE2Eサービスの業績につきましては、決算日が12月31日であるため、当連結会計年度には2021年1月1日~2021年12月31日の実績を反映しております。
当連結会計年度における映像システム事業の業績は、売上高は176億39百万円(前年同期比16.0%減)、営業利益は17億40百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
放送局向けシステムは、需要の低迷やコロナ影響による営業活動の制限もあり受注が苦戦しました。ハイスピードカメラは、国内における販売は上期苦戦しましたが、下期から回復傾向となっています。一方、アジア・欧米での販売は好調を継続しております。CMオンライン送稿はマーケットニーズの拡大により好調な販売が継続しました。映像・画像処理LSIは、国内及び海外(特にアジア地域)における販売が引き続き好調に推移しております。
当連結会計年度より映像システム事業にセグメントを変更した株式会社イマジカ・ライヴにおいては、スポーツ関連のライブ中継やアーカイブ映像の配信業務等の受注が好調に推移しました。
モバイル通信回線販売においては収益認識会計基準の適用により、減収となりました。
これらの結果、映像システム事業全体は減収減益となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記以外の事業につきましては、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
当社グループの生産・販売品目は、映像ビジネスにおいて幅広く多種多様な事業内容・形態で展開されており、その多くが生産活動の進捗に応じて受注・販売金額が確定するため、受注高及び受注残高は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3.上記の他に新規事業関連収入、不動産賃貸収入等が971,553千円計上されております。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて129億38百万円(21.4%)増加し、733億84百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて106億25百万円(34.9%)増加し、410億66百万円となりました。これは主に、棚卸資産及び売掛金が増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて23億12百万円(7.7%)増加し、323億17百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて87億45百万円(28.6%)増加し、393億58百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて101億61百万円(45.9%)増加し、322億78百万円となりました。これは主に、契約負債、並びに支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて14億15百万円(16.7%)減少し、70億79百万円となりました。これは主に、長期借入金が減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて41億92百万円(14.1%)増加し、340億25百万円となりました。なお、自己資本比率は42.4%となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて72億7百万円増加し、184億97百万円となりました。これは主に棚卸資産が増加したことによります。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて87億83百万円増加し、388億53百万円となりました。これは主に現金及び預金、売掛金、並びに建物及び構築物が増加したことによります。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて24億6百万円増加し、148億77百万円となりました。これは主に棚卸資産、繰延税金資産、並びに現金及び預金が増加したことによります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前連結会計年度末に比べて4億37百万円(6.4%)減少し、64億19百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、74億14百万円(前年同期は5億92百万円の使用)となりました。
これは主に、棚卸資産の増加により資金が減少した一方、契約負債及び仕入債務の増加により資金が増加したことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べて25億64百万円(187.9%)増加し、39億28百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得により資金が減少したことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、41億83百万円(前年同期は14億69百万円の獲得)となりました。
これは主に、短期借入金及び長期借入金の返済により資金が減少したことによるものであります。
当社グループの主要な資金需要は、運転資金、設備投資及びM&A等の事業投資であります。
これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの借入などによる資金調達にて対応していくこととしております。
運転資金については、当社及び一部国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、コミットメントライン契約を締結し、不測の事態における機動的かつ安定的な資金調達手段を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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