課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「社員一人ひとりが誠実にお客様と向き合い、新しい技術やサービスを創造することで、持続可能な豊かな社会の実現に貢献する」ことをミッションとし、「光技術と新たな技術の結合で、社会・産業インフラを支える先進企業を目指す」ことを経営ビジョンとしております。

この方針の下、当社グループは、社会環境の変化を的確に捉え、企業としての社会的責任を果たしながら成長していくことを目指しております。

 

世界経済およびわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束時期は依然として不透明であるものの、社会、経済活動の正常化による景気の持ち直しが期待されます。しかしながら、世界的な半導体不足の長期化や、原油価格や為替の動向、ウクライナ情勢など、今後も予断を許さない状況が継続すると予想しております。

このような事業環境の中、照明事業においては、「脱炭素社会」に向け、国レベルの省エネルギーに対する取り組みも加速し、ストック需要へのLED照明導入促進は継続するものと推測しております。また、国土強靭化策と連動した防災、減災に対するインフラ整備の需要も継続するものと考えております。

光・環境事業においては、殺菌分野では、ウィズコロナ、アフターコロナにおける安心・安全に対する意識に連動した需要の継続、UVキュア分野、環境試験装置分野においては、引き続き設備投資の回復が期待できるものと考え、当社グループとしても新たな技術やソリューション提案を行うことで、市場動向を的確に捉えた事業展開を推進してまいります。

 

当社グループは、2022年3月期を初年度とする中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)を策定し、「第二創業に向けた成長戦略・構造改革」を基本方針として、事業領域の拡大、社会への新たな価値提供の実現のために、新規事業の取り組みと当社グループの構造改革を推進してまいります。その中で、「主力事業の強化・高度化」「周辺ビジネスの展開」「社会への新たな価値提供」に取り組み、商品提供にとどまらない、あらゆる付加価値提供を意識し、既存マーケットのソリューションから社会環境ソリューションを実現すべく、成長に向けた基盤づくりを推進してまいります。

 

照明事業においては、施設照明、産業照明分野を中心として、照明インフラに関わるサービスビジネスを積極的に展開してまいります。LED照明は通信、制御システムと組み合わせることにより、より一層省エネ性を向上することができ、さらに、光の質や演出性を高めることで、快適で楽しさのある照明環境の創造が実現できると考えております。また、近年多発している自然災害を背景に、屋外照明や施設照明に求められる役割やニーズが多様化してきており、様々な環境において、万が一の事態が発生しても「照明による安心と安全」を提供できる、防災・減災を意識した照明システムも社会インフラのお役に立てると考えております。

当社グループで保有する配光制御技術や回路制御技術などと周辺技術との結合により、付加価値の高い照明システムの開発に注力し、ESCO事業への取り組み強化、都市景観・街路市場への展開強化はもとより、施設照明、産業照明分野で、快適で利便性の高いスマート照明システムの市場訴求に取り組んでまいります。

 

光・環境事業につきましては、当社グループが取り扱う紫外線や赤外線、電子線など、様々な光技術によるビジネスと、サービスやメンテナンスを視野に入れた事業展開を推進してまいります。光の作用、効果を追求し、従来の環境試験関連分野、UV/EBキュア関連分野においては、新たな市場への展開、新たなアプリケーションの開発に取り組んでまいりますが、さらに、半導体製造プロセスに関わる光技術の構築による事業展開の強化を図ってまいります。また、殺菌関連分野では、空気循環式紫外線清浄機「エアーリア」に搭載する紫外線光源の新型コロナウイルスの不活化について、高い有効性があることが確認できておりますが、今後においても信頼性の高い技術と外部技術を結合した商品開発をスピーディに行い、衛生環境の改善や感染症の拡大防止に貢献してまいります。

光・環境事業全体として、地球温暖化防止、環境負荷低減に向け、当社グループが保有する光の基礎技術を最大限に活用して、周辺技術との擦り合わせを積極的に行い、短期的な取り組みに留まることなく、中長期的視点に立って、新たな事業フィールドの創造に取り組んでまいります。

 

当社グループは、照明事業、光・環境事業を推進する上で、ものづくりにおけるサプライチェーンの構築や調達力の強化、IT・DX推進、ソリューションビジネスの展開に向けた研究開発、社会動向を見据えた新技術開発、環境関連の取り組みなどに経営資源を重点的に配分してまいります。

また、社会への新たな価値提供を念頭においたビジネスの創出により、SDGsを含めたサステナビリティへの貢献を通して、企業価値を高めてまいります。

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